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5章:5歳になったらしい
49話:お母様の危機
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若手侍従さんのその言葉に部屋の中にいる全員が混乱した表情をした。
私ももちろん混乱していた。
若手侍従さんの言葉は信じられなくて信じたくもない言葉だった。
お母様が・・・目を覚まさなくなった?
でも、体は動いてるってことは、えっと、心臓が動いてるって事だよね?
だから・・・まだ・・・大丈夫。
私は気持ちを落ち着かせるために小さく深呼吸する。
ぎゅっ
私の手が暖かくて大きな手に包まれた。
「大丈夫だよ!璃杏!まだ、まだ大丈夫。早くお母様のところに行こう!!!」
私を安心させるように笑いかけるお父様。
その笑顔に少し安心する。
でも、その表情はどこか強ばっていた。
それに微かに手も震えている。
・・・・・・そっか、お父様も不安なんだ。
それはそうだ。お父様はお母様を溺愛している。
それにお屋敷の人たちもいつもお母様を信頼し尊敬している。
だからみんな不安なんだ。
自分たちが信頼し敬愛している人が死んでしまうかもしれないのだから。
・・・・・・・そうだ。かもしれないんだよ!!
まだ、まだお母様は生きている!!目を覚まさないだけで!!助けられる。
まだお母様を助けられる!!!!
だんだん冷静になってきた頭でしっかり考えてみると簡単なことだ。
私はぐっとお父様の手を引く。
「お父様!!早くお母様のところへ行きましょう。そんな怖い顔してないでお母様の顔を見に行って元気になりましょう!!!!」
私はお父様に笑いかけて駆け出す。
お母様の部屋に向かって。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
お母様の部屋につくと白いマントを着た赤い髪と黄色の瞳をした女の人と白衣を着てふくよかで優しそうな白髪がありえくぼがチャームポイントのこの家の医者がいた。
あとその周りに双美さんと私に付いてきた陽夏凛さんなどの侍女さん達が壁際に立っている。
みんな不安そうな顔や泣きそうな顔をしている。
私はお父様の手を引きながらお母様の眠るベッドに近づく。
「お母様・・・。」
私はお父様と繋いでいた手を離しお母様の手をぎゅっと握る。
お母様の身体は暖かい。
お母様はただ眠っている。
でも、手を握っても起きない。
「このまま、白百合は起きなかったらどうなるんですか?」
緊張した声でそう言うお父様。
この世界に点滴なんて存在しない。
前世の世界と同じところはあるのに、あって欲しいものが無いなんて不便な世界だと思うけれど無いものはしょうがない。
だから、もし、このままお母様が眠り続けたら・・・。
「残念ながら白百合さまは・・・っ、命を、落としてしまうでしょう。」
涙をためてそう言う医者。
私の心臓がドクンと高鳴った。
嫌な高鳴りだ。
私は小さく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
それでも、心臓は嫌な音を立てるし冷や汗もでてきた。
お母様に会うまでは希望の光が見えていたけれどお母様の状態を見たらそういう希望が薄くなっていく気がした。
でも、それでも・・・お母様を助けなきゃ。
「あの。お母様って・・・どうやったら起きるんですか?」
私は握っていた手を離し赤髪の女の人に聞く。
光魔法をかけた本人になら何かわかるかもしれないと思って。
だけど、私がそう聞いた瞬間赤髪の女の人は泣き崩れた。
「う、うわああ!!ごめんなさい!!まさか目を覚まさなくなるなんてっ!私のせいですわ!!!私のせいでっ!!白百合様は!罰を私に罰を与えてください!!!」
ぽろぽろと涙を流す赤髪の女の人。
そんな女の人にお父様は近づき肩に手を置く。
「気になさらないでください。あなたは頑張ってくれた。誰も咎めたりしませんよ。顔を上げてください。あとは僕達で何とか助けます。」
そう優しい声音で言うお父様。
流石は公爵家当主で《美しき草原の君》と言われるだけある。
だけど私は今、この人誰?状態で困惑している。
でも、お父様が許しちゃうのは分かるな。
だって、お母様を助けるために頑張ってくれたし罰なんて与える必要ないと思うな。
“果たしてそれはどうかしら?”
そう思った瞬間私の頭の中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
え?この声って・・・もしかして・・・。
私は少し誰もいない隅の方へ移動する。
「く、紅葉?」
私は小声でその声の主の名前を呼ぶ。
“正解よ!流石は私の主様。”
「!!!??えっ、ど、えっ?ど、どこにいるの!?」
私はキョロキョロとあたりを見渡す。
“あー今は精霊界にいるの。でも、なんだか嫌な予感がして璃杏ちゃんの家の様子を水晶で見てみたら案の定大変なことになっててびっくりしたわ。”
精霊界にいるんだ~久しぶりに会えるかもって思ったのに~。
「そうだ!さっき、紅葉『果たしてそれはどうかしら』って言ってたけど何か知ってるの?」
心の中で溜息をつきつつ紅葉に小声で聞く。
“ええ。まあ、ね。”
「!じゃあ、あの、紅葉の知ってること教えてもらってもいい?」
私は紅葉に力強く聞く。
“いいけど・・・これを知っても咎めるのはあとよ?いい?今は白百合さんを助けるのが先だわ!!”
咎める?どういうことだろう?
「わ、分かった。」
困惑しながらも私はうなづいた。
“実はね────────”
数分間、紅葉は知っていることについて話してくれた。
「紅葉。どうもありがとう。」
話を聞き終え私はニコッと笑いお礼を言う。
“え、ええ。”
私はお母様のベッドに向かう。
“あ、あんな璃杏ちゃんの真っ黒い笑顔・・・初めて見たわ。相当怒ってるわね。”
紅葉がそんなことを言っているとは知らずに。
「?璃杏?どうしたの?なんか、怒ってる?」
お父様がそんなことを聞いてきたけれど私はニコッと微笑み返しておく。
「ワー、オコッテルー・・・。」
そして、床に座り込む赤髪の女の人にも笑みを向ける。
「ひっ!」
私は今まで何の為に光魔法を練習してきた?
もちろん、お母様のためだ。
今ここで助けなくてどうする!!!
お母様の眠るベッドに近づき私はお母様の額と自分の額をくっつける。
お母様・・・絶対助けるから・・・また、皆で笑い合えるように。
私ももちろん混乱していた。
若手侍従さんの言葉は信じられなくて信じたくもない言葉だった。
お母様が・・・目を覚まさなくなった?
でも、体は動いてるってことは、えっと、心臓が動いてるって事だよね?
だから・・・まだ・・・大丈夫。
私は気持ちを落ち着かせるために小さく深呼吸する。
ぎゅっ
私の手が暖かくて大きな手に包まれた。
「大丈夫だよ!璃杏!まだ、まだ大丈夫。早くお母様のところに行こう!!!」
私を安心させるように笑いかけるお父様。
その笑顔に少し安心する。
でも、その表情はどこか強ばっていた。
それに微かに手も震えている。
・・・・・・そっか、お父様も不安なんだ。
それはそうだ。お父様はお母様を溺愛している。
それにお屋敷の人たちもいつもお母様を信頼し尊敬している。
だからみんな不安なんだ。
自分たちが信頼し敬愛している人が死んでしまうかもしれないのだから。
・・・・・・・そうだ。かもしれないんだよ!!
まだ、まだお母様は生きている!!目を覚まさないだけで!!助けられる。
まだお母様を助けられる!!!!
だんだん冷静になってきた頭でしっかり考えてみると簡単なことだ。
私はぐっとお父様の手を引く。
「お父様!!早くお母様のところへ行きましょう。そんな怖い顔してないでお母様の顔を見に行って元気になりましょう!!!!」
私はお父様に笑いかけて駆け出す。
お母様の部屋に向かって。
♔♕♖♗♘♙♚♛♜♝♞♟
お母様の部屋につくと白いマントを着た赤い髪と黄色の瞳をした女の人と白衣を着てふくよかで優しそうな白髪がありえくぼがチャームポイントのこの家の医者がいた。
あとその周りに双美さんと私に付いてきた陽夏凛さんなどの侍女さん達が壁際に立っている。
みんな不安そうな顔や泣きそうな顔をしている。
私はお父様の手を引きながらお母様の眠るベッドに近づく。
「お母様・・・。」
私はお父様と繋いでいた手を離しお母様の手をぎゅっと握る。
お母様の身体は暖かい。
お母様はただ眠っている。
でも、手を握っても起きない。
「このまま、白百合は起きなかったらどうなるんですか?」
緊張した声でそう言うお父様。
この世界に点滴なんて存在しない。
前世の世界と同じところはあるのに、あって欲しいものが無いなんて不便な世界だと思うけれど無いものはしょうがない。
だから、もし、このままお母様が眠り続けたら・・・。
「残念ながら白百合さまは・・・っ、命を、落としてしまうでしょう。」
涙をためてそう言う医者。
私の心臓がドクンと高鳴った。
嫌な高鳴りだ。
私は小さく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
それでも、心臓は嫌な音を立てるし冷や汗もでてきた。
お母様に会うまでは希望の光が見えていたけれどお母様の状態を見たらそういう希望が薄くなっていく気がした。
でも、それでも・・・お母様を助けなきゃ。
「あの。お母様って・・・どうやったら起きるんですか?」
私は握っていた手を離し赤髪の女の人に聞く。
光魔法をかけた本人になら何かわかるかもしれないと思って。
だけど、私がそう聞いた瞬間赤髪の女の人は泣き崩れた。
「う、うわああ!!ごめんなさい!!まさか目を覚まさなくなるなんてっ!私のせいですわ!!!私のせいでっ!!白百合様は!罰を私に罰を与えてください!!!」
ぽろぽろと涙を流す赤髪の女の人。
そんな女の人にお父様は近づき肩に手を置く。
「気になさらないでください。あなたは頑張ってくれた。誰も咎めたりしませんよ。顔を上げてください。あとは僕達で何とか助けます。」
そう優しい声音で言うお父様。
流石は公爵家当主で《美しき草原の君》と言われるだけある。
だけど私は今、この人誰?状態で困惑している。
でも、お父様が許しちゃうのは分かるな。
だって、お母様を助けるために頑張ってくれたし罰なんて与える必要ないと思うな。
“果たしてそれはどうかしら?”
そう思った瞬間私の頭の中に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
え?この声って・・・もしかして・・・。
私は少し誰もいない隅の方へ移動する。
「く、紅葉?」
私は小声でその声の主の名前を呼ぶ。
“正解よ!流石は私の主様。”
「!!!??えっ、ど、えっ?ど、どこにいるの!?」
私はキョロキョロとあたりを見渡す。
“あー今は精霊界にいるの。でも、なんだか嫌な予感がして璃杏ちゃんの家の様子を水晶で見てみたら案の定大変なことになっててびっくりしたわ。”
精霊界にいるんだ~久しぶりに会えるかもって思ったのに~。
「そうだ!さっき、紅葉『果たしてそれはどうかしら』って言ってたけど何か知ってるの?」
心の中で溜息をつきつつ紅葉に小声で聞く。
“ええ。まあ、ね。”
「!じゃあ、あの、紅葉の知ってること教えてもらってもいい?」
私は紅葉に力強く聞く。
“いいけど・・・これを知っても咎めるのはあとよ?いい?今は白百合さんを助けるのが先だわ!!”
咎める?どういうことだろう?
「わ、分かった。」
困惑しながらも私はうなづいた。
“実はね────────”
数分間、紅葉は知っていることについて話してくれた。
「紅葉。どうもありがとう。」
話を聞き終え私はニコッと笑いお礼を言う。
“え、ええ。”
私はお母様のベッドに向かう。
“あ、あんな璃杏ちゃんの真っ黒い笑顔・・・初めて見たわ。相当怒ってるわね。”
紅葉がそんなことを言っているとは知らずに。
「?璃杏?どうしたの?なんか、怒ってる?」
お父様がそんなことを聞いてきたけれど私はニコッと微笑み返しておく。
「ワー、オコッテルー・・・。」
そして、床に座り込む赤髪の女の人にも笑みを向ける。
「ひっ!」
私は今まで何の為に光魔法を練習してきた?
もちろん、お母様のためだ。
今ここで助けなくてどうする!!!
お母様の眠るベッドに近づき私はお母様の額と自分の額をくっつける。
お母様・・・絶対助けるから・・・また、皆で笑い合えるように。
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