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4章:4歳になったらしい

27話:泥棒捕まえよう作戦

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夕暮れ時でも人で賑わう町。

楽しそうな声がして邪魔はしたくないけど目の前を走る男を捕まえなくてはこの怒りは治まらない。

数メートル先にいる引ったくりの男。

でも、走っても走っても追いつけない。

大人と子供の体格では歩幅が違う。

人がいても男が大声で叫ぶため皆道を開ける。

そのため、男が走る道は大きく開く。

その分私との距離が遠ざかるばかり。

どうしたら・・・・あの男に何か罠でも仕掛けられたら捕まえられる確率は高くなる。

でも、どうやって罠を仕掛けよう。

その前に距離を少しでも近づかせないと罠を仕掛けるにも仕掛けられない。

どうしたら・・・・どうしたらいい?

その時突然少し強い追い風が私の身体に当たりぐんっと前に進みさっきのペースよりスピードが上がった。

「!!そうか、そうだよ、この、方法が、あったよ!」

私は周囲の人に迷惑をかけないよう自分だけに強い風が当たるようにする。

だいぶ疲れていたけれどこの方法は相手の距離も縮められるし疲れも少しは和らぐ。

それに、取れかけてたフードも取れないしいい事だらけ。

風は私の体を前に前にと自然に足を運んでくれる。

うまく人を避けながら走っていくと男の後ろ姿が鮮明に見える。

(よし!うまく行った!)

私はぐんぐんスピードを上げて距離を縮める。

もう少しで近づける!!

そう思った時。

男が後ろを振り向き追いかけている私に気づいて男はスピードを上げた。

しかも!速いこと速いこと!!

「ち、ちょと!待ってよ!!この引ったくりくそじじいいいいい!!!!」

思わず私は男に向かって叫んだ。

私は風をさっきよりも強くして男を追いかける。

男との距離はまた縮まる。

男はスピードを上げたことで疲れが見える。

それに、だんだん人気がない場所になっている。

「待てよ!!可愛い可愛い女の子を弾き飛ばしといて何逃げてんだよ!てか、人のもの盗むなよ!!そんなことしちゃいけないことぐらい小学生でもわかるわ!!」

私は鬼の形相並に男を睨みつける。

私のそんな叫び声に気づいた男は少し怯えた顔をしながらも走る。

またスピードを上げて。

私も風を強くして走り出した。

だけど、数メートルほどで私は立ち止まった。

男はそんな私に気づいてニヤリと笑いそのまま駆け出した。

私は男を追いかけるのは諦めた。

・・・・追いかけっこはもう終わり。

「っ!!!ぎゃあああ!!!」

男は悲鳴をあげ思いっきり転んだ。

実は叫んでる間に数メートル先に植物魔法で草を出して草を結んで転ばせられるよう罠を仕掛けていた。

うまく引っかかってくれて良かった。

男との距離を少しずつ縮める。

「走らせてくれてどうもありがとうございます。そのお礼と言ってはなんですが・・・・・・私が貴方を貴方に相応しい場所へとお送り致しましょう。」

私は転んで座り込んでしまった男を見る。

男から見たら私は男を見下している感じになる。

今度は私がニヤリと笑う。

その時強風が吹いた。

それと同時に被っていたフードが取れた。

フードが取れたおかげで私の銀髪が露になった。

「っ!!な、なんだ・・・お前・・・・ひいいいいい!!ち、ちち、近づくな!!化け物!!・・・・」

バタッ

男は青ざめ恐怖した顔で後ろへと後ずさる。

そのあと男はバタッと気絶して倒れた。

それをいい事に私はフードを被ってから盗られたバックを持った。

再び男を見る。

「・・・・・なんか、意外と簡単に終わった。良かったけど複雑だな。」

ぽつり私は呟いた。

街を歩いてても分かったけれど私の髪色はとても珍しく街中には誰一人として銀色の髪はいなかった。

だから改めてこの髪は珍しいんだと自覚した。

・・・・・・・・・・・・・・化け物・・・か。

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