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3章:3歳になったらしい

17話:天界の門番と結恵様

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この声・・・・・陽夏凛さん?

私は気になったので後ろを振り返る。

そこに立っていたのは・・・・・・私と同じ銀色の髪を腰ぐらいまで伸ばし左耳に金の葉っぱの飾りをつけ深緑の綺麗な瞳の美女が立っていた。

それはとても見惚れるほどの綺麗な人だった。

私がぽけーと女の人を見ていると・・・

「結恵様ああああ!!お帰りになられていたのですね!!」

びくっ!!

後ろで突然大声を出した天門さん。

び、び、びっくりしたー!!!

寿命が3年ぐらい縮んだ気がするよ!!

私は早死する予定はナッシングだから頑張って長生き目安は100歳越えを目指す!!!

私はそんな決心を固めながら結恵様を見ると目が据わりなんかゴゴゴゴォって文字が出てきそうな表情になっていた。

「ええ。それより、私の大切なお客様を困らせないで頂けないかしら?いっつもいっつも招いたお客様を呼び止めては俺は天界一かっこいいだの罪な男だの言って困らせていますよね?貴方は門番。勿論、不審者を排除する能力には長けていますが・・・・・・迷惑かけるのであれば今すぐにでも門番から外すこともできますがあなた以上の力を持ったものはいません。」

結恵様は怒りのオーラ全開だったのが途端に表情の無い人形のように無になった。

す、すごいここまで無状態になる人初めて見た。

私が感激していると結恵様は天門さんを無状態のまま見つめて言い放つ。

「だからこそ欲しい人材であるのですが、そのようにして自分の思考を他人に押し付けないでください。誰も天界に来ないからと言って話したいのは分かりますが、あまりすぎた真似はしないように注意することですね。天界の門番。」

最後の方はとても低い声で天門さんに言い聞かせる結恵様。

「も、もも申し訳ございません!!俺は門番としてこれから努力していきます!!!無駄話をせず速やかかつ正確に仕事を全うしていきたいと思います!!!!」

声がくぐもっていると思って天門さんの方を見ると土下座をしていた。

おおー!結恵様の表情+言葉は天門さんに効果抜群だ!!

結恵様最強とか思いながら再び結恵様の方を見ると表情は相変わらず見当たらない。

「・・・・天界の門番。」

と、呆れた表情と声で結恵様は天門さんの名前を呼ぶ。

「は、はい!何でしょう!結恵様!!」

声が上ずりながら返事をする天門さん。

「それを言い続けて何回目ですか?」

・・・・・ん?何回・・・目?

私は天門さんをもう一度見る。

天門さんはばっと顔を上げ元気よく答える。

「3回目です!」

もうそれはそれは自信ありげに答えた天門さん。

ブチッ

なにかの切れる音がした気がする。

私は恐る恐る結恵様の方を見ると・・・・・

ひょ、ひょぇぇええええ!!!

ゆ、結恵様の背後から炎がああ!炎が見えるよおお!!

「なに、盛ってる?今日合わせて597回目でしょうが!!」

ええぇぇー。

どんだけ盛ってるんだこの門番。

3と597って差がありすぎでしょ!!

1桁と3桁!!

この門番ある意味最強だよ!!

「い、いやはや、このごろ年でしてねー!あははは!それに、そんなに数字は変わらないでしょ?」

変わるわ!!!この門番、何言ってるんだろうか。

「変わりますよ!何言ってんだこの門番。」

私の心の中のツッコミと結恵様のツッコミが合わさった。

「そおーですかー?俺は回数とか気にしないんでえー!そんなに必要ですかあ?回数。」

殴りたい。切実に殴り倒したい!!!

それに、なんか急に変な話し方になったぞこのおっさん門番。

「少なくとも必要という時もありますよ。まさに今この時!!直す気なくてそんな挑発するぐらいなら心改心して出直してきてください。」

今にも殴り掛かる勢いで睨みつける結恵様。

うん。分かる、結恵様の殴りたい気持ち。

私も本日2度目の殴りたい気持ちが芽生えはじめている。

しかも、様付けしている相手に向かって挑発ってこの門番どこまでメンタル強いんだろう?

「改心ですか。俺は元々良い奴なんでそんなことする必要なっ!!」

必要ないと言おうとしたところで結恵様はとうとう我慢出来なかったらしく思いっきり門番の顔を片手でグググッと抑え込む。

「何言ってんだよ。良い奴は自分のこと良い奴なんて言わないわ!改心して欲しいから改心しろって言ってんの!!本っ当にお前の頭はどうなってるんだよ!いいか?この597回目という数字の中で改心できる時が沢山あったにもかかわらず人のせいにして改心しようとしないのは間違っている。今からでも直せ!今すぐ直せ!!人に迷惑かけるやつになるなというのが天界の掟!!分かりました!?」

結恵様は物凄く怒りながらギリギリと言いそうな骨をグググッとまだまだ抑え込む。

結恵様最強説。

「ず、ず、ずみまぜん。結恵様・・・なのでその手を離してください。お願いします。」

流石に大人しくなった門番さんはくぐもった声で結恵様に必死にお願いする。

「はあ、分かりました。ですが・・・・もう次はないと思って仕事をしてくださいね。」

結恵様は溜息を吐いて天門さんの顔から手を離す。

天門さんの頬に手の跡が赤く痛々しく残っている。

私はそーっと天門さんから目をそらす。

ワタシハナニモミテオリマセヌ。

私は天門さんから目を離していると不意に横から肩を叩かれた。

肩を叩かれた方を見ると結恵様がこっちを見ながら微笑んでいる。

ほう。眼福なり。

美女眼福!!最高!!

「じゃあ、そろそろ天界の中に入ろうか。」

そう言いながら手を差し出す結恵様。

私は迷いなく結恵様の手を握る。

そして、天界の扉を開き結恵様と中に入って行った。

そういえば、陽夏凛さんどうしてるかな?

それに、結恵様の手を握った時感じたものが陽夏凛さんとそっくりだった。

私は不思議に思いながらも結恵様についていった。

天門さんのことは頭の片隅に置いて。
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