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11章:ルーシャの心配なお茶会
Ⅰ
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ルーシャとリアの絆が芽生えた日から、8年の時が経った。
ルーシャとリアは13歳となり、ルーシャはマリアンローズ公爵家の令嬢としてのスキルなどにより磨きがかかってくるようになった。
優秀な頭脳、美しい礼儀作法、優雅なダンス。
令嬢のお手本とも言えるほどに成長をし、『ソルト王子に相応しいのはルーシャ様しかいない』と、周りの貴族からの評判がどんどん上がっていった。
始めはそんな評判が広がり始めたことを、ルーシャは悲観的に捉えていた。
しかし、ルーシャはリアの影響か、そのことを前向きにとらえ、評判を上げれば未来を変えられると思い、努力を怠らなかった。
リアは侍女としてのスキルをより磨いていった。
侍女見習いとしてはもちろん、ルーシャの専属侍女としても、主人の予定や部屋の掃除、完璧な侍女の礼。
洗濯や庭のお掃除も侍女仲間と仲良くこなしている。
ルーシャが他の貴族のお茶会に招かれた時の外出同行は、まだ許可が降りていないがそろそろだろうと言う話は上がっている。
そして2人は、あの日からより距離が縮まり、傍から見てもとても仲の良い友人のように見える。
2人でお茶会をしたり、本の貸し借りをしたり、リアの発案で追いかけっこをしたりと、普通の主従ではありえないことをしている。
しかし、屋敷の者たちやルーシャの両親はそんな2人を微笑ましくみていた。
❀.*・゚✧̣̥̇ ❀.*・゚✧̣̥̇ ❀.*・゚✧̣̥̇ ❀.*・゚✧̣̥̇
そして、ルーシャとリアは今─────────王城へと向かっていた。
実は、今日からリアはルーシャの外出同行が許された。
ルーシャの父に呼び出された時は、リアは何かやらかしたのかとヒヤヒヤしていたらしい。
しかし、マリアンローズ家当主様から侍女としての努力の功績を認められ、ルーシャへの外出同行が許可されたと聞いた時は、ルーシャと一緒に手を取り合って喜びあったのは記憶に新しい。
当主様もそんな2人を微笑ましく、そして嬉しそうに眺めていた。
そんなはじめての外出同行。
馬車の中は和気あいあいと・・・・・・している訳もなく。
リアはガッチガチに緊張をしていた。
「る、ルーシャ様!ど、どうしましょう!?緊張で心臓がっ!ドッキドキって言ってますうぅぅ!!!不敬働いちゃったら、死刑ですか!?まさか、はじめての外出同行が王城だなんて思ってなくて!!!しかも!お茶会に招待されるなんてぇぇぇぇ。う、うううぅ。」
そう、実は外出同行の許可と同時に、ルーシャと共にリアは王城のお茶会にも招待されていた。
なので服装も侍女の制服ではなく、淡い黄色の可愛らしいドレスを身にまとっている。
青い顔をして大騒ぎをしているリアに、ルーシャは苦笑をする。
「落ち着きなさいリア。不敬だなんてそう簡単にはなるわけありませんわ。それに・・・死刑罪は殺人や数々の殺人未遂を犯した者がなる罪ですわ。安心なさい。」
ルーシャの瞳が暗く濁る。
そんなルーシャの様子に、はっ!となにかに気づいたリアは、さらに慌て出す。
「そ、そうですよね!すみません。緊張しすぎて、変なこと言っちゃって・・・。でも!私だって成長したはずです!それに!礼儀作法で右に出るものはいないと言われているルーシャ様が隣にいてくれるなら、私!今日のお茶会で完璧な令嬢になれる気がします!!!!」
鼻息荒くそう宣言するリアに、ルーシャは思わず吹き出す。
「ふっ、ふふっ。なんですの?完璧な令嬢って?ふふふっ。それに、リアだってれっきとしたクリセント家の令嬢じゃありませんの。」
「そ、それはそうですけど~・・・でも、男爵家ですし、まだまだ侍女見習いですしぃ。普通の令嬢よりは浮いちゃうんですよぉ~。」
ルーシャの言葉に口を尖らせながら、ごにょごにょと反論をするリア。
「まあ、でも、そうですわね。今日は外出同行と言っても、リアもお茶会に参加する身。しゃんとしなさい。それに、何度も私とお茶会をしているのだから、作法は完璧に出来ていますわ。リア。安心なさい。私が隣にいるのだから、大丈夫ですわ。」
真っ直ぐにルーシャはリアを見つめて言い放つ。
「は、はいいぃぃー・・・・・・・・・・・・でもぉー・・・・。」
そんなルーシャの言葉に、ガクガク頭を縦に振るリア。
その反応に苦笑しつつも、ルーシャは柔らかい笑みを浮かべながら、まだごにょごにょと何かを言っているリアを眺める。
緊張と和やかな空気が入り交じった、なんとも不思議な空間が馬車内を満たす。
そんなふたりを乗せた馬車は、予定通りに王城へと辿り着いた。
ルーシャとリアは13歳となり、ルーシャはマリアンローズ公爵家の令嬢としてのスキルなどにより磨きがかかってくるようになった。
優秀な頭脳、美しい礼儀作法、優雅なダンス。
令嬢のお手本とも言えるほどに成長をし、『ソルト王子に相応しいのはルーシャ様しかいない』と、周りの貴族からの評判がどんどん上がっていった。
始めはそんな評判が広がり始めたことを、ルーシャは悲観的に捉えていた。
しかし、ルーシャはリアの影響か、そのことを前向きにとらえ、評判を上げれば未来を変えられると思い、努力を怠らなかった。
リアは侍女としてのスキルをより磨いていった。
侍女見習いとしてはもちろん、ルーシャの専属侍女としても、主人の予定や部屋の掃除、完璧な侍女の礼。
洗濯や庭のお掃除も侍女仲間と仲良くこなしている。
ルーシャが他の貴族のお茶会に招かれた時の外出同行は、まだ許可が降りていないがそろそろだろうと言う話は上がっている。
そして2人は、あの日からより距離が縮まり、傍から見てもとても仲の良い友人のように見える。
2人でお茶会をしたり、本の貸し借りをしたり、リアの発案で追いかけっこをしたりと、普通の主従ではありえないことをしている。
しかし、屋敷の者たちやルーシャの両親はそんな2人を微笑ましくみていた。
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そして、ルーシャとリアは今─────────王城へと向かっていた。
実は、今日からリアはルーシャの外出同行が許された。
ルーシャの父に呼び出された時は、リアは何かやらかしたのかとヒヤヒヤしていたらしい。
しかし、マリアンローズ家当主様から侍女としての努力の功績を認められ、ルーシャへの外出同行が許可されたと聞いた時は、ルーシャと一緒に手を取り合って喜びあったのは記憶に新しい。
当主様もそんな2人を微笑ましく、そして嬉しそうに眺めていた。
そんなはじめての外出同行。
馬車の中は和気あいあいと・・・・・・している訳もなく。
リアはガッチガチに緊張をしていた。
「る、ルーシャ様!ど、どうしましょう!?緊張で心臓がっ!ドッキドキって言ってますうぅぅ!!!不敬働いちゃったら、死刑ですか!?まさか、はじめての外出同行が王城だなんて思ってなくて!!!しかも!お茶会に招待されるなんてぇぇぇぇ。う、うううぅ。」
そう、実は外出同行の許可と同時に、ルーシャと共にリアは王城のお茶会にも招待されていた。
なので服装も侍女の制服ではなく、淡い黄色の可愛らしいドレスを身にまとっている。
青い顔をして大騒ぎをしているリアに、ルーシャは苦笑をする。
「落ち着きなさいリア。不敬だなんてそう簡単にはなるわけありませんわ。それに・・・死刑罪は殺人や数々の殺人未遂を犯した者がなる罪ですわ。安心なさい。」
ルーシャの瞳が暗く濁る。
そんなルーシャの様子に、はっ!となにかに気づいたリアは、さらに慌て出す。
「そ、そうですよね!すみません。緊張しすぎて、変なこと言っちゃって・・・。でも!私だって成長したはずです!それに!礼儀作法で右に出るものはいないと言われているルーシャ様が隣にいてくれるなら、私!今日のお茶会で完璧な令嬢になれる気がします!!!!」
鼻息荒くそう宣言するリアに、ルーシャは思わず吹き出す。
「ふっ、ふふっ。なんですの?完璧な令嬢って?ふふふっ。それに、リアだってれっきとしたクリセント家の令嬢じゃありませんの。」
「そ、それはそうですけど~・・・でも、男爵家ですし、まだまだ侍女見習いですしぃ。普通の令嬢よりは浮いちゃうんですよぉ~。」
ルーシャの言葉に口を尖らせながら、ごにょごにょと反論をするリア。
「まあ、でも、そうですわね。今日は外出同行と言っても、リアもお茶会に参加する身。しゃんとしなさい。それに、何度も私とお茶会をしているのだから、作法は完璧に出来ていますわ。リア。安心なさい。私が隣にいるのだから、大丈夫ですわ。」
真っ直ぐにルーシャはリアを見つめて言い放つ。
「は、はいいぃぃー・・・・・・・・・・・・でもぉー・・・・。」
そんなルーシャの言葉に、ガクガク頭を縦に振るリア。
その反応に苦笑しつつも、ルーシャは柔らかい笑みを浮かべながら、まだごにょごにょと何かを言っているリアを眺める。
緊張と和やかな空気が入り交じった、なんとも不思議な空間が馬車内を満たす。
そんなふたりを乗せた馬車は、予定通りに王城へと辿り着いた。
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