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5章:ルーシャの戸惑い
Ⅱ
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ルーシャは驚いた表情をして、リアを見た。
ルーシャの顔には『何を言っているんだ。』という文字が見える。
リアはあははーっと乾いた笑いを浮かべたあと、答えた。
「えっと、これからルーシャ様とは多分長い付き合いになると思うんです。だから、当たり障りのないこととか、少しでも今話せることだけでいいので、知りたいなって思って・・・だめ、ですか?」
少し困ったように笑うリアに、ルーシャは呆気に取られた。
ルーシャに対して今までそんなことを言ってきた人はいなかったのだ。
使用人はもちろん、ソルト達だってルーシャのことを知ろうとはしていなかった。
だから、リアの言葉はルーシャにとって始めて聞く言葉のようなものだった。
ルーシャはとても戸惑った。
なぜか、心の中が、少しだけ、暖かくなるような、体の力が抜けるような感覚に陥った。
ルーシャはひと呼吸おいて返事をした。
「ええ。いいですわ。お互いのことを知りましょう。」
不思議とルーシャはリアは信頼できるのではと、短い時間で思うようになっていた。
ルーシャの言葉にリアは嬉しそうに笑う。
「良かったです!!じゃあじゃあ!えっと、何から質問しましょう?あ、その前にどちらから質問しますか???」
「ふふっ、じゃあ、貴女から質問してくれないかしら?」
あわあわしているリアにクスリとルーシャは笑って言った。
リアはニコリと笑って大きく頷くと、ルーシャに質問した。
「えっとー・・・じゃあ、まずは、ルーシャ様の好きな飲み物はなんですか?」
リアの質問にルーシャは本当に当たり障りのないことだと思い、また笑った。
「私の好きな飲み物・・・そうですわね・・・紅茶かしら。」
「おおー!紅茶!流石お嬢様って感じですね!」
拍手をしながら感心するリアに、ルーシャの頬は自然に緩む。
「なんですの?その感想は。次は私ですわね。私の質問は・・・そうですわね・・・貴女はここに来る前は何をして過ごすのが好きだったのかしら?」
ルーシャの質問にリアは考える素振りを見せる。
そして、数秒後にとびっきりキラキラした笑顔で答えた。
「ミオお兄様やクルミお姉様と鬼ごっこやかくれんぼをして遊ぶことが好きでした!!」
リアの答えにルーシャはますます戸惑った。
聞いたことの無い遊びの単語が聞こえてきた。
「その、おにごっこ?とかくれんぼ?はどうやって遊ぶのかしら?」
「そうですね~鬼ごっこは、5人で遊ぶとするじゃないですか。1人を鬼に決めたら、鬼はあとの4人を追いかけるんです。で、その4人は鬼につかまらないように走り回るんですよ!
かくれんぼは、また、5人で遊ぶとして、鬼を一人決めるじゃないですか。ほかの4人は鬼に見つからないようにどこかに隠れるんです。・・・分かりましたかね?」
リアの回答にルーシャは曖昧に笑って頷く。
「なんとなくだけれど分かりましたわ。ありがとう。」
ルーシャの感謝の言葉にリアは少し驚いた顔をしたあと、ニッコリ微笑む。
「いえいえーお役に立ててなによりです!これからも有効活用してください!」
胸を張って答えるリアにルーシャはまた笑う。
ルーシャはこんなに笑ったのはいつぶりだろうかと、ふと思った。
ルーシャの顔には『何を言っているんだ。』という文字が見える。
リアはあははーっと乾いた笑いを浮かべたあと、答えた。
「えっと、これからルーシャ様とは多分長い付き合いになると思うんです。だから、当たり障りのないこととか、少しでも今話せることだけでいいので、知りたいなって思って・・・だめ、ですか?」
少し困ったように笑うリアに、ルーシャは呆気に取られた。
ルーシャに対して今までそんなことを言ってきた人はいなかったのだ。
使用人はもちろん、ソルト達だってルーシャのことを知ろうとはしていなかった。
だから、リアの言葉はルーシャにとって始めて聞く言葉のようなものだった。
ルーシャはとても戸惑った。
なぜか、心の中が、少しだけ、暖かくなるような、体の力が抜けるような感覚に陥った。
ルーシャはひと呼吸おいて返事をした。
「ええ。いいですわ。お互いのことを知りましょう。」
不思議とルーシャはリアは信頼できるのではと、短い時間で思うようになっていた。
ルーシャの言葉にリアは嬉しそうに笑う。
「良かったです!!じゃあじゃあ!えっと、何から質問しましょう?あ、その前にどちらから質問しますか???」
「ふふっ、じゃあ、貴女から質問してくれないかしら?」
あわあわしているリアにクスリとルーシャは笑って言った。
リアはニコリと笑って大きく頷くと、ルーシャに質問した。
「えっとー・・・じゃあ、まずは、ルーシャ様の好きな飲み物はなんですか?」
リアの質問にルーシャは本当に当たり障りのないことだと思い、また笑った。
「私の好きな飲み物・・・そうですわね・・・紅茶かしら。」
「おおー!紅茶!流石お嬢様って感じですね!」
拍手をしながら感心するリアに、ルーシャの頬は自然に緩む。
「なんですの?その感想は。次は私ですわね。私の質問は・・・そうですわね・・・貴女はここに来る前は何をして過ごすのが好きだったのかしら?」
ルーシャの質問にリアは考える素振りを見せる。
そして、数秒後にとびっきりキラキラした笑顔で答えた。
「ミオお兄様やクルミお姉様と鬼ごっこやかくれんぼをして遊ぶことが好きでした!!」
リアの答えにルーシャはますます戸惑った。
聞いたことの無い遊びの単語が聞こえてきた。
「その、おにごっこ?とかくれんぼ?はどうやって遊ぶのかしら?」
「そうですね~鬼ごっこは、5人で遊ぶとするじゃないですか。1人を鬼に決めたら、鬼はあとの4人を追いかけるんです。で、その4人は鬼につかまらないように走り回るんですよ!
かくれんぼは、また、5人で遊ぶとして、鬼を一人決めるじゃないですか。ほかの4人は鬼に見つからないようにどこかに隠れるんです。・・・分かりましたかね?」
リアの回答にルーシャは曖昧に笑って頷く。
「なんとなくだけれど分かりましたわ。ありがとう。」
ルーシャの感謝の言葉にリアは少し驚いた顔をしたあと、ニッコリ微笑む。
「いえいえーお役に立ててなによりです!これからも有効活用してください!」
胸を張って答えるリアにルーシャはまた笑う。
ルーシャはこんなに笑ったのはいつぶりだろうかと、ふと思った。
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