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3章:ルーシャの一筋の希望
Ⅰ
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マリアンローズ家の長女であるルーシャが、5日間高熱でうなされた。
5歳である小さな身体はとても苦しく辛そうで屋敷の者たちもとても心配していた。
そして、目を覚ましたルーシャは何かを怖がるようにベッドから起き上がり姿見の前に立った。
そして、部屋に絶望と諦めの声音が響いた。
「また・・・またですの・・・また私は・・・あのパーティの日に・・・・・・処刑されるんですの?」
ルーシャは姿見の前で顔を青ざめて座り込んだ。
ルーシャの体は震え冷や汗を流している。
「私は・・・まだ・・・報いを受けなければならないというの?・・・もう・・・死にたくないのよ・・・。長く生きて、幸せになりたいというのに・・・私は・・・生きてはいけないというんですの?」
カーペットはルーシャの涙でぽつぽつと色を濃くしていく。
ルーシャは前世の記憶を持ったまま何度かルーシャ・マリアンローズの人生を歩んでいた。
しかし、毎度同じ死に方をする。
始めはルーシャはこれも報いと受け入れていたところもあったが、2度目3度目になるとさすがに自分が死なないための行動を起こしたが、どうしても最後は同じ展開になってしまう。
ルーシャはそんな人生を繰り返すうちにだんだん希望が見えなくなってきて、今はもう、絶望してしまった。
自分に最期まで生きる権利はないのか・・・。
そう思いながらルーシャはまた人生を送る。
そして、今回もまた同じように死んでいく・・・。
ルーシャは涙を拭い、ベッドに戻った。
「仕方がありませんわ・・・。私の罪はそれほど重いんですわ。それに、高熱を出した1ヶ月後には殿下との婚約者候補である私との謁見がありましたわね。それしてそこで私と殿下は婚約を結ぶことになりますわ。」
毛布をかぶり天井を見つめるルーシャの瞳は憂鬱そうだ。
「さすがに親が決めたこともあり、私のわがままで無下にすることは・・・いえ、そもそも、始めの頃に私が殿下と婚約者になりたいとわがままを言ったのが始まりでしたわね・・・はあ。まさか、自らのわがままがこうも自らに返ってくるとなると恨めしく思いますわね・・・・・・さすがに、病み上がりというのもあって体が重いですわ。今は休むことにしましょう。」
ルーシャはひとつため息をはいて目をつぶった。
ルーシャは絶望して諦めかけてはいるが、どうしてもいつもいつも思ってしまう。
もしかしたら・・・・・・次こそは幸せになれる道があるかもしれない・・・と。
✄----✄
投稿が遅れてしまい申し訳ありません!
5歳である小さな身体はとても苦しく辛そうで屋敷の者たちもとても心配していた。
そして、目を覚ましたルーシャは何かを怖がるようにベッドから起き上がり姿見の前に立った。
そして、部屋に絶望と諦めの声音が響いた。
「また・・・またですの・・・また私は・・・あのパーティの日に・・・・・・処刑されるんですの?」
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ルーシャの体は震え冷や汗を流している。
「私は・・・まだ・・・報いを受けなければならないというの?・・・もう・・・死にたくないのよ・・・。長く生きて、幸せになりたいというのに・・・私は・・・生きてはいけないというんですの?」
カーペットはルーシャの涙でぽつぽつと色を濃くしていく。
ルーシャは前世の記憶を持ったまま何度かルーシャ・マリアンローズの人生を歩んでいた。
しかし、毎度同じ死に方をする。
始めはルーシャはこれも報いと受け入れていたところもあったが、2度目3度目になるとさすがに自分が死なないための行動を起こしたが、どうしても最後は同じ展開になってしまう。
ルーシャはそんな人生を繰り返すうちにだんだん希望が見えなくなってきて、今はもう、絶望してしまった。
自分に最期まで生きる権利はないのか・・・。
そう思いながらルーシャはまた人生を送る。
そして、今回もまた同じように死んでいく・・・。
ルーシャは涙を拭い、ベッドに戻った。
「仕方がありませんわ・・・。私の罪はそれほど重いんですわ。それに、高熱を出した1ヶ月後には殿下との婚約者候補である私との謁見がありましたわね。それしてそこで私と殿下は婚約を結ぶことになりますわ。」
毛布をかぶり天井を見つめるルーシャの瞳は憂鬱そうだ。
「さすがに親が決めたこともあり、私のわがままで無下にすることは・・・いえ、そもそも、始めの頃に私が殿下と婚約者になりたいとわがままを言ったのが始まりでしたわね・・・はあ。まさか、自らのわがままがこうも自らに返ってくるとなると恨めしく思いますわね・・・・・・さすがに、病み上がりというのもあって体が重いですわ。今は休むことにしましょう。」
ルーシャはひとつため息をはいて目をつぶった。
ルーシャは絶望して諦めかけてはいるが、どうしてもいつもいつも思ってしまう。
もしかしたら・・・・・・次こそは幸せになれる道があるかもしれない・・・と。
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