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10話 犬が穴でも掘るかのように…

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 バーナードの愛撫は激しかった。
 納屋の床で悶えるアンリエッタのドレスの中を土と砂……枯れ葉すらついた手を突っ込んでまさぐる……。
 2人は唇を重ね合わせて夢中でその柔らかさを味わう。

「うんっ……んん……!ん……」

 展開に怯えながらも、アンリエッタの官能を覚え始めた肉体は、バーナードの荒れたゴツゴツした手が肌の上をまさぐり、服をはぎ取る快感に悶てしまう。

 自暴自棄になっているのかもしれない……。
 アンリエッタはふとそんな事を考えたが、すぐその思考をかき消した。

 夢中でバーナード体に抱きつき、彼の肌の暖かさを求める。
 犬が穴でも掘るかのように……バーナードはアンリエッタの体を求めた。鼻と唇を首筋に埋め、舌でぬるりとアンリエッタの肌を舐める。

「あああああ!っんん!」

 ぶるぶるとアンリエッタの体が震えた。
 バーナードの手が、アンリエッタの下着を剥ぎ取り、小さな胸を揉む。

「柔らかい……お嬢さんの体……すっげぇいい匂い。そんで柔らかい……」
「んっうううう!あうっんん!」
 
 陶酔した重く低いバーナードの声が、アンリエッタの官能をくすぐる。
  バーナードがツンとしたアンリエッタの乳首をつまんだ。

「ひゃう……!」
 
 体をそらし、アンリエッタはか細い声で叫んだ。

「いいね……お嬢さん。この反応……ホントはこんな事しちゃいけないんだけど……ずっとこうしたかった。あんたの匂いを嗅いでから……この匂い。
 甘い匂いが……」
「匂い……」

 鼻先で首筋をくすぐられる。アンリエッタはじたばたと足をもがかせたが、すぐバーナードの手に押さえつけられた。
 ジェイドも力強かったが、バーナードの強さは全く異なっていた。肉体労働者の力だ。アンリエッタは為す術もなく足を開かされ、徐々に彼の手が下着の中に入り込んでいく。
 
「うふ…うっ」

 アンリエッタの敏感な部分に、バーナードの指が触れた。
 そこはもうすでに、バーナードに触れられる期待に蜜を溢れさせ始めていた。

「あうっ……」
「もう濡れてる……お嬢さん、あんたの匂い……いやらしい女の人の匂いだ。男を誘惑する……」
「そんな……違う……」

 同じことをジェイドにも言われた気がする。ガナイアの王宮で何も知らず清純に暮らしていた頃のアンリエッタには決して放たれることがない言葉だ。
 ガナイアから連れてこられて数日で……。アンリエッタは自分でも信じられないほど自分が変わってしまったと感じていた。
 よく知らない男に囲まれて暮らし、その両方から淫らな愛撫を受けて身を捩りよろこんでいる。そして、さらに別の都に送られて、ころころと后候補を犯して追い返す獣王の慰み相手になるのだ。

(お父様、お母様ごめんなさい……)

 一瞬、ガナイアの家族の顔が浮かんだが、バーナードの熱い吐息と、指先の動きに掻き消えた。
 バーナードはアンリエッタの敏感な小さな突起を指でツンツンといじりはじめた。

「あううう!うううう……ッ」
「これ好きか?人間の女も感じる場所は変わらないんだな……じゃあこういうのはどうだ?」

 ぐりぐりっ

 バーナードの指の腹が、アンリエッタのクリトリスを押しつぶし、左右にゆっくり揺さぶり始めた。

「ふあああああ!」

 アンリエッタの、中が、きゅうううんと収縮すし、まだ少女としか言えないはずの王女の体が弓なりに反り返った。
 軽い絶頂だ。
 アンリエッタはいきなり与えられた強い刺激にすぐ昇り詰めてしまう。
 どっと汗が吹き出した。

「あっあ……ああああ……」

「感じやすいんだなあ。お嬢さんは」 

 バーナードは目を細め、唇を舐めて見せた。耳先はピンと立ち、嬉しそうにピクピクと動いている。
 そして、その欲望にギラギラと光る眼は、獣のそれだった。
 その目つきに射抜かれ、アンリエッタはゴクリと息を呑んだ……。

(続く
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