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19章 魔法少女と創滅神
631話 魔導神
しおりを挟む肉体再生、開始。
喪失スキルの再取得開始。———完了。
人体の改革、完了。
変革を開始。
スキルの破棄、統合を開始。———完了。
重力魔法は重力掌握へ、空間魔法は空間掌握へ、再生創々は時間掌へ握変革。———完了。
魔法は全て破棄。
進化掌握、生成掌握、魂掌握を獲得。———完了。
破棄による変革により発現したスキルを統合。
進化、生成掌握を統合し、能力掌握、開花を獲得。———完了。
続いて、能力を選定を開始。
全能力を開花。変革により全ての性能を向上。重力掌握は重圧創造へ。時間掌握、空間掌握を統合し時空間掌握へ。魂掌握は創滅へ。開花は散華し全能創造へ。—————————完了。
これにより神への昇格権を所持する。
昇格を開始する。
———不可。———不可。———不可。
肉体の格が足りないと想定。肉体の変革を開始。魂の隔離を開始。
肉体の変革。———完了。魂を器へ返還。
それに伴い魂の強化を行う。輪廻還魂を獲得。
再び、昇格を開始する。
—————————完了。
天転を開始する。人間種より、神への昇格を終了。
不死、久遠之終焉を獲得。———不可。介入が発生。統一神化による撤回を承諾。不死を残置し久遠之終焉を破棄。
変革完了。世界の改革及び変革、並行。
全ての変革を終了。意識を回復します。
————————
気づけば、体には五感が戻っていた。
それに気づいた途端、真っ暗な世界に一筋の暖かな光を感じた。
幻視じゃない。太陽の光だ。
じわじわと、記憶が溶けて染み込んでいく。曖昧としていた脳が、炭酸でも飲んだみたいにシャキッとしだす。
とはいえ、ここで目を開けられても見えるのは創滅神の擬似太陽だけだ。
そう。私は、百合乃との約束を……みんなとの約束を守るためにここにいる。
創滅神に腹を刺されて、そのまま……どうなった?私は、多分まだ生きている。はずだ。
みんなを守るために、願いを叶えるために、私は決断をしたはずだ。
目を開く。開いた。眩しさに目を細めようとする。そこでようやく思い出した。私、落下してる。
周囲には煙。コホッコホッ、と咳が出る。落下しながら黒煙を払い、加速しながら地面に吸い寄せられている。
次に目に映るのは、慣れ親しんだステータス欄。
それにも、私は吸い寄せられた。指をそれに這わせた。
ステータス
『称号』
神への到達者
名前 美水 空
年齢 17歳
職業 未定
レベル 測定不能
攻撃測定不能 防御測定不能 素早さ測定不能
魔法力測定不能 魔力測定不能
原素測定不能 呪力測定不能 神力測定不能
装備 なし
御技 重圧創造 時空間創造 創滅 全能創造
不死 輪廻還魂
映った文字列に、私は対して驚きを見せなかった。なんとなく理解していた。目が覚めた時、自分の体が自分のものでないようだった。
やはり私は、あの未来の私になった。
しかし、気になる点がある。
久遠之終焉。このスキルが抜け落ちている。
そして私がまたもや全裸であること。
急いで、魔導着を生み出す。私の魔力は、神となったことで更に強大になった。
これならきっと、私でも。
目を伏せる。これは借り物の力じゃない、私の力。まずは、創滅神の元へ戻ろう。
再び目を開いた。そこにいたのはさっきまでの私じゃない。覚悟を決めた、神がいる。そういうつもりで息を吐く。
時空間創造、これを試す。
次の瞬間には景色がガラリと変わっていた。青い空に、煌めく太陽。それと、驚愕に瞳を揺らす創滅神。
「……………何故。」
目が千切れるほどこちらを見る。
「殺した……確認したはずだ……」
まるで自分が狂ったかのように、目を擦る。
「終わった、全ては終わったはずだろう。」
明らかに動揺が見て取れる。
創滅神も、神ぶっててもまだ子供か。親がいないと、やはりこんなガイジが生まれる。私も人のことを言えた身じゃないけど。
創滅神は首を振る。堤防が決壊するように感情が流れ出す。
「何故生きている!何故そこまでしぶとく生にしがみつく!我の未来を、何故!否定する!」
「黙れ。」
酷く冷たい声が出た。まるで私じゃないみたい。相反して、創滅神は感情を荒げ激情のままに叫び上げる。
「殺した、我は確かに殺した!お前の絶命を、この目で、この魔力で、感じ取った!」
「そんな力じゃ、私の想いは止められない。止まらない。」
「黙れ、童がああああぁぁぁぁぁ!」
突如視界がほの赤く染まった。それが攻撃と理解したときには、勝手に体が防御していた。
これが、神の力。……いや、自惚れちゃ創滅神と変わらない。しっかり、使いこなしてこその力。
見えないが、見える。魔力の流れ、魔法の形、
腕を伸ばす。狙いは……左腕。間接的に、創滅神のせいでもあるんだ。
古傷の仕返しと言うように能力を発動する。
「ディメンションプレス。」
かつて……いや、未来の私が放ったように、空間を捻じ曲げた。
「ぁ゛ッ……」
耳に届くは、とても形容できない骨の砕ける音。折れるなんて生やさしい物ではなく、雑巾でも絞ったように歪んだ音。程なくして、魔法は解ける。
我ながら末恐ろしい……
私の網膜を突いたのは、機械の腕が千切られたみたいにボロボロになった創滅神の姿。
どうやら、空間魔法と違って空間に付随する物体ごと影響を与えるようだ。他の能力もこれが適応するなら、色々試せそうだ。
「まさか……お前、神になったと言うのか?」
「勘いいね。さすが神。」
「ははっ…………我がお前をこの世界に呼んだ時点で、我の死は決定していたわけか。」
何かを思い出すように、諦めを滲ませて笑った。
「お前は死を迎えた瞬間、身体の変革が始まるように設定されていた。どれだけ心を折ろうが、結局のところはお前に殺される。」
しかし、創滅神は気が狂ったように笑い出した。
「はっはっはっ、はははっ!ならば、この世界に負の種を蒔いて去るとしよう!お前が苦しみ、永遠の終末に嘆き哀しむ様を見られないのが残念で仕方がないが、世界を破壊するという我の最後の仕事を果たしていくとしようか!」
魔力などお構いなし。タガが外れた創滅神の魔法は、気持ちの悪いカーブを描きながら私を狙う。
こんなことしたって意味ないのに。
創滅神の先程の言葉を思い出しながら、心で呟く。最後の最後まで意地の悪い神を演出してみせるのか。
「本当、しょうもない生き方だ。」
凶弾はついに私を捉えた。着弾の直後、魔法が消えた。
時空間創造。時間を切り取って、そこで生まれた魔法の存在を消した。
でも、そんなしょうもないクソ神でも、最期の言葉くらいは聞いてやろうと思う。
問答無用に一方的に殺しては、この神と同じになってしまう。
「アヌズレリアル、諦めろ。もう負けだ。」
「諦めているさ、我の命など。だがな、神には命以上に未来を夢見る衝動を持つ、難儀な生物なのだよ。」
「それは、世界の破壊?」
「観測者がいなくとも、世界が無に帰るというのは実に摂理通りであると思わないか?」
これから死ぬと分かっている神の笑みは、本当に不気味だ。
やっぱり、神は神。神の衝動を抑えることはできない。
安心した。最期の最期に、気が迷うことがなくて。
もう1度、私は手を伸ばす。
世界に変革を起こせるのは、私しかいない。
———————————————————————
今回言いたいことはひとつ。
厨二病が疼きすぎましたすみせん!!!!
序盤から謎の文の羅列をすみません。あれは、読者様に分かりやすいように起こっていることを文で説明した結果できたのです。
考えてください。こんなシリアスパートで、空さんみたいなふざけた口調で説明できますか?できません。なので、淡々とした機械音声にしました。ぶっちゃけ、あんな音声実際にはありません。
……もう少し文字数稼ぎたいですね。
本当に無理矢理時間を見つけて執筆して、なんとか首の皮一枚繋がってる状態で投稿してるんですよね、今。
今章終わったら、一旦休ませてくださいお願いします。
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