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8章 魔法少女と人魔戦争

254話 魔法少女はボコす

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「ほぉ~、あれが街です?」
何回見ても未来でああなるなんて想像もできないくらい見窄らしい(言っちゃ悪いけど)街ともいえない街が見えてきて、百合乃は声を漏らしていた。一方の私は、街主をどう料理するかを考えていて「うんそうだねー」と返事をする。

「空ー、返事淡白すぎますよ!」
「そうは言われても……」
そんな会話をしてるうちに、私達は全員街の中に入っていく。すると、住人達は帰還と一旦の休戦の報告を聞き、狂喜乱舞している。それはもう、あっちこっちで叫び声が聞こえ、安堵し、互いの生存を確かめ合っていた。抱き合う人、飛び跳ねる人。本当に様々。

「どんな状況です?」
「それ、私も思った。」
一方で私達の反応は至ってシンプル。なにこれ?

 おーい、皆さーん。そっちの立場にいないから分からないけど、そんな喜ぶもの?まだ終戦してないんだよ?

 言いたいことはあったけど、この雰囲気でそこまで無粋なことは出来ない。

「……ふふっ、ここはわたしたちも1回ヤっとくべきですよ。ほら、空?こっちにきてください?」
「何する気?……え?ヤっとくってなに?なにヤる気!?」

「そんなの決まってるじゃないですか~。アレですよ、アレ。互いの『ピーーー』が触れ合ry」
流石にお茶の間に流せないセリフが飛び出てきたので、綺麗な花の映像に差し替えておく。

 みんなは、こう言う大人になっちゃダメだよ?私との約束だからね。

 目には見えない視聴者の皆さんと指切りをしたところで、百合乃を引っぺがして精霊2人の元に行く。その時百合乃は「酷いですー!わたしとヤってくださいー!」と、公共の面前で叫んでいたので、サマーソルトキックを浴びせてやった。

 ステータスがなきゃ為せない真似だね。

「人から聞こえては行けない音が聞こえた。です。」
「鬼畜………ます。」
今世紀最大のおまいうが発動されたところで、ヘイトを一旦街主に預ける。

 よーし、気分は整った。あとはできる限り苦しく……じゃなくて、反省できるよう締めてやらないとね。

 本物の鬼畜外道とはこのことかいうくらいの汚い笑みをこぼし、2人に引かれていたのはまた別の話だ。

「もう従う必要もないんでしょ?なら、あとはあの街主を吹き飛ばすだけ。2人とも、囮ではないけど、誘導は任せたよ。」

「分かってる。です。」
「やられたらやり返す。ます。」
気を取り直した私の言葉に焚き付けられるように、グッと拳を握る。結構ストレスは溜まってたみたいだ。

 本当はアレも使ってみたいけど、まだ製作開始まで行ってないんだよね……

 私は、脳内でこれから手にするであろう武器を想像し、振り払う。

 そんなこと考えてる暇はないよね。今は街主退治だ。

「わたしたちは先に行く。です。こっそりくる。です。」
「見つかるな。ます。」
念入りに言われてしまっては仕方ないと、我らが(?)魔導法で視覚阻害を付与させる。

 流石魔導法、略してさすまど。
 ちなみに、上司に「流石」は行けないらしいから気をつけてね。

 皆が喜びを噛み締める中、2人定時報告という名の縛りに向かっていくのを見送り、私も後から追う。

 私が呼ばれた、あのクソみたいな街主の雰囲気が漂う場所に足を運ぶ2人の顔は、若干緊張が混じっていた。

「遅い。」

「申し訳ありません。です。」
「………ます。」
気に食わなさそうに頭を下げ、その態度に街主は若干余裕悦を混じらせる。

 うわっ、趣味悪。趣味わっる!

 大事なことなので2回言いました、というテロップを下に貼る。本当に大事なことだ。出血大サービス3回言おう、趣味悪い!

 そういう私も側から見たら中々の顔をしてるけど、私含め誰も見ないんだから関係ない。

「まぁ、概ねよくやった。だが、あの女は消した方が良かった。何かとうるさいからな。」

「……です。」
小さく頷き、見えないはずの私の方向を見る。

 なんで的確に見えるんだろうね。察知スキルでも持ってるのかな?

 そんな推測をしていると、街主がとうとう本家本元悪役外道の本性を表す。

「分かってるな?お前らは俺の所有物であり、物だ。奴隷の価値すらない。悪いことは言わない、反抗だけはするなよ?指先1つで消滅させられるほど脆弱なお前らに、そんな価値すらないがな。そんなクズでゴミなお前らには、ここで俺に一生利用され続けるのが最良の判断だ。そうと思わないか?」
秘書の女の尻を汚らしい手つきで撫で、舌なめずりをする。全国のアリコン諸君も真っ青なセリフだ。

 ……ん?なんか私まで震えてきたような……何この人?普通に狂気すぎるんだけど。

 そんな風に慄いていると、ドゴッ、という打撃音が聞こえた。横にいる秘書は、ポカーンだ。

「そろそろ我慢の限界。ます。生かさず殺さず、転がす。ます!」
キッと目がキツく結ばれ、文字通り転がせた。

「なにをす……ぐがあっ!」
ようやく状況を判断できるようになった街主が声を上げた瞬間、扉にぶつかる。

「うわぶねっ!?」
危なっ、というとしたけど盛大に噛み、よく分からない言葉が出来上がる。

「なっ、お前m………」
言い切る前に、赤色の髪がファサッと靡く。
ズドォーンッ!まるで魔物を倒す勢いだ。

 ちょちょ、床抜けるって!

 そんな心配も杞憂に終わり、うまい具合に顔が歪んだ街主がいた。

「ちゃんとお前の分も残してる。ます。」

「いやそこじゃないって。」
手を横に振り、放たれる殺気をジト目で見つめる。

 これが首輪の外された猛獣。
 私の出番は来そうにないかな。でも、残してくれてるって言ってたけど……どうなんだろう。

「………分かって……くばぁっ!?いる、のぶあっ!nぁ……殺す!………なぁっ!?」
途中の言葉は遮るように殴っていたのに対し、最後の重要そうな言葉は遮らない。絶望に歪む顔でも見たいんだろうか。

「ちょ、ちょっとー?」

「ころ、せなぃ……?」
力を辿って2人を殺そうとしたのか、何か道具をポケットから取り出すも、全く反応なし。完全に絶望に沈み、虚な目で私を見上げる。

「お前が、行け……お前が!……あのくぞどもを、やるんぁ……」
痛む体に変な方向へ鞭を打ち、私への命令(?)を下してくる。

「あのときは謝る。です。あとはやる。です。」
「殺すな。ます。一生わたしたちが飼う、ます。」
地獄絵図が広がり、私の耳は色々受け付けなくなっていた。もちろん、今の飼う発言も例外なく。

 とりあえず……やっちゃっていいかな?流石にこの状況は予想できなかったけど、まぁ生き地獄ってやつを見せておこう。

 そう決心した瞬間、頭にはロアの顔が浮かぶ。

「この街にあんたみたいなのは似合わないと思う。だから、ちょっと逝ってみよっか?」
その言葉を皮切りに、絶え間なく絶叫が響いたというのは流石に描写できない。

 ただ言えるのは、ですます姉妹2人の私を見る目が、なにか触れてはいけないものを見るような目になったってことかな。
 ナンデダロウネ?

———————————————————————

 ソラさん、鬼畜に変貌。
 ですが、流石に主人公らしからぬ行動は描写できないということで、想像に任せます。

 本編で触れた「アリコン」とはなんぞや?とおもいですが、9~12歳をあれの対象に見る人のことです。
 そこで皆さん「ロリコン」について勘違いしていることはありませんか?(何言ってんだろうこいつ)
 ロリコン=幼女好きのイメージがありますが、ロリとは12~15歳のことです。

 一方幼女とは1~9歳程度のことです。これには、ベビーコンプレックス、ハイジコンプレックスが当てはまります。

 つまり、私はロリコンであっても幼女好きではないということです!(頭大丈夫?)
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