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7章 魔法少女と過去の街

211話 魔法少女とお買い物

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 今私は、ツララと一緒に市場の中心あたりにあるあるお店に訪れている。

 ギルドの依頼料を貰った翌日だ。

 ツララ用の洋服とか家具、小物とか、足りないものを買い足しにきた。
 ベッドとか、買ってなかったし。

 これまでは私の小さいベッドで寝てもらってたから、今日からは自室で過ごさせてあげよう。

 客室とかも用意はしてあるけど、そこは家具とか特にない。
 過ごせはするけど、寝泊まりはできないって感じ。

「主ー!これがいいっ!」
水色が基調のシングルベッドを指差し、私の袖を引っ張ってくる。

 くぅー、可愛い。
 私は妹属性好きだったみたいだ。

「ん?妹さんかい?」

「まぁそんなとこですね。」
私達の会話は聞き取れなかったようで、にこやかに店員さんが聞いてくれる。

 ここは街の中でも数少ない布系を扱うお店。
 服だけじゃなくて、カーテンだったり布団だったり、枕とかぬいぐるみまで作ってる。

 実は私のベッドもここで買った。
 木枠は私が作ったけど。

「この布団、買います。」
「ありがとうね。銀貨1枚だよ。」
私は言われた通りに銀貨を出し、布団をステッキにしまって店を出た。

 またこの店にはお世話になりそうだし、今後もちょくちょく顔を出しとこうかな。

 そう思いつつ、ルンルンなツララの手を引いて市場に戻っていく。

「ツララはなんか欲しいものとかある?」
「……?分からない。けど、主が選んでくれるならなんでもいい。」
笑顔で言われてしまって、私のハートは崩壊寸前だ。

 あぁ、カラッカラの砂漠にオアシスが現れてるみたいなだ……

 まぁ、そういうのは置いといて、女の子らしい装備……もとい、オシャレでもしに行こう。

 服は私服と戦闘用にエンヴェルで買った服、これでまぁいい。
 次は他の装飾品だ。

 指輪と髪留め、全然可愛くない。能力は私が魔力付与で付与しておけばいいし、可愛いのを選んじゃおう。

「主?どうした?」
シュッとした目がまたギャップなツララが、小首を傾げる。

「なんでもないよ。ツララは女の子なんだし、オシャレしようよ、オシャレ。こんなもん取っ払おう。」
髪留めと指輪を回収し、新たな可愛いを探しにそれっぽい売り場を探してみる。

 似たようなのはたくさんあるんだけどなぁ。女の子用の小物とかのお店ないのかな?
 そもそも、この世界に可愛いの概念が……って、普通にあるよね。

「主、主。この指輪、欲しい。」
「ん?」
ツララが目を輝かせて見ている先は市場の商品……ではなく、私の指にはまってる青色の指輪。

 え、これ?私の指輪?

「これは、流石に……ね。ロアから貰ったやつだし、別のっていうのは……」
「むぅ………」
不満そうに頬を膨らませるツララの頭を数度撫で、「別の探しに行こっか」と宥める。

 ロアから貰った大切なものだよ、これ。確かに色は私の髪に似てて、ちょっとアレだったけど、今は特に何も思ってない。

 私の両親はどこまでゴミなんだろうね。私の大切なロアからの贈り物すら汚すなんて、今度会ったら殴ってやろうかな。
 嘘だけど。

「あっ、これなんかいいんじゃない?」
赤色の細いリボンを見つけ、手に取ってみる。

 一応言っておくけど、蝶ネクタイみたいなほうのじゃないよ。紐状のやつ。

 気に入ったので購入し、早速結んでつけてみることにした。

 まずツインテール。

「……髪が足りない。」
「………主?」

 次にハーフアップ。

「………髪が足りない。」
「…………主?」

 次にポニーテール。

「……………髪が、足りない。」
「………………」
そんな感じに無駄なやりとりをし、最終的にはもみあげ?側頭部?に垂れさせることになった。

 髪があれば似合うと思うけど、現状結ぶ髪がない。
 ということで、これは付属品として雇用することにした。

 これはこれで可愛い。短い髪っていうのも悪くないね。

「………」
ツララは自分の髪につけられたリボンを、無心で触っていた。

「よし!じゃ次行こう。」
「うん。」

 と、張り切ってはみたんだけどね。異世界ってオシャレが少ないんだね。
 リボンとか髪留めしかない。

 皆んなは自分達で使ったりしてるのかな?ってくらい数が少ない。

「赤と青、どっちがいい?」
結局、原点回帰のヘアピンにした。私は2つのヘアピンを持ち、ツララの前に向ける。ツララは、目線だけを動かして数秒静止する。

「こっち。あたし、青のほうがいい。」
「オッケー。店員さーん、これ1つー。」
まぁまぁお値段抑えめな髪飾りに魔力付与をし、前髪を留めてあげる。

「よし、これでどう?」
「ありがとう。」
相変わらず口数は少ないけど、可愛いのでいいとする。

 私は十分満足できたので、「家に帰ろうか」と言って市場を出る。

 あれ?何か忘れてるような気がするけど…‥気のせいだよね。
 うん、きっとそうだ。

 今日の戦利品は布団とリボンとヘアピン。他の家具を買うのを忘れ、私は意気揚々と家に帰っていくのである。

 家に着いた時にそれを思い出し、項垂れるというのはまた別のお話。

———————————————————————

 ステータス

 名前 ツララ
 
 年齢 15歳

 種族 氷狼族 

 レベル 38

 攻撃910   防御530 素早さ700

 魔法力550 魔力520

 装備 紅魔のリボン 氷魔のヘアピン

 魔法 氷結 氷華 雪礫 氷爪 氷瀑 氷槍
   魔力識別眼 氷結波

 スキル スピード補正 物理上昇
魔法少女の庇護 超人体力 忍耐 獣圧 従順
 立体機動 氷魔法能力上昇

 調教度 レベル8


 今日はとてつもなく疲れているのでこれで勘弁してください。
 この回は閑話よりも閑話しているので、飛ばしても何も支障はありません。(今更)

 それと、ここから少しの間はこういったのんびり回が続きます。
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