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5章 魔法少女と魔物襲来

161話 魔法少女は休暇を取る

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 私は、いつもの怪しげな雰囲気なお店に入る。

 うわぁ、色々あるね。剣やら服やら、万能屋みたいなやつなのかな?

 本当は帰るつもりだったけど、しばらく休暇をとって遊ぶことにした。
 よっしゃー!土地ももらったし、今日は夜ふかしだぁー!

 こうして、2徹が確定した。

「お客様ぁ、何かお探しですか?」
「あ、はい……って、あのおばさんは?」
若くて綺麗なお姉さんが、私に話しかけてきた。前来た時と違う人なので、少し驚いた。

「あぁ、店長さんですねぇ。ワタクシ、つい最近ここで働くことになったぁ、ミルっていいまぁす。」
甘い声と、マスクが相まって、つい見惚れてしまう。

 ……その胸部に付いてる、2つのメロンをひと掬いして貰いたいんだけど。
 あと制服のはずなのに、嫌に色っぽいんだけど。何これ?

 不思議な気持ちを抱きつつ、上着の件を話すことにする。

「この上着、ちょっとダメになっちゃいそうで。これよりもう少しいい物、ない?」
自分の服を摘んで、聞いてみる。

「コートのような感じがいいんですかぁ?」
「あ、うん。よく分かんないから、その辺適当で。」
薄く微笑み、店員任せにする。

 やっぱり、こういうのはプロのお方に任せたほうが変なのにならずに済む。

「これとかぁ、どうですぅ?」
笑顔で出してきたのは、黒を基調にしたロングコートのようなもので、ダボッとしたフードと、首から口元を隠せる布が付いていた。

 お、おぉ。なんかいい感じ。この前までのは、ザ•コート的な茶色い感じだったんだけど、これはこれでいい。

「極小の核石の欠片を埋め込んであるのでぇ、魔力耐性も強く、魔力循環もいいんですよぉ?魔法使いさんはぁ、あんまり買いたがらないんですけどぉ、お客様はぁ、冒険者さんなんですかぁ?」
ゆっくりな口調で、説明してくれる。

「まぁ、はい。一応冒険者やってます。ちなみに魔法使い魔法少女です。買いたがらない物を買う魔法使い魔法少女です。」

「……気にしていませんかぁ?ワタクシの言葉。」
「気にしてません。」
「気にしてますよn………」
「気にしてません。」
私の圧に押されて、「そ、そうですかぁ……?」と苦笑いをしていた。

 このコートでいいよね?前よりも性能もいいし、顔も隠せるしね。

「値段っていくらですか?これ、買うんで。」
コートを受け取り、レジ的な場所に向かう。

「はい。お買い上げありがとうございますぅ。銀貨、3枚ですよぉ?」

「…………はい。」

 高いっ、銀貨3枚!?それ、カフェの最低賃金の8分の1くらいじゃない?

 まって、それじゃあカフェの賃金低くない?いくら住み込みとはいえ、もう少し上げたほうがいいんじゃないの?
 せめてあと5枚くらい。

 あのおばさん……店長は、今日見なかった。それはそうと、明日からは、自分で作った休暇を使って遊び呆けよう。

「ありがとうございましたぁ。」
そのままは帰らず、その場で着替えることにする。
ちゃんと周りに人がいないから警戒して、その後に着替えた。

 お、なんかいい感じ。キリッとしててかっこいい。厨二感は否めないけど、この世界では関係ないね。

「買い物終わったぁー。」
独り言を呟きながら、帰路を辿る。

 エリーのご飯が待ってるからね。早く帰らないと。

「エリー、久しぶりー。」

「あ、ソラ!久しぶり……って言っても、そこまで時間経ってないよ。」
「そう?私は色々大変ったからなぁ。」
いつもの席に座り、その瞬間には私が欲しかった飲み物が置かれる。

 なんか阿吽の呼吸になってる気がする……まぁ、ずっと一緒にいるからね。

 それより、喉乾いた。これはさっぱり系よジュースかな?匂いが柑橘っぽい。

 グラスを持ち上げると、「それはレンの実と言って、甘酸っぱいんですよ」と説明をしてくれる。

「ん、美味しい。レモンを甘くした感じだ。」
「レモン?」
「いや、なんでも。故郷に似た食べ物があって。」
思わず日本の物を口に出してしまった。適当に取り繕い、グラスを煽った。

 はぁー!美味しい。久しぶりの飲み物。ちなみに、回復薬は飲み物には入らないよ?

「それより、ソラの見た目変わってる?」
「あぁ、気づいた?さっき買ったんだよね。」
コートをつまみ、ほら、と見せる。

「なんか凄そうだね。」
「高かったしね。」
適当に会話を続けていく。

「あ、そうそう。見たよ、魔法通信。なんかぽい事言ってたね。」
お客さんがいないからか、その話を始めた。

「あははー、そこは気にしないで。」

「柄にもなく真面目だったねぇ。こういう舞台では、ソラちゃんもビシッとなるものだ。」
間にエリーのお母さんが話を挟み、笑っていた。

「あんなソラ、初めて見たかも。」
「私、結構真面目にやったつもりなんだけど!?」
世間話を2、3交わし、ご飯を注文する。

「これ、最近街に入ってきたっていう食材なんだけどね。見た目は固そうで、どう調理すればいいか迷ったものだね。エリーと一緒に試行錯誤して、やっと出来たんだ。」

「試食してみたけど美味しかったから、ソラも食べてみて?」
「うん、ありがと。」
出されたのは炊き込みご飯と味噌汁。こんなところで和が見られて、感動を隠せない。

 あれ?これって……

「竹?」

「正解。知ってるの?」
「うん、竹林の村で食べたことある。」
久しぶりにアボルデルのことを思い出し、懐かしくなる。

「お米ってどこで手に入ったの?この辺じゃ、栽培してないと思うけど。」
「全部輸入。年に数度入ってくるか来ないかだから、特別な人にしか出さないんだよ。」
「へぇー」と相槌を打ちながら、もぐもぐと炊き込みご飯を頬張っていく。

 うんうん、アボデル村長が作ってくれた竹料理も美味しかったけど、エリー達の作る竹料理も、これはこれですごく美味しい。

 竹のパリッとした固い食感を残しつつ、中はほろほろと繊維が溶ける感じ、味噌汁も味噌がない関係で、出汁が多い気がするけど気にならない。

「ふぅー、ご馳走様。」
「お粗末さま。」
エリーのお母さんが皿を受け取り、手早く洗い始める。

「そういえば、お客さんは?いつももっといるよね?」
気になったので、質問をしてみる。

「魔物の討伐が完了したもんだから、ここぞと言うようにどんちゃん騒ぎしてるのさ。」
呆れたような表情で、肩をすくめて言った。

「じゃあ、その人たちが戻ってくるまで相手してもらおうかな。今日から休暇を取るつもりだしね。」

「そうなの?寝るために交代する時もあるけど、起きてる間なら相手するよ。」
はにかんだ笑顔で答えてくれて、その眩しさに涙が出そうになる。

 それからは、他愛もない会話が夜遅くまで続いた。

———————————————————————

 価格問題を解決するため、まずはカフェの賃金確認と、宿屋の値段調整を行います。

 また、ギルドの達成金や街への通行量、その他諸々細かいところもどうしようか考えています。

 変更するのは、今のところ宿屋です。

 2食付き1泊で、小銀貨7枚です。ということで、新しい概念を追加します。(遅すぎる)

 小銅貨1枚・・・日本円10円

  銅貨1枚・・・日本円100円

 大銅貨1枚・・・日本円500円

 小銀貨1枚・・・日本円1000円

  銀貨1枚・・・日本円10000円

 大銀貨1枚・・・日本円50000円

 小金貨1枚・・・日本円100000円

  金貨1枚・・・日本円1000000円

 大金貨1枚・・・日本円5000000円

 とします。

 ソラさんは5千万円の物件を、3千2百万円で買ったってことです。すごいですね。

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