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5章 魔法少女と魔物襲来
152話 魔法少女と地龍 1
しおりを挟む私は逆探知作戦を遂行し、とうとう地龍の元に辿り着いた。
どうやって辿り着いたかは、そのまま。
力になぞって進んでるから、実質、ゴールと繋がってるロープを掴みながら歩いてるようなものだよ。
木の影に隠れて、魔力を極力出ないように気をつける。
「やっぱり生きてたんだ……」
レールガンすら効かないとなると……と、少し悲観的になってしまう。
なら刀、他には魔法連打。魔導法での鱗が破壊。
色々な案が浮かぶも、どれも却下だ。
「刀は鱗に刃が通らないと思う。鱗に干渉するのは、脈が濃すぎで無理。魔法連打が1番現実的だけど、回復薬2本で足りるかどうか……」
深いため息が出る。言葉に力が無くなるけど、自分から役目を担うとか言っておいて、ここで引くのはかっこ悪すぎる。
よーし、やるぞっ!
心で拳を握った。
まずここは遠距離攻撃から。———暗黒弓!
ステッキを振り上げると、それと同時に真っ暗な鏃と、紫がかった胴体(?)のある矢が何本も放たれた。
「グラウゥゥゥゥゥゥヴァァァッ!!」
漆黒の鏃が地龍の鱗に、溶けるように刺さる。それによって、地龍はいつにも増して大きな咆哮をあげていた。
うるさっ!常人なら一瞬で鼓膜潰れてたよ。
まぁそれはいいとして、暗黒弓は効くんだね。鏃が闇で出来てるからかな?
この感じだと、他の2つも効くのかな?
「今から戦闘開始だ。」
勝てるかどうかは分からないけど、という言葉は飲み込み、ステッキを絞るように握る。
「ゴガア゛ァァァァァァァァァァァッッ!!」
相も変わらず、どうして魔物はそんな叫ばないと生きていけないの!
「うるさいっ、混合弾!」
辺りには夥しい量の混合弾が発生して、闇と光の合わさった微妙な色をしていた。
「全弾、射出っ!」
もの凄いスピードで混合弾が射出され、ダァンッダァンッダァンッ!と大きな音を立てて衝突する。
「グルォォォォッ!!」
何弾も命中するけど、声だけで見た目は全然効いてるようには見えない。
やっぱり鱗だよね。強固な龍鱗をどうにかしないと、勝てるものも勝てない。
「グラオ゛ォ゛ォ゛゛ォ゛ォ゛ッ゛!!」
轟音が鳴り響き、私の周りから少し違和感を感じる。
……なんかミシミシいってる気が……って!
「危ないっ……ッ!!」
寸前で飛び退き、木の枝を使って回転して飛ぶ。地面、そして木の側面から、土の槍が生えてきた。
やっぱり、地龍相手に陸上戦は死だ。でも、空中歩行し続けるのも、それはそれで魔力が必要。
「勝ち目が思い浮かばないんだけど……」
ため息混じりに嘆き、もう1度跳躍する。その瞬間に、地面から土槍が出現した。
やっぱり、魔力消費よりこっちの方が危険だね。空中歩行作戦に切り替えだ。
目には目を、槍には槍をで流星光槍を5本ほど作り上げる。
「これが効かなかったら本格的にやばいよ?」
そんな独り言が漏れるくらいには、やばいということだ。
まず1発目。よーい……発射!
勢いよく回転し、流星が風を切るようなスピードで飛んでいき、地龍へと肉薄する。
「グルァァァァァァァアッ!」
鱗を突き抜けて、地龍は喚く。
よしっ、効いた!
あと4発は同時に射出し、風を切る音がはっきり聞こえる。
これは勝てるか?そう思っていた。
「ルオォォォォォォォォォォォォッッッ!!!」
でも、その音が聞こえたときにはもう終わっていた。
なんとも言えない色合いの波動が、地龍の口から出た。
ビームみたいなのが飛び出し、光槍は跡形もなく消え去った。
そんな攻撃するなんて効いてないよ、チートだよチート!勝てるわけないじゃん。
「ちょっと、いや本当に本気出さないと……」
刀を取り出し、二刀流になる。本気の本気だ。
ここから始まるのは、地龍と私の超激戦。
向こうも動き始めた。私も気をしめていかないと!
「アースアイス!万属剣!」
地面が揺れ、氷槍が地面から飛び出る。それとほぼ同時に、私の真下からも土槍が出てくる。
空にいるから避けれたと思ったのに、何故かぐんぐんと長く伸びる。
「何これ、当たるまで終わらないとかいう奴!?」
焦って刀を振るうと、何度か受け止めた後に叩き折れた。
「グルァァァァァァァア!!ギュォォォォォォォォォォッッ!!!」
背中に赤いマークみたいなのが浮かび上がり、「なんだろう、あれ」と、思いながら戦闘を続ける。
「土弾!?まさか学習系?」
私かは混合弾で応戦するも、地龍との力の差が大きく、上手く相殺しきれない。
どうすればいい?どうすれば勝てる?
すぐに勝てる確率は、もう1%もない。あるのは、死ぬかもしれない可能性と、時間をかけて倒す可能性。
後者を選ぶため、必死になって頭を働かせる。
「だめだ、思いつかない。」
いくら私でも、できることとできないことはある。それが、こんなところで来るなんて。
今のところ地龍の技は、ポケ○ンと一緒の4種類。土弾、土槍(地面、壁)、土槍(通常)、ビームだ。
どれもこれも威力が高くて、私じゃ対応に困る。決定打にかける私と、どんな技でも決定力のある地龍。天秤にかけたら、どっちが強いかなんてのは分かりきってる。
「でも!私は転生者。主人公的立ち位置!そんな私が死んだら、一体誰が地龍を倒すんだ!」
大声で自分を鼓舞し、頬を叩く。
効いた魔法。暗黒弓と流星光槍をいくつも出現させ、宙に浮かせる。
こういうときにこそ、頭は働いてくれる。よくそうやっていうけど、実際はどうなんだろうと思う。
やってくれよ、私。
おうさ、私。
第1フェーズは終わり。これからは第2フェーズになる。
第1フェーズは、完全不利に終わった。
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眠い目を擦りながら執筆しました、今も眠いです。なので、いつにも増してグダグダのような気もします。
次回の執筆のために、寝ます。
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