上 下
155 / 681
5章 魔法少女と魔物襲来

150話 魔法少女は探す

しおりを挟む

 空が橙に染まり、そろそろ夜になりかけている。夜の森を彷徨うろつくのは危険だけど、今は朝でも昼でも関係なしに危ないので、関係ない。

 視界はどうって?まぁ悪いけど、万能感知でなんとかなってるから、セーフセーフ。

「探さないといけないんだよね、これから暗くなるっていうのに……」
セーフと言ってけど、実際はとてつもなくめんどくさい。

 みんな、暗い森の中で地龍を探したい?探したいわけないよね!

「私も同じ気持ちだよっ!」

 もし、これがこの街のことじゃなかったら協力しなかったと思う。
 ロア、サキ、ネル……大事な人がいるからこそ、私は戦ってる。

「地龍、探そう……」
決意を固め、私は森を探す。

 万能感知で見る限り、多分地龍は逃げてる。

 確か竜、もとい龍は脈流法持ち、色々な力を経由することができる……らしい。
 それによって、日に日に力の容量が増え、強さが確約せれているという。(水竜さん知識)

「脈流法だよね。それで私の力を読んで、逃げてると。」
万能感知でも引っかからないわけだね、と小さく笑う。

 笑い事じゃないんだけど。でも、私も水竜之加護やら人神魔力、魔導法がある。それを使えば、何とか欺けるかな?

 それだけじゃなく、もう1つ懸念がある。

「私、攻撃魔法少ないんだよね。」
知っての通り、攻撃系の魔法が結構に少ない。

 15個中6個だよ?もっと攻撃魔法増やそうよ、私。

 だとしても、どんな魔法を追加しようか?土属性って、どんな技が効くんだろう。
 ポ○モンみたいに、氷、水、草タイプが効いたりしない?しないよね。

「無属性系?闇光系?その辺は万能だし、火力も高いイメージ。」
と、いうことで。ステータスチェック入りまーす。

 さっき確認したばっかだけど、魔法追加するならついでに見といたほうがいい。


 ステータス

 名前 美水 空
 
 年齢 17歳

 職業 魔法少女

 レベル 45

  攻撃1140   防御1120 素早さ1350

 魔法力1910+1 魔力1890

 装備 魔法少女服 魔法少女ステッキ

 魔法 アクアソーサーⅤ 魔導書Ⅵ(-7)  神速Ⅶ
  ファイボルトⅤ+1 万属剣Ⅴ+1 投擲Ⅲ+1
 鑑定眼Ⅴ+1 食材生成Ⅲ+1 魔導法Ⅴ+1 
トールⅣ 物質変化Ⅲ 空中歩行I+1
 アースアイスⅢ エアリスリップⅢ
魔力喰らいⅣ

 スキル 魔法生成 魔力超化 魔力付与
 万能感知 魔法記憶 詠唱破棄 覚醒
  魔法分解 振れ幅調整 身体激化 水竜之加護
 調教 基本能力上昇 人神魔力 運命 
  能力値上昇

  SP   1150

 ふんふん、魔物倒し続けてたおかげで、だいぶレベルも上がった。

 うんうん、と頷いていると、あるスキルに目が止まる。

「運命?なにそれ。」
タップしてみることにする。

 運命
自分の望む運命に、微妙ながら傾けることができる。運命系統最弱スキル。

 運命系統最弱スキル……これ、最弱なのかぁ……

  気を取り直し、魔法を作る。今更だけど、魔法生成以上に最強なスキルなんてないな、と思う。


 そんなこんなで魔法生成が終わり、能力確認に入る。

 混合弾。光属性と闇属性、その他諸々を合わせた魔法弾を撃てる魔法。

 暗黒弓。闇属性高位魔法、暗黒魔法の弓バージョン。暗黒の矢を放てる。

 流星光槍。流星のような光を持つ槍を投げられる。

 「これで準備は万端だ」と、今度こそ地龍を探すことにする。
 もう空は暗く染まり、早速混合弾を懐中電灯がわりに使う。

「もう攻略方法は分かった。」
スキルを確認しながら、そう呟く。

 そうじゃないと、こんな夜にステータス確認なんてしないよ。
 確実に発見できると思ってるから、先に魔法も作ったんだし。

 私の魔力を脈を通じて読めるなら、その脈に干渉して、その先にいるはずの地龍を特定すればいい。

 題して、逆探知作戦!!

「今の私ならできるはず。できなかったら、それはその時考えよう。」
ふざけ入れず、真剣に魔力を感じる。

 脈、脈、脈……一定の流れが同じ方向に進んでるはず。

「これだ。」
何本も、管のように繋がれて力が進んでる方向がある。

 そこに魔導法を繋げて簡略化。一部の権限を私に移行。これで、どこからでも魔力を流し込める。

 魔力を流し込むことで、更に行き先や目的地なども分かりやすくなる。

「戦争を終わらせるには、王の首をとればいい。その役目は、私が担う。」
誰にも聞かれてないだろうから、アニメでありそうな名言を口にする。

 いや、やっぱイタイね。こういうセリフ。

 やっぱり私は、ふざけてだらけてる方がよっぽど似合う。……それはそれで、悲しくなってくるけどね。

「行き先も分かったし、そろそろ行こう。」
私は微笑を浮かべた後、ゆっくりと歩き出す。

 かくして、この戦いは最終決戦へと入る。

————————————

「ソラさん、だっ、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だろうよ、あのバケモンなら。」
2人は待機場所でソラの帰りを待っていた。

 狐人を倒し、今は少し魔物の量も落ち着いてきた。3万という報告だったが、感覚的には倍以上はいた。

 今は、近づいてきた魔物を斬り倒すくらいしかしていない。
 ピークの頃より、うん倍もマシだ。

「ま、やることがあるっつってたし、どうせどっかでまた、魔物でも倒してんじゃねぇーの?」
適当に返事をしつつ、目の前の敵を斬る。

 自分は強いと思っていた。実際そうだ。他の連中なんかには遅れは取らない。それなりの実力はある。

 でも、ソラを見てから上には上がいることを思い知る。
 この自分が、役立たずになっているんだから。

「そうだといいんですが……」
どうしても不安が拭いきれないように、俯いてしまう。

 自分を励ましてくれた彼女に、死んでほしくない。そんな思いがある。

 考えた、考え尽くした。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。

 助けに行った方がいいか、足手纏いにはならないだろうか、と。

 かくして、この戦いも終わりを迎えかけていた。

———————————————————————

 ようやく魔法が増やせました。なぜか知りませんが、本当に攻撃魔法が少なかったので、戦いのレパートリーも自然と少なくなります。

 150話ですよ、150話。そこで魔法が6個しかないのは、結構大変です。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こんなとき何て言う?

遠野エン
エッセイ・ノンフィクション
ユーモアは人間関係の潤滑油。会話を盛り上げるための「面白い答え方」を紹介。友人との会話や職場でのやり取りを一層楽しくするヒントをお届けします。

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

王妃となったアンゼリカ

わらびもち
恋愛
婚約者を責め立て鬱状態へと追い込んだ王太子。 そんな彼の新たな婚約者へと選ばれたグリフォン公爵家の息女アンゼリカ。 彼女は国王と王太子を相手にこう告げる。 「ひとつ条件を呑んで頂けるのでしたら、婚約をお受けしましょう」 ※以前の作品『フランチェスカ王女の婿取り』『貴方といると、お茶が不味い』が先の恋愛小説大賞で奨励賞に選ばれました。 これもご投票頂いた皆様のおかげです! 本当にありがとうございました!

異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!

楠ノ木雫
恋愛
 突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員奈央。私に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。  ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!  これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に吊り上げてしまった……私の好みドンピシャなイケメン!!  何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!

【猫画像あり】島猫たちのエピソード

BIRD
エッセイ・ノンフィクション
【保護猫リンネの物語】連載中! 2024.4.15~ シャーパン猫の子育てと御世話の日々を、画像を添えて綴っています。 2024年4月15日午前4時。 1匹の老猫が、その命を終えました。 5匹の仔猫が、新たに生を受けました。 同じ時刻に死を迎えた老猫と、生を受けた仔猫。 島猫たちのエピソード、保護猫リンネと子供たちのお話をどうぞ。 石垣島は野良猫がとても多い島。 2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。 「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。 でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。 もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。 本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。 スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~

水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート! ***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!

泥酔魔王の過失転生~酔った勢いで転生魔法を使ったなんて絶対にバレたくない!~

近度 有無
ファンタジー
魔界を統べる魔王とその配下たちは新たな幹部の誕生に宴を開いていた。 それはただの祝いの場で、よくあるような光景。 しかし誰も知らない──魔王にとって唯一の弱点が酒であるということを。 酔いつぶれた魔王は柱を敵と見間違え、攻撃。効くはずもなく、嘔吐を敵の精神攻撃と勘違い。 そのまま逃げるように転生魔法を行使してしまう。 そして、次に目覚めた時には、 「あれ? なんか幼児の身体になってない?」 あの最強と謳われた魔王が酔って間違って転生? それも人間に? そんなことがバレたら恥ずかしくて死ぬどころじゃない……! 魔王は身元がバレないようにごく普通の人間として生きていくことを誓う。 しかし、勇者ですら敵わない魔王が普通の、それも人間の生活を真似できるわけもなく…… これは自分が元魔王だと、誰にもバレずに生きていきたい魔王が無自覚に無双してしまうような物語。

処理中です...