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2章 魔法少女と竹林の村

37話  魔法少女は村を見つける

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「着いたぞー!!」
出口についた私は、杖を振り上げて叫び声を上げた。

 着きました、着きましたよ。出口!
そして、分かりませんよ、この先。

 着いたけど、ここからどうすればいいの?
竹林は抜けたよ?ね。

 辺りは普通にちらほら竹が生えてて、道が続いてる。
 
「この道、通ろうかな?…通っていいやつだよね?」
そんな、謎の確認をとりながら、この道を歩き始める。

 ここ、どこまで行っても竹が見えるから、途中で怖くなるんだよね。
 どうして竹林抜けても竹が生えてるの?

 ん?なんか見えてきた。
あれ、って…日本でたまに見る、石が嵌め込まれた石の道みたいなのだ!

「あれ、お婆ちゃん家で見たことある気がする。」
私はピョンッと跳んで、カタンと音が鳴る。

 おぉ、この世界でもこんな物が見られるとは。
風流ですなぁ(?)
 
 この竹で、あれ作れるんじゃない?
竹のあれ、えーっと、ししおどしだ。そうそうししおどし。

 お家は無いけど、カフェ辺りには…似合わない。
色を変えたらなんとか…な、る?

 まぁ、作るだけならいいよね。

「この先に、村とかあるのかなぁ?」
スキップ混じりに石畳を跳んで、コッツコッツと音を鳴らす。

 こんなところ誰かに見られたら、お終いだね。人生が。その人の頭を叩き割って、記憶を抹消してやろうと思う。

 そんなことを考えながら、鼻歌混じりに跳んでいたら、フラグ回収をしてしまった。
 そうだ、目の前に、男性が現れた。

 さっき、お終いだね、と言ったばかりなのに、私のフラグ回収スピードは、新幹線越えてリニアモーターだ。

「…………」
「…………」
私たちは、互いに無言で見つめ合い、微妙な表情を浮かべる。

「あっ、その、これはぁ、えっとですね。」
私は、この状況を打破するため、いい誤魔化しの言葉を探がす。

 もちろん、そんなもの見つからなかったけどね。

「…あなた、見ない顔ですね?」

「へ?」
そんな、漫画とかでしか見たことないような台詞を、目の前の男性は口にした。

「あなた、どこから来たんですか?」
私の恥ずかしい行動を無視し、私のことについて聞く。

 いや、無視されるのもそれはそれで傷つくからね?

「竹林の外の街ですけど。」
私は竹林の方向を指で差し示す。

「もしかして、パズールの街の人ですか?」

「多分、そうです。」
パズールの街を知らないから、多分とそう答える。

 パズールの街ってなに?そもそもあの街ってパズールって名前だったの?驚きだね。

「あの竹林を通れたんですか……」
私を訝しむような目で、上から下まで視線を移す。

 怪しくないよ、ちょっと怪しいだけだよ。
そう、目の前の男性に言いたいけど、よくよく考えた結果、結局怪しいのでやめておく。

「ちょぅと、ちょちょっとして、ね?こうあれだよ。あれ。そうそれ。」
超適当に説明になっていない説明をする。

 より一層訝しむような目が強まり、私は後退りをする。

「…依頼できました!」
私は素直にそう言うことにした。

 このまま帰るしかない、じゃ私も後味が悪いから、少しほんとのこと言えば通れるんだったら、素直になりますよ。

「そうなんですか!?依頼が無事、届きましたか…」
驚いた様子で叫び、後の言葉はうまく聞き取れなかった。

「私は依頼で来た冒険者なんですが、案内してもらっても…」

「はい、喜んで。」
さっきまでの視線が嘘のように、嬉しそうにしている。

「それにしても、よくあの竹林を通れましたね?」
どうやったんですか?、と聞かれたけど、流石に「神様の力です」とは言えないので、魔法が得意なので、とにごして言っておいた。

「あの竹林は、入ることも出ることもとても難しいんです。…彼は辿り着きましたか。」
そのあと、よかったと、安堵したように息を吐く。

 何かあったのかな?
やっぱり小声のせいで、最後の方は聞き取れなかったけど、何かありそうで怖い。

「歓迎しますよ、僕たち竹林の村に。」
そう言って、歩を速める。

 やっぱり村、あったんだ。私の勘は正しかったみたいだね。

 歓迎してくれるってさ、なんでかよく分かんないけど、歓迎してくれるなら素直に受け取ろう。

 私は案内されるがまま、石畳を進み、その先に小さな門が見えてくる。

 おぉ、村だ。村がある。
まぁまぁ大きめの村で、開拓が進めば、すぐにでも街レベルになりそうな、そんな感じになっている。

 気温も湿度もちょうど良く、それについて聞いてみたら、この中は季節が無く、毎日適温が保たれてるらしい。

 周りを見ての通り、この街は竹が中心の生活で、家の枠組みも家具も、装飾品から何から何までが竹らしい。

 服は特別な技術で竹の繊維をほぐして、編んだものらしい。

 異世界の中でも、色々と文化も違って面白いね。
冒険者になって、色々行けるようになったから、正解だね、冒険者になって。

 それからも、適当に質問をしていく。

「そういえば、あなたの名前は?」

「私ですか?空ですけど。」
そう言うと、「僕はチャールです」と自己紹介をする。

 チャールさんね、オッケー分かった。
私はチャールさんに、収入源とかの話もしたかったけど、さすがに初対面の人相手に、そこまで聞くのは憚られたため、やめておいた。

 偉い、私。

「ソラさんは、冒険者ランクはなんですか?」
突然私のランクを聞いてきた。

 まぁ、こんな子供が冒険者だって言ったら気になるよね。
 
「はい、これです。」
カードをはい、と手渡して見てもらう。

「……ッ!?Cランク!」
チャールさんが嬉しそうにパーッと、子供のような笑みを浮かべて、カードを返した。

 なんでそんなに嬉しそうにしてるんだろう?
よく分からないね。

 まっ、そんなことはどうでもいい。こんなところにある村なんて、気になるに決まってるじゃん。
 しかもお金も貰える。地図とかも書いちゃったらプラスになったりするのかな?

 今のうちに魔力感知でもしとこう。

———————————————————————

 ソラのランクに嬉しそうにするチャールさん。
一体どう言うことなんでしょう?
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