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1章 魔法少女と異世界の街

33話  魔法少女はお店を開く

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 前回の料理発表?的なものが終わってから、また数週間。

 私は、経営とか全くもって分からないので、ほとんど全て、テレスさんに任せてる。
 私はそれを確認するだけ。そのためにテレスさんにもレンカを渡して置いてある。(ロアにもね)

 まぁ、そんなことをしながら私は、その数週間、適当にギルドの依頼を受けていた。

 私がそんな風に依頼を受けている中で、テレスさん達は頑張って開店の準備を始めている。
 なんか、1人だけ遊んでてすみません。

 いや、私も遊んではないんだけどね。依頼受けてたから。

 いい加減本題に入ろう。
開店日は明日からで、7時から15時ということになった。

 そして、休みは5日後となった。

 4人と相談した結果、準備とかの影響でこの時間となった。

 カフェだし、夜やってなくてもいいよね?っていう私の考えが何故か尊重されて、朝から昼までとなった。

 ちゃんとローテーションで休憩もさせるから問題はないはずだ。

 そして、店名も私が決めることになって、テレスさんのお店とテラス席があるということでカフェ•テラスという名前となった。

 ネーミングセンスが無い私に頼んだのが、間違いだったね。

 明日は初開店日ということで、お手伝いが派遣されることになった。

 関係ないけど、フルーツも卵もあるし、プリンアラモードとか作ってみたくなった、今日この頃の私です。

 試食に来てくれたみんなも、食べに来てくれるみたいで、私も明日が楽しみだ。

 明日は初日ということで、混雑すると思うから、私も手伝いにいかなきゃいけない。それ以降は多分大丈夫だと思うけど。

 そういうことで翌日の朝。
頑張って早起きをして、私はお店に行った。

「あっ、ソラさん。おはようございます。」
調理の下準備をしているテレスさんは、そう言ってくる。

 早いね、流石元レストランの料理人。私には無理そうだ。

「ねぇ、ティリー達ってどこにいるか分かる?」
挨拶しておきたいからね。

「みんなも向こうで準備していますよ。」
私の質問に優しく答えてくれる。

 私は調理場から出てみると、テーブルを拭いているティリーや床を掃除しているレインの姿が見えた。

 ふむふむ、熱心なことですな。

「2人とも、おはよう。今日は私も手伝うから、頑張ろうね。」
私がそう声をかけると、2人とも「はい、頑張りましょう!」、「はい」と返事してくれる。

 レインは相変わらずクールな感じだね。そんな年頃なのかな?

 ネトラーさんは地下に食材を取りに行っていたのか、地下から階段を上ってきた。

「あら、ソラちゃん。おはよう。」

「おはようございます。」
手を小さく振って言ってくれたから、私もそう言った。

 主婦パワーと言うか何というか、凄い包容力がある感じがする。

「みんなーそろそろ開店しますから、用意してくださーい。」
下準備を一通り終えたテレスさんは、掃除をしていた2人に言う。

 あれ、もうそんな時間?
私が来るのが遅すぎただけか。

「じゃあ、私店開けてきますよ。」
私はさっき入ってきた裏口から外に出て、入り口に向かう。

 ……帰っていいですか?

 朝っぱらからよくこんな、(自分で言っては何だけど)変な店に集まれるね。

 元気だぁ、元気。こんな朝でも子供は、はしゃいでる。凄いね、こんなに早く人が集まるのも、子供までいるってことも。

 私は魔法少女服に制服を着て、更に上着を着ているという謎の状態で、開店の準備を始めた。

 私は看板をひっくり返し、さっと、そこを去る。

「ありがとうございます、ソラさん。」
調理場に立っているテレスさんが言うけど、そんな場合じゃないよ!

「やばい、やばいよ。人がもうやばいって!」
私の語彙力も十分やばいけど、それ以上にやばいのよ、今の状況は!

 そしてとうとう、始まってしまった。

 私は今、このお店戦場に立ってしまっている。そして、私は今日、この初開店日戦争を生き抜いてみせる!

 扉を開けると、人が雪崩のようにやってきて、テラス席まで完全に埋まってしまった。

 それでもまだ、並んでいる人は沢山いる。
ギルマスぅぅ!助けてよぉぉ!

 私はてんやわんやしながら接客をしていく。もう目が回りそうだ。

 明日からはこんなことは無いと思う。思いたい。
まぁ、私は働かないけど。

 コーヒー、アイス、サンド、ハンバーグ、アイス、カレー、パスタ、ジュース、サンド、コーヒー
…………

 あぁぁぁぁぁぁ!!
「もう頭パンクする!」

「ソラさん、大丈夫ですか!?休憩入って下さい。」

「ありがとうございます!」
私はそう言った後、すぐに控室の椅子にバタンと倒れ込んだ。

「ソラさぁん。死にそうですぅ。ほんとにこれ今日だけなんですよねぇ、」

「たぶん、そう思いたいね。」

 ティリーも倒れてる。ほんとにやばい時の顔してるよ。

 それからもめちゃくちゃ大変だった。
途中でギルマスが来てくれたり、ギルマスが持ち帰り販売を始めたおかげで、何とか人も減ってきて、13時を回った時に、ようやく一息つくことが出来た。

 それでもお客さんがいないわけじゃないから、気は緩められない。

 途中で昼休憩で来たというマリンさんや、依頼が終わったから寄ってくれたエリカ達も色々買っていった。

 マリンさんはアイスを何個か持って帰っていた。
後輩にあげるらしい。

 エリカはキャットーストを食べていた。
まぁまぁ大きいけど、食べられるんだね。

 エリカが言うには、「冒険者をやってたら、自然と沢山食べるようになるわ」とのことらしい。

 冒険者だから、依頼の途中でご飯が食べられなくなったり、戦いで疲れて、お腹が空いたりするからなのかな?

 そんな感じで、全くまったりとはいかない、大忙しの初開店日でした。

「皆さん、お疲れ様でした。明日からはこんな事にはならないと思いますので、頑張りましょう。」
1番調理をしていて、1番疲れているはずのテレスさんは、そんな労いの言葉を私たちにかける。

「大変でしたぁ、疲れました…」
ティリーは、ぐだっとした感じで、椅子に座っている。

 レインは椅子で紅茶を優雅に飲んでいる。
なんか似合うね。

 ネトラーさんは「明日も頑張るわ」と意気込んでいる。

 それぞれが別の反応を見せているけど、最後には、明日も頑張ろうとみんな言っていた。

 私はその時、ここはいい職場だな。と感じたのであった。

 明日からは本業も再開させて、お金を稼いでいきましょうか。

 そう思いながら、閉店と、明日の準備を少し手伝ってから、帰路に着いた。

———————————————————————

 これで第1章は終了となります。
皆さん今まで読んでもらい、ありがとうございます。
 こんな完結したみたいに言っていますけど、まだまだちゃんと続きますので、これからもよろしくお願いします。

 次の章からは、に行きます。




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