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1章 魔法少女と異世界の街
32話 魔法少女は3人を試す
しおりを挟むそれから結構な日数が経った後、私はテレスさんに店に呼ばれた。
まぁ、部屋を分けるという重大なお仕事があるので、いつかは、お店に向かわなきゃいけなかったわけだから、丁度良かったね。
そういうわけでお店に着いた私は、扉を開ける。
すると、扉につけた鈴がカランカランと鳴った。
「ソラさん、来たんですね。」
テレスさんが鈴の音に気づいて、私の元にやってきた。
そこにはティリーとレインとネトラーさんがいる。なんでこの3人もいるんだろう。
「テレスさん、なんでネトラーさん達がいるんですか?」
気になったので聞いてみた。
…料理の練習でもしてたのかな?そうしか考えられないと思うんだけど、どうなんだろう。
「あぁ、そのことですけど、この3人も調理に慣れてきましたので、ソラさんに食べてもらおうかと。」
テレスさんはそう説明してくれた。
ということは、私は今からこの3人の料理の腕を確かめなきゃいけないと。
「分かったよ、やるよ。」
そう言って私は、店の厨房に1番近い席に向かい、そこに腰掛けた。
料理って今作る系?もう作ってある系?どっちかな。
「テレスさん、これって今から作る系?」
そう尋ねてみる。
「はい。料理はスピードも大切ですから。」
そう言ったテレスさんは、テキパキと指示をして、3人を厨房に向かわせた。
ちなみに作る料理は、それぞれパスタ、ハンバーグ、アイスらしい。
まぁサンド系は挟んで焼けばいいだけだし、飲み物はそれこそ注ぐだけだしね。
それにしても、料理作ってる間、暇だね。
どうでもいいことだけど、一応店の中を紹介しとこうか。
まず、1階、2階と地下1階があって、地下1階は、丸々冷蔵室になってる。
食材が沢山入るね。
1階は勿論カフェになってる。テーブルが置かれてあって、所々に置物も置いてある。
可愛い物に釣られた子どもがやって来てくれたらいいな。
2階は三人の部屋になってる。
左側は、ティリー、右側はレインとネトラーさんが使うようだ。
2人いるから、右側の方を少し広くして、それぞれにトイレやお風呂もつける。
リビング、風呂、トイレ、と2部屋それがネトラーさん達の部屋。
ティリーの部屋は、1部屋にするつもりだ。
キッチンはこの1階で共有してもらう。
流石に何個も作れないからね。
待つ時間とか暇だから、今やっちゃおうかな。
「テレスさん、この暇な時間に2階、作っちゃっていいですか?」
私は、立ち上がってテレスさんに聞いた。
「2階…ですか?いいと思いますけど。」
私は、「料理が終わったら言ってください」と言って2階へ向かう。
元からあるこの階段は、ネトラーさん達の部屋に向かうものにするつもりだ。
今から私は、いい感じで壁を作ろうと思う。
適当に歩いていってこの前、辺りをつけた場所まで行ってみる。
「この辺りかな?」
私は地面に手をつけて、ロックウォールを出す。
そこで私が気をつけるポイント!
まず1つ、耐久性。
これがなければ、壁として機能しない。
2つ、防音、防火性。
後者は岩だからいいとして、前者はほんとに気をつけた。何せ他人同士が住むんだからね。
ちなみに他の壁にも、魔力をちょちょっと流しといて、声を魔力で阻害させといた。
3つ、色、触り心地。
色は、元の壁の色に合わせて作っておいた。触り心地も、元の壁に合わせて作った。
岩のゴツゴツした壁が家にあるのは、あまり良くないと思ったから、いい感じにしといた。
いい感じって、どんな感じかって?それはいい感じだよ。いい感じに作ったんだから、いい感じなんだよ。
「出来た出来た。よく出来た。」
ふむふむ、と顎に指を添えてこぼした。
「ソラさん!今ゴゴゴとかいう落としませんでしたか?」
「壁作っただけですよ。」
私は今度は下に行って、向こう側の階段を設置しに行く。
今!私はこの店の壁という壁を、全て、支配している!(魔力を流しているから、魔力感知にて全てが分かるということ)だからどこに階段を作ればいいかんて、一目瞭然だ!
「ここだよね。ロックウォールっと。」
すると階段状に岩(?)の階段が現れる。
これも色、触り心地を注意して、更に手すりを追加した。
ちなみに屋根は貫通して無くなった。(凄いスピードで貫通したため、綺麗に抜けた)
「よし、完成っと。テレスさーん、終わりましたー。」
私は2階が完成したことを伝え、元の席に戻ってく いく。
「速かった、ですね。」
ちょっと呆れ気味で言ってきた。
そうですよね。普通こんなに速く壁なんて作れませんよね。知ってました。
そんなことを考えている間に、料理が完成していた。
テレスさんに「では、食べてみてください」と言われたので箸を持っていただきます、と言って食べ始める。
…美味しさを可視化できたらいいな。
よし、観察眼!
もぐもぐ、ごっくん。うん美味しい。
そして可視化!
ティリーのハンバーグ
見た目 ★★★
美味しさ ★★ 総得点72点
スピード ★★
…いや、見た目と美味しさは分かるよ。スピードってなんやねん!なんでそんなのわかんねん!
私からエセ関西弁を引き出させるなんて、そうないことだよ。
まぁいいや。
それじゃあ、総得点で見てみよう。
ティリー レイン
ハンバーグ——72点 ハンバーグ——79点
ナポリタン——75点 ナポリタン——80点
アイス——85点 アイス——78点
ネトラー
ハンバーグ——81点
ナポリタン——79点
アイス——82点
流石ネトラーさん。主婦の力だね。
多分普通が50点あたりで、高いと80点くらいなのかな?
ティリーは可愛い物好きだから、猫アイスの点が高くて、レインは平均的に高い。強いて言えば、パスタ系が得意みたい。ネトラーさんは普通に全部高い。主婦の力はやはり偉大だ。
そんなわけで、今回の料理確認は、全員が合格点ということで終了しました。
こんな適当でいいのかと言われるかもしれないけど、別にいいんだよ。堅苦しいのは嫌いだからね。
———————————————————————
料理に謎の点数がつきましたね。
やっぱり子持ちの主婦は最強ということですか。
ちなみに、面接時のソラと、通常時のソラの差が大きかったから、最初は誰か判断されなかったという裏話があります。
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