33 / 681
1章 魔法少女と異世界の街
32話 魔法少女は3人を試す
しおりを挟むそれから結構な日数が経った後、私はテレスさんに店に呼ばれた。
まぁ、部屋を分けるという重大なお仕事があるので、いつかは、お店に向かわなきゃいけなかったわけだから、丁度良かったね。
そういうわけでお店に着いた私は、扉を開ける。
すると、扉につけた鈴がカランカランと鳴った。
「ソラさん、来たんですね。」
テレスさんが鈴の音に気づいて、私の元にやってきた。
そこにはティリーとレインとネトラーさんがいる。なんでこの3人もいるんだろう。
「テレスさん、なんでネトラーさん達がいるんですか?」
気になったので聞いてみた。
…料理の練習でもしてたのかな?そうしか考えられないと思うんだけど、どうなんだろう。
「あぁ、そのことですけど、この3人も調理に慣れてきましたので、ソラさんに食べてもらおうかと。」
テレスさんはそう説明してくれた。
ということは、私は今からこの3人の料理の腕を確かめなきゃいけないと。
「分かったよ、やるよ。」
そう言って私は、店の厨房に1番近い席に向かい、そこに腰掛けた。
料理って今作る系?もう作ってある系?どっちかな。
「テレスさん、これって今から作る系?」
そう尋ねてみる。
「はい。料理はスピードも大切ですから。」
そう言ったテレスさんは、テキパキと指示をして、3人を厨房に向かわせた。
ちなみに作る料理は、それぞれパスタ、ハンバーグ、アイスらしい。
まぁサンド系は挟んで焼けばいいだけだし、飲み物はそれこそ注ぐだけだしね。
それにしても、料理作ってる間、暇だね。
どうでもいいことだけど、一応店の中を紹介しとこうか。
まず、1階、2階と地下1階があって、地下1階は、丸々冷蔵室になってる。
食材が沢山入るね。
1階は勿論カフェになってる。テーブルが置かれてあって、所々に置物も置いてある。
可愛い物に釣られた子どもがやって来てくれたらいいな。
2階は三人の部屋になってる。
左側は、ティリー、右側はレインとネトラーさんが使うようだ。
2人いるから、右側の方を少し広くして、それぞれにトイレやお風呂もつける。
リビング、風呂、トイレ、と2部屋それがネトラーさん達の部屋。
ティリーの部屋は、1部屋にするつもりだ。
キッチンはこの1階で共有してもらう。
流石に何個も作れないからね。
待つ時間とか暇だから、今やっちゃおうかな。
「テレスさん、この暇な時間に2階、作っちゃっていいですか?」
私は、立ち上がってテレスさんに聞いた。
「2階…ですか?いいと思いますけど。」
私は、「料理が終わったら言ってください」と言って2階へ向かう。
元からあるこの階段は、ネトラーさん達の部屋に向かうものにするつもりだ。
今から私は、いい感じで壁を作ろうと思う。
適当に歩いていってこの前、辺りをつけた場所まで行ってみる。
「この辺りかな?」
私は地面に手をつけて、ロックウォールを出す。
そこで私が気をつけるポイント!
まず1つ、耐久性。
これがなければ、壁として機能しない。
2つ、防音、防火性。
後者は岩だからいいとして、前者はほんとに気をつけた。何せ他人同士が住むんだからね。
ちなみに他の壁にも、魔力をちょちょっと流しといて、声を魔力で阻害させといた。
3つ、色、触り心地。
色は、元の壁の色に合わせて作っておいた。触り心地も、元の壁に合わせて作った。
岩のゴツゴツした壁が家にあるのは、あまり良くないと思ったから、いい感じにしといた。
いい感じって、どんな感じかって?それはいい感じだよ。いい感じに作ったんだから、いい感じなんだよ。
「出来た出来た。よく出来た。」
ふむふむ、と顎に指を添えてこぼした。
「ソラさん!今ゴゴゴとかいう落としませんでしたか?」
「壁作っただけですよ。」
私は今度は下に行って、向こう側の階段を設置しに行く。
今!私はこの店の壁という壁を、全て、支配している!(魔力を流しているから、魔力感知にて全てが分かるということ)だからどこに階段を作ればいいかんて、一目瞭然だ!
「ここだよね。ロックウォールっと。」
すると階段状に岩(?)の階段が現れる。
これも色、触り心地を注意して、更に手すりを追加した。
ちなみに屋根は貫通して無くなった。(凄いスピードで貫通したため、綺麗に抜けた)
「よし、完成っと。テレスさーん、終わりましたー。」
私は2階が完成したことを伝え、元の席に戻ってく いく。
「速かった、ですね。」
ちょっと呆れ気味で言ってきた。
そうですよね。普通こんなに速く壁なんて作れませんよね。知ってました。
そんなことを考えている間に、料理が完成していた。
テレスさんに「では、食べてみてください」と言われたので箸を持っていただきます、と言って食べ始める。
…美味しさを可視化できたらいいな。
よし、観察眼!
もぐもぐ、ごっくん。うん美味しい。
そして可視化!
ティリーのハンバーグ
見た目 ★★★
美味しさ ★★ 総得点72点
スピード ★★
…いや、見た目と美味しさは分かるよ。スピードってなんやねん!なんでそんなのわかんねん!
私からエセ関西弁を引き出させるなんて、そうないことだよ。
まぁいいや。
それじゃあ、総得点で見てみよう。
ティリー レイン
ハンバーグ——72点 ハンバーグ——79点
ナポリタン——75点 ナポリタン——80点
アイス——85点 アイス——78点
ネトラー
ハンバーグ——81点
ナポリタン——79点
アイス——82点
流石ネトラーさん。主婦の力だね。
多分普通が50点あたりで、高いと80点くらいなのかな?
ティリーは可愛い物好きだから、猫アイスの点が高くて、レインは平均的に高い。強いて言えば、パスタ系が得意みたい。ネトラーさんは普通に全部高い。主婦の力はやはり偉大だ。
そんなわけで、今回の料理確認は、全員が合格点ということで終了しました。
こんな適当でいいのかと言われるかもしれないけど、別にいいんだよ。堅苦しいのは嫌いだからね。
———————————————————————
料理に謎の点数がつきましたね。
やっぱり子持ちの主婦は最強ということですか。
ちなみに、面接時のソラと、通常時のソラの差が大きかったから、最初は誰か判断されなかったという裏話があります。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
異世界なんて救ってやらねぇ
千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部)
想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。
結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。
色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部)
期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。
平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。
果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。
その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部)
【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】
【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】
まじぼらっ! ~魔法奉仕同好会騒動記
ちありや
ファンタジー
芹沢(せりざわ)つばめは恋に恋する普通の女子高生。入学初日に出会った不思議な魔法熟… 少女に脅され… 強く勧誘されて「魔法奉仕(マジックボランティア)同好会」に入る事になる。
これはそんな彼女の恋と青春と冒険とサバイバルのタペストリーである。
1話あたり平均2000〜2500文字なので、サクサク読めますよ!
いわゆるラブコメではなく「ラブ&コメディ」です。いえむしろ「ラブギャグ」です! たまにシリアス展開もあります!
【注意】作中、『部』では無く『同好会』が登場しますが、分かりやすさ重視のために敢えて『部員』『部室』等と表記しています。
巡(めぐり)型落ち魔法少女の通学日記
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
時司巡(ときつかさめぐり)は制服にほれ込んで宮之森高校を受験して合格するが、その年度から制服が改定されてしまう。
すっかり入学する意欲を失った巡は、定年退職後の再任用も終わった元魔法少女の祖母に相談。
「それなら、古い制服だったころの宮の森に通ってみればぁ?」「え、そんなことできるの!?」
お祖母ちゃんは言う「わたしの通っていた学校だし、魔法少女でもあったし、なんとかなるよ」
「だいじょうぶ?」
「任しとき……あ、ちょっと古い時代になってしまった」
「ええ!?」
巡は、なんと50年以上も昔の宮之森高校に通うことになった!
ピンクの髪のオバサン異世界に行く
拓海のり
ファンタジー
私こと小柳江麻は美容院で間違えて染まったピンクの髪のまま死んで異世界に行ってしまった。異世界ではオバサンは要らないようで放流される。だが何と神様のロンダリングにより美少女に変身してしまったのだ。
このお話は若返って美少女になったオバサンが沢山のイケメンに囲まれる逆ハーレム物語……、でもなくて、冒険したり、学校で悪役令嬢を相手にお約束のヒロインになったりな、お話です。多分ハッピーエンドになる筈。すみません、十万字位になりそうなので長編にしました。カテゴリ変更しました。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ひねくれぼっちが異世界転生したら雑兵でした。~時には独りで瞑想したい俺が美少女とイケメンと魔物を滅すらしい壮大冒険譚~
アオイソラ
ファンタジー
おっす! 俺エルドフィン!(声は野沢雅子じゃねぇぞ!)
ぼっち現代が虚無虚無ぷりんでサヨナラしたらファンタジーぽい世界の18歳に転生してた!
転生後の世界って飯は不味いわ、すぐ死ぬわ、娯楽も少ないわ、恋愛要素ないわ、風呂は入れないわで、全っ然つまんないし、別にチートキャラでもなく雑魚だし、いっそまた次に逝ってもいいかな、なんて思ってたんだけど、そんなモブ人生がどうも様子がおかしくなってきたゾっ!
プラチナブロンドの睫毛をキラキラさせて、可愛い瞳のワルキューレたんが俺に迫るのだ。
「やらぬのか? 契約は成された。我のすべては汝の思うがままだ」
えぇーっいいの?! やりますっ! やらせてくださいっ! やらいでかっ!
「人間と魔物の戦いが始まったくらいの昔の話、大戦争にうちの祖先が関わってたって言い伝えがある。魔剣も、その時の祖先が持ってたもので、神から貰った神器だって話なんだ」
顔に恐怖を貼り付けたイケメンも俺に迫るのだ。
「助けてくれ…」
おうっ! 任しとけっ相棒!! だがあえて言おうっBLはねぇっっ!
一度死んだくらいで人はそんなに変わりませんっ…デフォは愚痴愚痴、不平不満ディスり節を炸裂し続ける、成長曲線晩成型?のひねくれぼっちが異世界転生したらの物語。
イケメンホイホイ、ヒロイン体質?の主人公がスーパーハニーなワルキューレ達と大活躍?!
北欧神話と古代ノルウェーをモチーフにした、第四の壁ぶっ壊しまくりの壮大な冒険譚!
※ カクヨム、なろうにも掲載しています。カクヨムにはおまけストーリー・作成資料なども紹介してます☺️❤️
「カクヨム」「アオイソラ」でどぞ☆彡
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
俺だけ展開できる聖域《ワークショップ》~ガチャで手に入れたスキルで美少女達を救う配信がバズってしまい、追放した奴らへざまあして人生大逆転~
椿紅颯
ファンタジー
鍛誠 一心(たんせい いっしん)は、生ける伝説に憧憬の念を抱く駆け出しの鍛冶師である。
探索者となり、同時期に新米探索者になったメンバーとパーティを組んで2カ月が経過したそんなある日、追放宣言を言い放たれてしまった。
このことからショックを受けてしまうも、生活するために受付嬢の幼馴染に相談すると「自らの価値を高めるためにはスキルガチャを回してみるのはどうか」、という提案を受け、更にはそのスキルが希少性のあるものであれば"配信者"として活動するのもいいのではと助言をされた。
自身の戦闘力が低いことからパーティを追放されてしまったことから、一か八かで全て実行に移す。
ガチャを回した結果、【聖域】という性能はそこそこであったが見た目は派手な方のスキルを手に入れる。
しかし、スキルの使い方は自分で模索するしかなかった。
その後、試行錯誤している時にダンジョンで少女達を助けることになるのだが……その少女達は、まさかの配信者であり芸能人であることを後々から知ることに。
まだまだ驚愕的な事実があり、なんとその少女達は自身の配信チャンネルで配信をしていた!
そして、その美少女達とパーティを組むことにも!
パーティを追放され、戦闘力もほとんどない鍛冶師がひょんなことから有名になり、間接的に元パーティメンバーをざまあしつつ躍進を繰り広げていく!
泥臭く努力もしつつ、実はチート級なスキルを是非ご覧ください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる