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1章 魔法少女と異世界の街
31話 魔法少女は暇潰しをする
しおりを挟む「どこかなー、どこかなー、モノパージ。」
私、は森の中をキョロキョロと見回しながら、モノパージを探している。
なんでそんなことをしているかと言うと、私は今、ギルドの依頼中だからだ。
採用の通知と、調理を教えるために、いろいろ時間がかかるからね。
その暇な時間に、私は依頼を受けているってことだ。
私の探すモノパージとは、なんかでっかい猿らしい。ものすごい表情で襲ってくるらしい。
そして、とんでもなくすばしっこい。
なんか、腕慣らしに丁度良さそうだったから、この依頼を受けたんだけど。
「見つからないね。」
現在進行形で、魔力感知もしてるんだけどね。それでも全然見つからない。
他の魔物は、見つかるんだけどね。だから出会い頭に久しぶりの、アクアソーサーを放って切り裂いた。
それと同時に、ステッキで収納して走り抜ける。
私も剣とか使いたいんだけど、この前、武器屋で剣を取ったら、手からこぼれ落ちた。
魔法で作ったやつなら持てるけど。
そんな感じで、歩き進めていたら、魔力感知に何かが映った。
一つの村?街?ぐらいの大きさの、大きな黒丸のような穴がある。
その中は見えない。魔力阻害が起こってる。
気になる…けど、何があるか分からないから、流石に行けない。
仕方ないから、スルーしよう。気になるけど、無理矢理体を動かして、そこから立ち去った…けど。
「ダメだ、考えちゃダメだ。行こう。先に…」
ダメだ!神速を使おう!
「神速!」
私は思いっきり地面を蹴り飛ばして、そこから逃げるように今度こそ、立ち去る。
「こんなところにも、敵がいるなんて…」
魔物じゃないから、余計に厄介だね。
本命の、モノパージ探しを再開して歩き始める。
もういいでしょ。ここまで来たんだから、そろそろ来ても、いいんじゃない?
そんなことを思いながらも、坦々と歩いていく。
すると。
「ウキャァァァ!!」
と言った猿のような咆哮が聞こえてくる。
「モノパージ!?ほんとに来てくれた、って!…」
そんなことを口にしていたら、森の隙間から、モノパージらしき魔物が、鋭い爪で攻撃を仕掛けてきた。
おっと、危ない。あのままだと、この前みたいに、上着を持ってかれるとこだった。
私は走りながら、攻撃を避け、隙を見つける。
「脇下が、ガラ空きだね!」
私はそこに万属剣Ⅳ+1を連射して、突き刺した。投擲Ⅲの効果が重なって、威力も増してる。
モノパージは「ウギャァァ!」と短く雄叫びをあげ、暴れ回った。
ちょっとうざい。
凍らせちゃおうかな。冷えると体の動きが鈍くなるし、よし。それで行こう。
私はアイスショットを極限まで大きくして、(極限は言い過ぎたけど)地面に張り付かせた。
「アイスショットって言ってるのに、ショットしてないっていうね。」
そんなことを言ってるうちに、その氷はモノパージの足元を凍らせた。
凄い凄い。ほんとに固まった。
固まるとは思ってなかったからなぁ。でも、このまま壊されたりしないよね!?
少し様子を見てみたけど、壊されるようなことはなかった。
「よしよし、あとは好き放題攻撃しちゃえば、おしまいだね。」
私は、ステッキに魔力を込めて、モノパージにそれを向けた。
久々に全力で撃ってみようかな?
「ファイボルト!!」
その瞬間、炎と雷が交互に重なり合って、膨張する。
熱気がすごい…普段ここまで本気で撃たないから、ちょっとやばいかも。
雷も雷で、バチバチと鼓膜を破る勢いで音を鳴らしてる。
こんな物を当てられるモノパージって…ご愁傷様。
その炎と雷は射出され、モノパージにボォー!となんと言えばいいか分からないような音を出しながら、爆発する。
「うぉ…凄いねこれ。」
ファイボルトの威力で、アイスショットは溶け、ファイボルトに当たったモノパージは、体の一部が欠けた状態で、地面に伏した。
この魔法は、ちょっと時と場合を考えないとね。あと普通に調節しながら撃たないと…
「…帰りますか。」
今回のことで色々と分かった。収穫としては十分だね。
モノパージを収納して、私は帰路に着いた。
冒険者ギルドにて、討伐の確認をしてからギルドカードに履歴を追加した。
その隣の棟で、モノパージの解体を頼んだんだけど、ロアに見てもらいたかったから、その時に頼むことにする。
今日の時間も潰せたね。今の私は1週間以上暇だけど、あまり遠くには行けない。
明日はロアのところに行って遊ぼうかな?その後に解体見せたりして、色々しよう。
そんな明日のことを思い浮かべていたら。
……あれ、は。
あれはまさか…
私は、道の横にある煙の立っているところを見る。その煙とは工場とかの煙とかではなく(そもそもこの世界に工場はないけど)、湯気だ。
「銭湯だ!!」
銭湯なんて久しぶりだね。そもそもこの世界では、濡れタオルでしか体拭けなかったからね。
これは、入るしかないみたいだね。銭湯が私を呼んでる。
私は銭湯に入って、お金を受付のお爺さんに渡して、女湯ののれんをくぐった。
上着を脱ぎ、バレないように細心の注意を払って、魔法少女服を脱いで、上着に隠した。
シャワーらしき物を手に持つと、魔力が微量だけど持っていかれ、水が出た。
「おぉ、流石異世界。」
気づかれないように小さくこぼした。
体を洗い終わり、銭湯に足をつけた。
「はぁー、生き返る…」
流石銭湯、気持ちいいね。
私はそれから、10分ちょっと銭湯に浸かってから出ることにした。
服を着終わった私は、さらにある物を見つけてしまった。それは…
「牛、乳?」
これはあれか?あれなんだよね?飲めってやつだよね?飲んでいいよね。
「それでは頂きます。」
私は牛乳をゴクゴクと飲み干して最後に「ぷはー!」と言う。
やっぱり美味しい。あっ、勿論お金は払ったよ。
そんな感じで、私は楽しい時間を過ごすことが出来た。
やったね。
———————————————————————
今回の話は、戦闘の話ではなくて、もう銭湯の話になってます。(最後だけだけど)
実際この話は、ソラを銭湯に入れ込んでやろうというcoverさんの考えて生まれた物です。
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