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1章 魔法少女と異世界の街
28話 魔法少女は面接官になる
しおりを挟む宿屋に向けて夜、道を歩いている。
こうやって夜道を歩くのは、初めてかな?
まぁ、いつもは宿屋で寝ていたからね。しょうがない、しょうがない。
そんな風に、ゆったりと歩いていく。
「おい、嬢ちゃん。こんな夜中に、なぁにしてんの。」
はい、謎の男2人組に絡まれましたー。
夜だとこんなことが起こるんだね。
嫌だなぁ、めんどくさい。面白そうだとは思ったけど…実際会うのと、考えるのじゃ、違うね。
殴るのは、流石によくない。ちょっとだけ殴ろう。どちらにしろ、殴るのは変わらないね。
「無視するなんて酷いなぁ、心配してあげてるんだよ。」
ヘラヘラしてるね。なんかウザくなってきた。
「いや、大丈夫ですから。」
イラつきを抑えながら言う。
「嬢ちゃん、着いていってあげようか?」
男は、私の肩に手を出してきた。
そこで私は、我慢の限界が来てステッキで、みぞおちを殴った。
流石にこれは、仕方ないと思う。触ってきたんだから。そして、殴りたかったんだからしょうがない。
「ちょっと、どいて。」
私はにっこりと笑顔を見せると、男たちはビビって逃げ出した。
よかったね、腰抜けで。もうちょっと、肝が据わってる人達だったら、面倒だったね。
面接があるんだから、(いつか知らないけど)こういうのはやめてほしい。
面接に出られなかったら、責任とってほしい。
「まっ、この程度で怪我する私じゃないけど。」
そんな独り言を呟いて宿屋に戻る。
いつも通りに、エリーの美味しいご飯を食べた後、洗濯を終えた私は、軽く魔法の練習をして寝る。
最近、戦ってないから体が鈍ってるなぁ。
その後、いつもと同じくらいの時間に起床して、ウォーターで口を濯いで朝ごはんを食べに向かう。
エリーにおはよう、と言って私の定位置に座る。
ご飯を出してくれて、それを受け取る。
うん、美味しい
今日は、ギルマスに日程を教えて貰いに行こう。
「それじゃあエリー、行ってくる…」
「行ってくるね」と言おうとしたときに、何故かポケット辺りで、ピコンっと音が鳴った。
「ソラ、音が鳴ってますよ。」
カウンターに、肘をついて聞いてきた。
なんだろう、なにから鳴ってるの?これ。
ちょっと、止めたいんだけど!
ポケットを、ガサガサと探っていたら、ギルドカードが出てきた。
「…?ギルドカード?」
ギルドカードが薄く光って、ピコンっと鳴っている。
どういう意味?なんでギルドカードが?
私は頭に?マークが沢山浮かぶ。
よくよくカードを見ていたら、左端に何か書いてある。
なになに?
『よぉ、ソラ。一つ忘れていたが、この新しいギルドカードは、連絡機能がついている。』
は?連絡、機能?
「なんで、そんなもの付けてるの!」
私は、そんな言葉を漏らして…いや、叫んだ。
「どっ、どうしたんですか?ソラさん?」
「いや、なんでも…なくは、ないけど。大丈夫。」
私は続きを見ることにする。
『だから、これを持っている俺としか連絡は出来んが、連絡が色々とできるのはいいだろ。』
なにが『いいだろう。』なの。宿屋だからいいにしても、戦闘中にそんなことがあったら、集中力が散漫しちゃう。
『今日は、面接の日程を知らせるために、連絡をした。日程は、明後日の昼の11時だ。遅れるなよー。』
おっ、それはありがたい情報だね。ギルドに行かなくても良くなった。
「これ、普通に欲しいな。」
ギルマスに頼もうかな?
これで連絡できるかな?
ポチッと項目を押して、文字を打ってく。
えーっと、『ギルドカードの機能を抜いて、この連絡機能だけを付けたのって、作れる?欲しいんだけど。』っと。これで、送信。
日本だと、L○NEみたいなスマホで連絡が出来るのがあったけど、この世界にはまだ無い。
それらしき機能のあるこのカードは、普通に欲しい。
「えっと、何かありました?」
エリーは、今起こった事を理解できずに、そう聞いた。
「なんでもないから、気にしないで。」
そう言われると、気になると思うけど、そこは…我慢してほしい。
それじゃ、ロアの家に行こうかな。
私は扉を開けて、徒歩でロアの家に向かう。
ちょっとギルドに行く時間が空いたから、一狩り行こうかな?
腕も鈍ってると思うしね。
ちょっと、強そうなの挑戦しようかな?
危なすぎるのは、やめとくけど。
そんなことを考えてると、いつの間にか家が見えてきた。
私はそこの202号室にノックし、入った。
「お邪魔しまーす。テレスさんいる?」
すると、テクテクとロアがやってきた。
「ソラお姉ちゃん!」
ロアは、笑顔でこっちにやってくる。
「お父さんは、向こうで値段を考えていますよ?」
ロアが、そう教えてくれた。
「ありがとう、ロア。」
「ちょっと通るよ」と、そう言ってロアが教えてくれたところに行く。
「食材は、提供してくれると言ってくれたし…値段は少し安めに…」
頭をボリボリとかいて、そんな事を呟いている。
「テレスさん、面接の日程、決まりましたよ。」
私は、後ろからそう言った。
「…!?…ソラさん、ですか。」
安心したように「はぁー」と、一息ついた。
「日程、決まったんですね。」
「はい、明後日の11時です。」
私は、テレスさんに日程を教える。
テレスさんって、今値段決めてたんだよね。
ちょっと覗いてみようかな?
うん、うん。安いね。
カレーは銅貨5枚。(500円相当)私だったら、つい買っちゃうね。
飲み物は全て銅貨1枚。ワンコイン。安い。
原料が私の魔力だからね。タダだ。
レベルを上げれば、もっと作れる。
今のところ、一週間分くらいは貯めてある。
「この値段で、いいですかね?」
「いいと思うよ。」
「ありがとうございます」と、何故か私に感謝してる。
なんでだろう?まぁいいや。
私は、ロアやサキと一緒に、少し遊んでから帰った。
———————————————————————
面接官ソラ、ついに始動!
…謎のノリですね。
そしてソラのカフェは、とんでもなく安いです。
あのクリームソーダすら、たった100円!
銅貨1枚約100円 銀貨1枚約10000円
金貨1枚1000000円
こんな感じです。
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