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1章 魔法少女と異世界の街

22話  魔法少女は内見に行く

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 私は昨日買ったお店の内見をするため、商業ギルドに向かっている。

 宿屋でゆっくりして神速Ⅴで一瞬で行くのもいいけど、朝に散歩がてら行くのもいいと思ったので少し早めに宿屋を出て、歩いている。

 ちょっと節約しよう、お金が貯まるまで。

 まだ少し早いので人はあまりいない。今までは昼に歩くことが多かったから、こうやって早めに歩いてみると発見も多いね。

 昼は子どもが遊んでる姿をよく見る。今はちらほら人がいるくらい。

 今度、夕方とか夜とかに散歩してみるのもいいね。

 そんなことを考えて歩く。
 そうすると段々ギルドが見えてくる。マリンさんは…まだいないみたいだね。

 昼前までにはって言ってたよね。ならちょっと早過ぎたのかな?

「まぁ、早過ぎることは悪いことじゃないしね。」
自分にそう言い聞かせてギルドの前に行く。

 ギルドは広いからね。ちょっとぐるっと散歩してみようかな。
 
「綺麗に整理されて凄いね。こういうのって誰がやってるんだろう。」
そんな疑問が出てくる。

 そういう関係の人を雇ってるのかな?多分そうだと思う。

 そう思いながら待つこと数十分。

「…暇だ。とっても暇だ。」
やることも無くなってただ立ってるだけだとほんとに暇になる。

 いや、後どのくらい待たなきゃ行けないの?
いい加減疲れてきた。
 
 ほんとに暇になってきたので私はギルドに入ることにする。

「あっソラさん。早いですね。」
するとそこにはマリンさんがいた。

 そうだった、忘れてた。
マリンさんはギルドの人だった。ギルドに行けば普通にいたじゃん。
 はぁ、待ち損じゃん。

「もう行きます?内見。」
マリンさんは立ち上がってそう言う。

「はい、行きますよ。早く行きましょう。」
待ちくたびれたので早く行きたい。

「では行きましょう。」
そう言ってギルドを出るために受付を出る。

 マリンさんは私に「行きましょう」と言ってギルドの外に行く。

「一等地だけあって中心に近いところにあってライバル店も少ないですから、ちょうどいいと思いますよ。」
そう、店を紹介しながら内見に向かう。

 私は、店に向かう途中で、昨日思った疑問について尋ねる。

「なんで半額以下の値段にしてくれたんですか?」
商売にならないと言っていたし気になる。

「あぁ、それね。それは未来への投資よ、投資。」
私に向けてそう言う。

 投資?なんで投資になるの?

「私はあなたに投資をしたのよ。あなたがこれから活躍することをよんでこうやって安く売ってるの。」
「これは初回限定価格よ」と言って説明する。

 私はなんと言えばいいか分からず「はぁ、」という一言を漏らす。

「ソラさん、着きましたよ。これです。」
マリンさんは少し大きめな家の前で手を広げて言う。

「これですか?」
これって店なの?これから店にしろ的な?

「そうよ。ここは昔は家だったけど、お店に再利用させたの。」
そう言って玄関の扉を開いた。

 まぁまぁ綺麗だ。誰か掃除に来てたのかな?
一等地なんだし。

「キッチンはあっちでこの辺りをテーブルにしたり出来るわ。」
移動しながらそんな説明を受ける。

 いちいち注文取りに行くのはさすがに1人2人では大変そうだ。
 なら前払い式にすればいいのかな?

「その辺りは要相談ってことで。」
私は小声でそう呟く。

 そのあと使うか分からない2階の紹介もされ、それから店を一周してみる。
 店は案外広くて2階には従業員を住ませればいいかと考えて、玄関(だったところ)に戻ってくる。

「それじゃあ、掃除でもしようかな。」
私は体を伸ばして準備運動をする。

 まず床掃除からだね。
ウィンドカッターを調節して放って…レベルが上がるにつれて調節が難しくなってる。

 すると埃は風に乗って一箇所に集まっていく。
それを土魔法でちりとりのような形にしたあと、ゴミ袋に入れる。
 
「ソラさん、やっぱり魔法が凄いですね。今までにいろんな人を見てきましたけどそんな魔法なんて見たことありません。」
この世界ってこんくらいでも凄いのか…

 魔法が最弱な世界ってちょっとファンタジー感出ないけど、私自身は使えるんだしいっか。

 埃を粗方片付けたら、ウォーターを出して、床を濡らしていく。

 この辺りからは自分でやりますか。神速Ⅴ使えば早く終わるだろうしね。

「ちょっとビックリするかもだけどあんまり騒がないでくださいね。」
私は神速Ⅴを使うため、マリンさんにそう注意しておいた。

「あら?次は何をするの?」
少し楽しそうに言う。

 私は雑巾を持って濡れた床に雑巾を置く。それに手を置いて雑巾掛けを始める。神速Ⅴを使って。

 一瞬で壁から壁までを通り過ぎていく。
マリンさんは驚きと呆れの表情が混じったような顔をする。

「ほんと、ソラさんってどうなってるの。魔法使いよね?」
そんなことを言う。

 はい、魔法使いです。正しくは魔法少女です。

 そんなことを考えながらシュン、シュンと移動しながら雑巾掛けをしていると、あっという間に終わった。

「こんなすぐに床がピカピカになるなんて…」
なにか遠い目で明後日の方向を見つめている。

「あと庭の方を片付けたら今日は終わりってことで。」
私はマリンさんにそう言う。

「あぁ、そうそう。火、水、光は私たちはギルドに任せなさい。やってあげる。」
そう言って自分の胸をポンと叩く。

 あとはロアの父親に相談してギルドに頼めば店の方は終わりか。

 あとは私がメニュー作ったり色々して覚えてもらう。そうすれば終わりだね。

 私はそんなことを考えながら草を刈っていく。

———————————————————————

 話考えるのって難しいですね。なんかどこかで見たことある展開になりそうで怖いです。
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