魔法最弱の世界で魔法少女に転生する〜魔法少女はチート魔導士?〜

東雲ノノメ

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1章 魔法少女と異世界の街

9話  魔法少女は顔合わせをする

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 私はあの後、ロアと別れて宿屋に戻ってきた。
そこでエリーに後5日延長することを言ってお金を渡した。
 エリーは「まだ一緒にいられるんですね!」と笑顔で喜んでいた。その言葉と笑顔を男の人に向けたら一瞬で惚れそうだね。

 私は女の子だからそんなことはない。ちょっと笑顔が眩しくて、直視できないだけだよ。

 明日は顔合わせがあるというので少し緊張する。

「どんな人達だろうな。」
男ばっかのパーティーだったらやめよっかな。
一人くらい女の子が欲しい。

 考えるのがめんどくさくなったので寝始める。


「んっん……」
なんか鳥の声が聞こえる。ちゅんちゅんとかじゃなくて、スズメとカラスとホトトギスを足して3で割った感じのやつ。
口じゃ表わせない。

「あっ昨日上着のまま寝ちゃってた。」
まぁいいか。

「この服、洗った方がいいよね。」
魔法少女服は何故か汚れないけど、これは汚れる。

 上着を脱ぎ、ウォーターで水の球を出し、上着を入れる。
そのあとウィンドカッターを調節して渦を作る。

「魔法は使いようだね。下手な人が使うと弱くなるし、上手い人が使うと強くなる。」
想像力が必要だから私にはピッタリだ。

 その風の渦を水の球の外側において洗濯機の要領で洗う。
 そのあと水の球を消して弱火のファイアで熱風を起こして乾かす。

「魔法って楽しいな。同じ魔法でも使い方が色々あって面白いし。」

 上着を着直し、朝ご飯を食べるために下の階に行く。
 異世界に来て3日目。もうお米が恋しくなってきた。お米って偉大だったんだなぁ。

「あっソラ、おはよう!」
いつも通り、元気だね。

「うん。おはよ。」
私はカウンターに座り、朝食を頼む。

「あっソラ、今日たまたま海の魚が入ったんだけど食べる?」

 魚?食べたい食べたい!めっちゃ食べたい。

「それをお願い。」
するとエリーは分かりましたと言って作っていく。


「はい、出来ました。魚は初めてなのでちゃんと出来てるか不安ですけど…」

 おっ魚の塩焼きと鮭のムニエル?みたいなそんなのがある。さすがにパンと魚は合わないので断る。

「箸が欲しいな。」
ボソッと言う。でもないものはないので諦める。

「あっ美味しい。」
フォークで魚の骨を取りながら食べる。
 いい塩加減だ。こっちも食べてみよう。

んん!美味しい!

「美味しいよ、初めてとは思えない。」
ほんとに凄い。これで初めてなの?

「えへへ、ありがとう。」
可愛くて笑顔がよくて料理もできる。私が男だったら惚れてたよ。

ご飯を食べ終わり何をするか考える。
 ずっと宿屋にいるのは暇になっちゃうから一応外に出る。

「改めてちゃんと見ると色々あるんだね。」

 それから私は街をぶらぶらと散歩をする。
一周してギルドにやってくる。

「いい時間になったんじゃない?」
私はギルドの中に入る。

 すると受付の近くのテーブルに4人座ってる人がいる。

「おぉ、来たか。」
あっギルマス。

「ちょっと遅かった?」

「いや、丁度良かった。」
良かった、悠長に散歩して遅刻したなんて恥だよ。

「あの席に座れ。」
4人が座ってるテーブルを指す。

 あれが一緒にやるパーティーか。男が3人女が1人。やった私1人じゃなかった。

「全員そろったな。適当に話し合っていけ。終わったら帰っていい。」
そう言うとギルマスは帰っていく。

「…お前がギルマスが言ってた女か?」
そうですけど、文句でもあります?

「どんな奴が来るかと思ったらこんな子供か。」
私、17ですけど。子どもって言われる年齢じゃないよ。

「そんなこと言わない。ギルマスの紹介なんだからそれだけ実力があるんだと思うよ。」
男2人はなんか嫌な感じだけど、女の人はいい人だね。

「それじゃ自己紹介をしましょう。私はエリカこの3人は左からゼン、ダクロス、バージ。」
最初に喋った人がバージ、子どもって言ったのがダクロスか。

「私は空。」
短く自己紹介をする。

 …ゼンって人どっかで見たな。体がデカくて腕組んでて…

「あっ!私が冒険者になるときにいた人だ!」
受付に案内されたときに邪魔してきた人じゃん。

「あの時はすまなかった。…少しボーッとしていてな。」
謝ってくれた。この中ではちゃんとした人だ。

「それじゃ戦闘方法を共有しましょ。私は支援魔法よ。」
魔法は弱いから支援魔法しか使われないってこないだギルマスが言ってたけどほんとなんだね。

「俺は片手剣と支援魔法だ。」

「俺が属性付与剣を使う。」
魔法じゃなくて支援と属性付与なんだ。

「…俺はハンマーだ。」
この人は分かりやすいね。

「私は攻撃魔法が中心だけど。」

「「ぷっ…あっはっはっはっ!」」
何笑ってんの。うざいんだけど。

「攻撃魔法だとよ。何言ってんだ魔法っていうのは、弱いんだぜ。はっはっは。」
黙って欲しい。

「ギルマスは選ぶ人を間違えたんじゃねぇの?はっは。」
ねぇ、殴っていい?いいよね。

「違うとしたらギルマスの目はバカになったのかもな。」

「ねぇ!折角来てくれたのにそこまで笑うことはないでしょう!」
おぉ救世主だ。

「そうだ。…こいつは俺を押して退かすことができた。それだけの力も持っている。」
この人もちゃんとした人だ。

「おい、誰の目がバカになったって?」
あっギルマス登場。

「じゃあ戦ってみたらどうだ?どっちが強いがハッキリするだろ。」
おっ殴っていいの?やった。

「はっはっはっそりゃねぇぜ、こいつが可哀想だろ。」
うん、やったろう。

「別に、私はいいよ。」
ムカついてるし殴り飛ばしたいし。逆にやりたい。

「なら向こうに場所があるからそこでやれ。」

 ギルマスがそう言い、私たちはついていく。





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