66 / 85
第2章 七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
[第22話:Ubi amoris]
しおりを挟む
_
新宿は、再び戦地と化した。
愛と哀が、交錯する…。
"鮫破舵"を振りかぶった古織が、再び東雲の目の前に現れた。
「…"咬鮫撃"っ!」
その姿を見て、東雲の表情が変わった。
「…邪魔するなら、容赦しないから。」
トンファー状の武器である"悪魔の旋棍"を持つ東雲の両腕からは、
黒いオーラが溢れ出ていた。
東雲は、古織の攻撃をそれで防いだ。
激突する古織は、真剣な顔で東雲を睨みつける。
「…邪魔?あなた達の方が余程、平和の邪魔をしてると思うんだけど?」
古織はそう言うと、"鮫破舵"に更に力を加えて東雲を押しきろうとした。
「…ふふふっ…。なーんにも、分かってないみたいね…。」
東雲は、古織の言葉に対してそう答えると、不敵な笑みを浮かべた。
次の瞬間、古織目掛けて複数の車両が飛来する。
「…なっ…!?」
古織は東雲への攻撃をやめて、飛来する車両を回避した。
バァァァァァァァァン!!!!!!
車は空中で激突すると、盛大に爆発して全て粉々になってしまった。
間一髪で回避した古織は、今の現象に驚きを隠せずにいた。
…車が飛んでくる…。
「…なっ…どこから…。」
古織は辺りを見回したが、原因が分からない。
すると今度は自動販売機が数台、古織目掛けて飛んできた。
「…ちっ…"乱泳覇鮫撃"っ!!!!」
古織は"鮫破舵"を振り回し、飛んでくる自販機を打ち返した。
「…どうなってるの…?これ…。」
まるで、古織の周りが無重力空間になったように
四方八方から物体が縦横無尽に飛び回る。
「…"Botrum Portassent Stellarum"」
その声は、古織の耳元で囁かれた。
「…ラテン語で、『星たちの群れ』って意味よ…。」
その声の主は、東雲であった。
「…なっ…!」
古織が声のする方へ振り向いた瞬間…
黒いオーラの塊が、古織を殴りつけた。
急速に吹き飛ばされた古織の元に、周囲にあった様々なものが
古織に襲いかかる。
「…"ルシファー"の能力…、それは"物体操作"。
…私はこの空間のものを、意のままに操れる。」
そう言う東雲の表情は、まるで"悪魔の微笑み"であった。
古織の姿を、徐々に砂煙が覆っていく。
「言ったでしょ?容赦しないって。
"悪魔の力"、見くびらないでよね?」
東雲はそう言うと、高笑いした。
"悪魔"に身を任せた彼女は、その使命を全うすることしか考えていないようだ。
「…"鮫棍波"っっっ!!!」
その叫び声と共に、古織を覆う砂煙が一瞬にして晴れた。
しかし、彼女の姿は立ち上がるのがやっとな程、ボロボロであった。
「あら、生きてたの。良かったね。」
東雲は、驚いたように古織の姿を見下ろした。
「…まさか…ここまでとはね…。」
古織は口から流れる血を左手で拭うと、東雲に目線を合わせて睨みつけた。
「…あなた…紘紀くんがそっちにいた時にはいなかったみたいだけど…
非常に残念ね。折角、"BOX・FORCE"になれたのに…。
…それも、今日でおしまいね。」
東雲は、そう言って更に古織を煽った。
「…ふっ…そう言うあなたこそ、"七魔団"になって間もないんじゃない?私を知らないなんて。
…私は、"元"諜報員。ずっと"BOX・FORCE"にいたわよ?」
古織の意地も負けていなかった。
"BOX・FORCE"としての意地なのか、"女"としての意地なのか…。
「…へぇ…。じゃあ、見せてもらおうじゃない。
"BOX・FORCE"の実力ってやつを。」
2人の間に、冷たく寂しげな風が吹く…。
_
一方、樫間vs迅雷寺は…。
迅雷寺の繰り出した"雷迅"は、雷の如く不規則な線を描きながら樫間に突っ込んだ。
「…甘いな。」
樫間はそう呟くと、迅雷寺の前から姿を消した。
しかし、迅雷寺は止まることなく消えた樫間の姿を探した。
「…もっと本気で来い。…そう、ヴァリアルとやり合った時のようになっ!」
一瞬、迅雷寺の背後に現れて彼女の耳元でそう囁いた樫間だったが、
その一言を残して再び姿を消した。
「…ちっ…速すぎる…。」
迅雷寺は、樫間の姿が見つからないと埒が明かないと渋々攻撃を止めた。
しかしその隙を、樫間は見逃さなかった。
「…"滅殺斬"。」
樫間は右手に持つ黒刀に黒いオーラを纏わせて、迅雷寺目掛けて振りかぶった。
「…大人しく、ひれ伏せ。」
「…そう簡単に、やられてたまるかぁっ!!!!」
迅雷寺はそう叫ぶと、再び"雷虎徹"を構えた。
「…"桂流、十五の舞、雷霧"っ!!」
迅雷寺は、雷を纏った"雷虎徹"を自身を軸に回転しながら振り回し、周囲に砂煙を発生させた。
樫間はお構いなしにそこに突っ込むが、それは迅雷寺の思う壺であった。
樫間はその砂煙の中で、僅かな電撃を無数に受け続けてしまう。
「…ちっ…。」
電撃は次第に強くなり、樫間の身体を麻痺させた。
「…"桂流、終の舞…雷王"っ!!!」
バリバリバリッ!!!と音を立てながら、上空から雷が"雷虎徹"に落ちた。
その衝撃で"雷霧"が晴れると、樫間の前に"雷虎徹"を振りかぶった迅雷寺が現れた。
まるで大きな虎のような黄色いオーラに包まれた迅雷寺は、樫間に迷わず突っ込んだ。
「…かっしー…覚悟ぉぉぉぉぉぉ!!!!」
迅雷寺の叫びは、嵐の時の雷のように響き渡る。
「…おいおい、勘弁してくれよ…。」
新宿は、再び戦地と化した。
愛と哀が、交錯する…。
"鮫破舵"を振りかぶった古織が、再び東雲の目の前に現れた。
「…"咬鮫撃"っ!」
その姿を見て、東雲の表情が変わった。
「…邪魔するなら、容赦しないから。」
トンファー状の武器である"悪魔の旋棍"を持つ東雲の両腕からは、
黒いオーラが溢れ出ていた。
東雲は、古織の攻撃をそれで防いだ。
激突する古織は、真剣な顔で東雲を睨みつける。
「…邪魔?あなた達の方が余程、平和の邪魔をしてると思うんだけど?」
古織はそう言うと、"鮫破舵"に更に力を加えて東雲を押しきろうとした。
「…ふふふっ…。なーんにも、分かってないみたいね…。」
東雲は、古織の言葉に対してそう答えると、不敵な笑みを浮かべた。
次の瞬間、古織目掛けて複数の車両が飛来する。
「…なっ…!?」
古織は東雲への攻撃をやめて、飛来する車両を回避した。
バァァァァァァァァン!!!!!!
車は空中で激突すると、盛大に爆発して全て粉々になってしまった。
間一髪で回避した古織は、今の現象に驚きを隠せずにいた。
…車が飛んでくる…。
「…なっ…どこから…。」
古織は辺りを見回したが、原因が分からない。
すると今度は自動販売機が数台、古織目掛けて飛んできた。
「…ちっ…"乱泳覇鮫撃"っ!!!!」
古織は"鮫破舵"を振り回し、飛んでくる自販機を打ち返した。
「…どうなってるの…?これ…。」
まるで、古織の周りが無重力空間になったように
四方八方から物体が縦横無尽に飛び回る。
「…"Botrum Portassent Stellarum"」
その声は、古織の耳元で囁かれた。
「…ラテン語で、『星たちの群れ』って意味よ…。」
その声の主は、東雲であった。
「…なっ…!」
古織が声のする方へ振り向いた瞬間…
黒いオーラの塊が、古織を殴りつけた。
急速に吹き飛ばされた古織の元に、周囲にあった様々なものが
古織に襲いかかる。
「…"ルシファー"の能力…、それは"物体操作"。
…私はこの空間のものを、意のままに操れる。」
そう言う東雲の表情は、まるで"悪魔の微笑み"であった。
古織の姿を、徐々に砂煙が覆っていく。
「言ったでしょ?容赦しないって。
"悪魔の力"、見くびらないでよね?」
東雲はそう言うと、高笑いした。
"悪魔"に身を任せた彼女は、その使命を全うすることしか考えていないようだ。
「…"鮫棍波"っっっ!!!」
その叫び声と共に、古織を覆う砂煙が一瞬にして晴れた。
しかし、彼女の姿は立ち上がるのがやっとな程、ボロボロであった。
「あら、生きてたの。良かったね。」
東雲は、驚いたように古織の姿を見下ろした。
「…まさか…ここまでとはね…。」
古織は口から流れる血を左手で拭うと、東雲に目線を合わせて睨みつけた。
「…あなた…紘紀くんがそっちにいた時にはいなかったみたいだけど…
非常に残念ね。折角、"BOX・FORCE"になれたのに…。
…それも、今日でおしまいね。」
東雲は、そう言って更に古織を煽った。
「…ふっ…そう言うあなたこそ、"七魔団"になって間もないんじゃない?私を知らないなんて。
…私は、"元"諜報員。ずっと"BOX・FORCE"にいたわよ?」
古織の意地も負けていなかった。
"BOX・FORCE"としての意地なのか、"女"としての意地なのか…。
「…へぇ…。じゃあ、見せてもらおうじゃない。
"BOX・FORCE"の実力ってやつを。」
2人の間に、冷たく寂しげな風が吹く…。
_
一方、樫間vs迅雷寺は…。
迅雷寺の繰り出した"雷迅"は、雷の如く不規則な線を描きながら樫間に突っ込んだ。
「…甘いな。」
樫間はそう呟くと、迅雷寺の前から姿を消した。
しかし、迅雷寺は止まることなく消えた樫間の姿を探した。
「…もっと本気で来い。…そう、ヴァリアルとやり合った時のようになっ!」
一瞬、迅雷寺の背後に現れて彼女の耳元でそう囁いた樫間だったが、
その一言を残して再び姿を消した。
「…ちっ…速すぎる…。」
迅雷寺は、樫間の姿が見つからないと埒が明かないと渋々攻撃を止めた。
しかしその隙を、樫間は見逃さなかった。
「…"滅殺斬"。」
樫間は右手に持つ黒刀に黒いオーラを纏わせて、迅雷寺目掛けて振りかぶった。
「…大人しく、ひれ伏せ。」
「…そう簡単に、やられてたまるかぁっ!!!!」
迅雷寺はそう叫ぶと、再び"雷虎徹"を構えた。
「…"桂流、十五の舞、雷霧"っ!!」
迅雷寺は、雷を纏った"雷虎徹"を自身を軸に回転しながら振り回し、周囲に砂煙を発生させた。
樫間はお構いなしにそこに突っ込むが、それは迅雷寺の思う壺であった。
樫間はその砂煙の中で、僅かな電撃を無数に受け続けてしまう。
「…ちっ…。」
電撃は次第に強くなり、樫間の身体を麻痺させた。
「…"桂流、終の舞…雷王"っ!!!」
バリバリバリッ!!!と音を立てながら、上空から雷が"雷虎徹"に落ちた。
その衝撃で"雷霧"が晴れると、樫間の前に"雷虎徹"を振りかぶった迅雷寺が現れた。
まるで大きな虎のような黄色いオーラに包まれた迅雷寺は、樫間に迷わず突っ込んだ。
「…かっしー…覚悟ぉぉぉぉぉぉ!!!!」
迅雷寺の叫びは、嵐の時の雷のように響き渡る。
「…おいおい、勘弁してくれよ…。」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる