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第2章 七魔編-七魔団vsBOX・FORCE-
[第17話:Cerebri nobis cerebrum]
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「…着いた。ここがポイントだ。」
チャンがそう言った。
2人が降り立ったのは、渋谷区神泉町の住宅地のとある一軒家。
なんの変哲もないその家が、旧第2部隊のシェアハウスであった。
「でも、ここでやり合うわけじゃないんだろ?」
葉坂は、チャンに向かってそう言った。
「ああ。奴らを別のポイントに引き付ける。」
チャンはそう言うと、シェアハウスを後にし
近くにある有名な大学の敷地へと移動した。
「…どうやって引き付けるつもりだ?」
葉坂はチャンに問いかけた。
「簡単な話だ。要は…。」
チャンはそう言うと、"七魔箱"を解放した。
チャンが顕現させたのは、"悪魔の拳"。
「…こいつの力を使えばいい。」
_
チャンの能力解放から、第2真隊が報を受けるまでに時間は要さなかった。
「…駒場に2つの"NAMELESS"反応だと?
抹梨、ヴァイオレット、行くぞっ!」
矢島は、抹梨とスミレを率いて直様支持された場所へ向かった。
第2真隊が現地にたどり着くと、彼らの前にチャンと葉坂が立っていた。
「…随分とお早い登場だな。なぁ?矢島。」
チャンは、目の前に現れた第2真隊に向かってそう言い放った。
「…先日の2人が相手…って事ね。」
矢島は、そう言って"猪突槍"を構えた。
それに合わせて、抹梨は"鋼鉄牛"、スミレは"猫乃牙"を構えた。
先日の2人、七魔団の本部襲撃の際
矢島は、チャンと対峙している。
「…チャン、多分秒殺できるよ。彼ら。」
葉坂はため息を吐きながらそう言うと、"悪魔の大鎌"を構えた。
「…お前の相手は、隊長の矢島だ。俺が残りの2人を相手する。」
チャンは、葉坂にそう指示した。
「…了解。終わったら手伝うわ。」
葉坂はそう言うと、姿を消した。
「その必要は無さそうだがな。」
チャンもそう言うと、姿を消した。
次の瞬間、矢島の目の前に
葉坂の姿が無数に現れた。
「…来たな…。」
矢島がそう呟くと、水のようなオーラが渦巻いて現れた。
「…見せてもらうよ。"BOX・FORCE"とやらの実力。」
無数に姿を現した葉坂は、そう言うと"悪魔の大鎌"を構えた。
「…見破れるかな?君に。」
"分身"を巧みに扱いながら、葉坂は矢島を囲んで攻撃を繰り出した。
矢島の周囲を、大鎌の刃先が飛び交う。
「…やるしかねぇだろ。"ボア・ラッシュ"っ!!」
矢島は、飛び交う大鎌の刃先を慎重に避けながら
葉坂の姿を"猪突槍"で狙い突いた。
その矛先は葉坂の姿を捉えるも、その姿は煙のように消えていくのみであった。
それでも、尚も止まない攻撃を仕掛ける葉坂。
「…くそっ…ラチがあかねぇ…。」
矢島はそう呟くと、"猪突槍"を頭上で振り回した。
「…一掃してやる…っ!」
"猪突槍"を、渦巻く水のオーラが包み込んだ。
「"猪突・猛進"っ!!!」
矢島は大きく右腕を振り切り、
その槍を葉坂目掛けて投げつけた。
ミサイルのような勢いで、その槍は向かって来る。
「…馬鹿にしてんのか?」
葉坂はそう呟くと、その全身に暗黒のオーラを出現させる。
そのオーラは、葉坂の目前に見えない壁のようなものを作り出し、矢島のそれを堰き止めた。
「…俺は、悪魔だぞ?」
葉坂が余裕そうにそう言うと、衝撃波と共に矢島の攻撃は消されてしまった。
しかし、その余裕は一瞬にして緊張感に変わった。
「…何っ…!?」
葉坂の目の前に、矢島の姿がない。
葉坂は慌てて辺りを見渡すも、その姿がどこにも見えない…。
一方、チャンが迎え撃つ相手は…
「…あんた、BOX・FORCEを裏切るつもり?」
猫の威嚇というより、その形相は"鬼"そのものであった。
スミレ・エレーナは、かつての同志への憤りを露わにしていた。
スミレが視線を向ける先には、チャンが仁王立ちしている。
「…裏切るも何も、俺たちの目的は"諸悪の根源を潰すこと"。それが偶々"BOX・FORCE"だったってだけさ。」
チャンはそう言った。
その余裕を見せる雰囲気が、余計にスミレの怒りを買った。
しかし、チャンにとっては本当に目的の為に動いてるに過ぎないのだ。
次の瞬間、その静寂は一気に戦闘態勢へと変わった。
「…待てっ!迂闊に攻めたら…!」
抹梨の静止も聞かず、スミレはチャンに向かって突っ込んだ。
「…貴様…粛清する…っ!」
スミレは、"猫乃牙"を両手で振り回すと、チャン目掛けて振りかぶった。
「…だから甘いんだよ。元軍人が。」
チャンはそう呟くと、軽く地面を蹴った。
すると、その姿は一瞬にして消え去る。
「…何っ!?」
スミレが驚くのも束の間、
チャンはスミレが両手に持つ"猫乃牙"を、勢いよく蹴り飛ばした。
「…つっ…!?」
スミレの腕は、蹴撃の衝撃で自由が効かなくなった。
(…こいつ…前とは段違いだ…。これもまさか例の"箱装"の力というのか…。)
スミレは膝をついて蹲ったが、その目はチャンを見逃す事なく、その姿を睨みつけていた。
「…どうする?やるならさっさとやろう。」
チャンは、尚も余裕さを見せつつ抹梨を煽った。
(…くそっ…。)
両者の間に、冷たい夜風が吹く_
「…着いた。ここがポイントだ。」
チャンがそう言った。
2人が降り立ったのは、渋谷区神泉町の住宅地のとある一軒家。
なんの変哲もないその家が、旧第2部隊のシェアハウスであった。
「でも、ここでやり合うわけじゃないんだろ?」
葉坂は、チャンに向かってそう言った。
「ああ。奴らを別のポイントに引き付ける。」
チャンはそう言うと、シェアハウスを後にし
近くにある有名な大学の敷地へと移動した。
「…どうやって引き付けるつもりだ?」
葉坂はチャンに問いかけた。
「簡単な話だ。要は…。」
チャンはそう言うと、"七魔箱"を解放した。
チャンが顕現させたのは、"悪魔の拳"。
「…こいつの力を使えばいい。」
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チャンの能力解放から、第2真隊が報を受けるまでに時間は要さなかった。
「…駒場に2つの"NAMELESS"反応だと?
抹梨、ヴァイオレット、行くぞっ!」
矢島は、抹梨とスミレを率いて直様支持された場所へ向かった。
第2真隊が現地にたどり着くと、彼らの前にチャンと葉坂が立っていた。
「…随分とお早い登場だな。なぁ?矢島。」
チャンは、目の前に現れた第2真隊に向かってそう言い放った。
「…先日の2人が相手…って事ね。」
矢島は、そう言って"猪突槍"を構えた。
それに合わせて、抹梨は"鋼鉄牛"、スミレは"猫乃牙"を構えた。
先日の2人、七魔団の本部襲撃の際
矢島は、チャンと対峙している。
「…チャン、多分秒殺できるよ。彼ら。」
葉坂はため息を吐きながらそう言うと、"悪魔の大鎌"を構えた。
「…お前の相手は、隊長の矢島だ。俺が残りの2人を相手する。」
チャンは、葉坂にそう指示した。
「…了解。終わったら手伝うわ。」
葉坂はそう言うと、姿を消した。
「その必要は無さそうだがな。」
チャンもそう言うと、姿を消した。
次の瞬間、矢島の目の前に
葉坂の姿が無数に現れた。
「…来たな…。」
矢島がそう呟くと、水のようなオーラが渦巻いて現れた。
「…見せてもらうよ。"BOX・FORCE"とやらの実力。」
無数に姿を現した葉坂は、そう言うと"悪魔の大鎌"を構えた。
「…見破れるかな?君に。」
"分身"を巧みに扱いながら、葉坂は矢島を囲んで攻撃を繰り出した。
矢島の周囲を、大鎌の刃先が飛び交う。
「…やるしかねぇだろ。"ボア・ラッシュ"っ!!」
矢島は、飛び交う大鎌の刃先を慎重に避けながら
葉坂の姿を"猪突槍"で狙い突いた。
その矛先は葉坂の姿を捉えるも、その姿は煙のように消えていくのみであった。
それでも、尚も止まない攻撃を仕掛ける葉坂。
「…くそっ…ラチがあかねぇ…。」
矢島はそう呟くと、"猪突槍"を頭上で振り回した。
「…一掃してやる…っ!」
"猪突槍"を、渦巻く水のオーラが包み込んだ。
「"猪突・猛進"っ!!!」
矢島は大きく右腕を振り切り、
その槍を葉坂目掛けて投げつけた。
ミサイルのような勢いで、その槍は向かって来る。
「…馬鹿にしてんのか?」
葉坂はそう呟くと、その全身に暗黒のオーラを出現させる。
そのオーラは、葉坂の目前に見えない壁のようなものを作り出し、矢島のそれを堰き止めた。
「…俺は、悪魔だぞ?」
葉坂が余裕そうにそう言うと、衝撃波と共に矢島の攻撃は消されてしまった。
しかし、その余裕は一瞬にして緊張感に変わった。
「…何っ…!?」
葉坂の目の前に、矢島の姿がない。
葉坂は慌てて辺りを見渡すも、その姿がどこにも見えない…。
一方、チャンが迎え撃つ相手は…
「…あんた、BOX・FORCEを裏切るつもり?」
猫の威嚇というより、その形相は"鬼"そのものであった。
スミレ・エレーナは、かつての同志への憤りを露わにしていた。
スミレが視線を向ける先には、チャンが仁王立ちしている。
「…裏切るも何も、俺たちの目的は"諸悪の根源を潰すこと"。それが偶々"BOX・FORCE"だったってだけさ。」
チャンはそう言った。
その余裕を見せる雰囲気が、余計にスミレの怒りを買った。
しかし、チャンにとっては本当に目的の為に動いてるに過ぎないのだ。
次の瞬間、その静寂は一気に戦闘態勢へと変わった。
「…待てっ!迂闊に攻めたら…!」
抹梨の静止も聞かず、スミレはチャンに向かって突っ込んだ。
「…貴様…粛清する…っ!」
スミレは、"猫乃牙"を両手で振り回すと、チャン目掛けて振りかぶった。
「…だから甘いんだよ。元軍人が。」
チャンはそう呟くと、軽く地面を蹴った。
すると、その姿は一瞬にして消え去る。
「…何っ!?」
スミレが驚くのも束の間、
チャンはスミレが両手に持つ"猫乃牙"を、勢いよく蹴り飛ばした。
「…つっ…!?」
スミレの腕は、蹴撃の衝撃で自由が効かなくなった。
(…こいつ…前とは段違いだ…。これもまさか例の"箱装"の力というのか…。)
スミレは膝をついて蹲ったが、その目はチャンを見逃す事なく、その姿を睨みつけていた。
「…どうする?やるならさっさとやろう。」
チャンは、尚も余裕さを見せつつ抹梨を煽った。
(…くそっ…。)
両者の間に、冷たい夜風が吹く_
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