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56 話最終話アーレギ連邦国家樹立

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 領地に帰ると、オスガン国王とパイオニ公国王の2人がリュウトの城に訪ねて来て今後の聖国と帝国について協議した。

 協議の結果、1年間は大陸の3か国の格差を無くす努力をして大陸を緩やかな連邦国家にする事になった。

 聖国は、ナチラス聖国からスワン王国と名を改めて国王には、サビオがサビオ・スワンとして初代国王になり、国の改革を押し進めている。

 連邦国家に移行する1年間は、前世の知識を活用して3か国の指導に当たり。

 自由と平等を掲げて教育の義務化、各地の農業改革、産業改革をして1年間の目標が2年近くかかった。

 大陸は、一つの国アーレギ連邦国家になったのである。

 連邦国家の首都は、リュウトの領地が選ばれてアーレギ都市と名前を変えて会議をする為の議事堂や役所が新しく建てられた。

 初代元首には、リュウトが固辞したが全国民が望んでいるからと説得されて最後にナナファ―ナとライナから。

「リュウト我儘言わないで」

 と怒られて元首になったのであった

 リュウトの戴冠式には、各国の首脳を始め沢山の人が集まり盛大に行われたのだ。

 一連の行事が終わり、連邦の元首としての仕事も慣れて来た頃に久しぶりに仲間が集まりダンライが。

「なぁ、僕たちも来年は20歳になるから結婚式を上げないか」

 ナナファ―ナとライナが。

「本当よね、リュウトはいつまで私たちを待たせる気なの、普通女性は、18歳までに結婚するのに、此の儘じゃおばさんになってしまうわ」

「ゴメン、気になっていたけれど、来月に此のアーレギ街に龍神教の総本山が出来るから、その時に結婚式を上げようか」

「ホント! 嬉しいわ~ ライナも良いでしょう」

「うん、1か月先が待ち遠しいわ」

 サヨナァがダンライに。

「私たちもリュウトたちと一緒に結婚式を上げるのでしょう」

「うん、勿論だよ。サヨナァ待たせてごめんね」

「ううん、皆が一緒に結婚式を出来て嬉しいから良いのよ」

 その時に、サビオがリュウトの前に膝を付いて畏まり。

「リュウト様お願いがあります。マリシャーヌ様を私の奥さんに迎える事をお許しください」

リュウトは、サビオが何を言っているのか理解出来ずに。

「えっ? サビオが誰を奥さんにするの?」

「だから、リュウト様の母親のマリシャーヌ様と私の結婚を許して欲しいのですが」

『ええー!! 嘘だろう~~!・・・・・・ そんな・・・・・・・・・・母上に求婚したのか。母上の返事はどうだったのだ』

「リュウト、ごめんね。私はサビオ様のプロポーズをお受けしたのよ。でもリュウトが反対なら止めるわ」

 いつの間にか母上が部屋に入って来ていたのでした。

 俺は、思わぬ事に頭の中がパニック状態になり、ナナファ―ナが。

「リュウト、しっかりして! お母様の幸せも考えて上げてよ」

 ライナも。

「リュウト、女性としてのマリシャーヌ様の事も考えて下さい」

 ナナファ―ナとライナに言われてリュウトは自分を拾って育ててくれた母上は掛け替えのない存在で。

 自分が幸せにしなくてはと、思いながら最近は、側にいる事が少なく寂しい思いをさせたと思いサビオなら悔しいが優しく思いやりがあるので母上を任せられると思い。

 サビオに両手を付いて頭を下げて。

「サビオ、母上を幸せにしてくれるか。お願いします」

「おおー! リュウト様ありがとうございます。命に代えてもマリシャーヌ様を幸せにします」

 マリシャーヌは、何故か複雑な顔で。

「リュウトが反対したら、止めるつもりでいたのに、嬉しいような悲しいような複雑な気分だわ。でもリュウトありがとう」

 こうしてリュウトと仲間たちは、結婚式を上げる事になったのだ。

 母親のマリシャーヌは、親子で結婚式を上げるのは嫌だと言い。リュウトの結婚式を母親として見届けてから、目立たない様に結婚式を上げる言ったのでした。

 龍神教会総本山の落成式には、大陸中から信徒が集まり、アーレギ都市の宿はどこも満席で、テントで寝る人も大勢いたのだ。


 その落成式の翌日にリュウトたちは、結婚式を上げたのだ。
 
 龍神王の結婚式を一目見ようと龍神教会の周りは、身動きも出来ない人が集まり警備に当たった兵士たちは。

「戦争より疲れた」

 と言っていたのだ。

 結婚式の当日、龍神教会の祭壇の前でリュウトとダンライは、花嫁の入場を待っている。

 バイセラ・オスガン国王に付き添われてナナファ―ナが、ナルアン・パイオニ公国王に手を引かれてライナが、ガンゾイ・シャロム辺境伯に付き添われてサヨナァの三人の花嫁が入場して来た。

 3人の花嫁は、此の世界には無かった純白のウエディングドレスの姿で入場して参列者から溜息が漏れ。

「花嫁が綺麗だー! あのドレスは初めて見る花嫁衣装だ」

 参列者の称賛を浴びて3人の花嫁はエスコートして来た父親から花婿に渡されて龍神教会の司祭長ザガント・ガリラヤが。

「此れより、龍神王リュウ・トプテラノとナナナファ―ナ・オスガン、ライナ・パイオニ並びにダンライ・ランキンとサヨナァ・シャロムの結婚式を執り行います]

「リュウ・トプテラノ貴方はナナファ―ナ・オスガンとライナ・パイオニ妻として生涯を共にし、愛する事を誓いますか」

「はい、生涯を共にし。愛することを誓います」

ナナファ―ナとライナの両名もリュウトと生涯を共にし、愛することを誓いますか」

「はい、私ナナニィーナはリュウトと生涯を共にし、愛することを誓います」

「私ライナもリュウト一生を共にし、死ぬまで愛する事を誓います」

「ダンライ・ランキンはサヨナァ・シャロムを妻とし、生涯を共にし、愛することを誓いますか」

「はい、サヨナァを妻として生涯愛することを誓います」

「サヨナァ・シャロムはダンライ・ランキンを夫として生涯を共にし、愛することを誓いますか」

「はい、ダンライ・ランキンを夫として生涯を共にし、愛することを誓います」

 誓いの言葉の後に結婚指輪を新郎が新婦の指に填め、キスをして出席者から万雷の拍手の祝福をされて結婚式は無事に終わり。

 城の隣に新しく建てられた迎賓館で盛大に披露宴が行われたのでした。

 結婚式の間リュウトを見ていた母親のマリシャーヌは。

「あんなに小さく知恵遅れだったリュウトがこの世界の救世主になるなんて・・・・」

 マリシャーヌの呟いた言葉は、結婚を祝う教会の鐘の音に消されて誰にも聞かれる事は無かったのでした。

         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★ 此れにて第一部は完結です ★
最後まで読んでいただいた方、評価や応援していただいた方にお礼申し上げます。

後日に番外編を投稿する予定です。

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