56 / 58
56 話最終話アーレギ連邦国家樹立
しおりを挟む領地に帰ると、オスガン国王とパイオニ公国王の2人がリュウトの城に訪ねて来て今後の聖国と帝国について協議した。
協議の結果、1年間は大陸の3か国の格差を無くす努力をして大陸を緩やかな連邦国家にする事になった。
聖国は、ナチラス聖国からスワン王国と名を改めて国王には、サビオがサビオ・スワンとして初代国王になり、国の改革を押し進めている。
連邦国家に移行する1年間は、前世の知識を活用して3か国の指導に当たり。
自由と平等を掲げて教育の義務化、各地の農業改革、産業改革をして1年間の目標が2年近くかかった。
大陸は、一つの国アーレギ連邦国家になったのである。
連邦国家の首都は、リュウトの領地が選ばれてアーレギ都市と名前を変えて会議をする為の議事堂や役所が新しく建てられた。
初代元首には、リュウトが固辞したが全国民が望んでいるからと説得されて最後にナナファ―ナとライナから。
「リュウト我儘言わないで」
と怒られて元首になったのであった
リュウトの戴冠式には、各国の首脳を始め沢山の人が集まり盛大に行われたのだ。
一連の行事が終わり、連邦の元首としての仕事も慣れて来た頃に久しぶりに仲間が集まりダンライが。
「なぁ、僕たちも来年は20歳になるから結婚式を上げないか」
ナナファ―ナとライナが。
「本当よね、リュウトはいつまで私たちを待たせる気なの、普通女性は、18歳までに結婚するのに、此の儘じゃおばさんになってしまうわ」
「ゴメン、気になっていたけれど、来月に此のアーレギ街に龍神教の総本山が出来るから、その時に結婚式を上げようか」
「ホント! 嬉しいわ~ ライナも良いでしょう」
「うん、1か月先が待ち遠しいわ」
サヨナァがダンライに。
「私たちもリュウトたちと一緒に結婚式を上げるのでしょう」
「うん、勿論だよ。サヨナァ待たせてごめんね」
「ううん、皆が一緒に結婚式を出来て嬉しいから良いのよ」
その時に、サビオがリュウトの前に膝を付いて畏まり。
「リュウト様お願いがあります。マリシャーヌ様を私の奥さんに迎える事をお許しください」
リュウトは、サビオが何を言っているのか理解出来ずに。
「えっ? サビオが誰を奥さんにするの?」
「だから、リュウト様の母親のマリシャーヌ様と私の結婚を許して欲しいのですが」
『ええー!! 嘘だろう~~!・・・・・・ そんな・・・・・・・・・・母上に求婚したのか。母上の返事はどうだったのだ』
「リュウト、ごめんね。私はサビオ様のプロポーズをお受けしたのよ。でもリュウトが反対なら止めるわ」
いつの間にか母上が部屋に入って来ていたのでした。
俺は、思わぬ事に頭の中がパニック状態になり、ナナファ―ナが。
「リュウト、しっかりして! お母様の幸せも考えて上げてよ」
ライナも。
「リュウト、女性としてのマリシャーヌ様の事も考えて下さい」
ナナファ―ナとライナに言われてリュウトは自分を拾って育ててくれた母上は掛け替えのない存在で。
自分が幸せにしなくてはと、思いながら最近は、側にいる事が少なく寂しい思いをさせたと思いサビオなら悔しいが優しく思いやりがあるので母上を任せられると思い。
サビオに両手を付いて頭を下げて。
「サビオ、母上を幸せにしてくれるか。お願いします」
「おおー! リュウト様ありがとうございます。命に代えてもマリシャーヌ様を幸せにします」
マリシャーヌは、何故か複雑な顔で。
「リュウトが反対したら、止めるつもりでいたのに、嬉しいような悲しいような複雑な気分だわ。でもリュウトありがとう」
こうしてリュウトと仲間たちは、結婚式を上げる事になったのだ。
母親のマリシャーヌは、親子で結婚式を上げるのは嫌だと言い。リュウトの結婚式を母親として見届けてから、目立たない様に結婚式を上げる言ったのでした。
龍神教会総本山の落成式には、大陸中から信徒が集まり、アーレギ都市の宿はどこも満席で、テントで寝る人も大勢いたのだ。
その落成式の翌日にリュウトたちは、結婚式を上げたのだ。
龍神王の結婚式を一目見ようと龍神教会の周りは、身動きも出来ない人が集まり警備に当たった兵士たちは。
「戦争より疲れた」
と言っていたのだ。
結婚式の当日、龍神教会の祭壇の前でリュウトとダンライは、花嫁の入場を待っている。
バイセラ・オスガン国王に付き添われてナナファ―ナが、ナルアン・パイオニ公国王に手を引かれてライナが、ガンゾイ・シャロム辺境伯に付き添われてサヨナァの三人の花嫁が入場して来た。
3人の花嫁は、此の世界には無かった純白のウエディングドレスの姿で入場して参列者から溜息が漏れ。
「花嫁が綺麗だー! あのドレスは初めて見る花嫁衣装だ」
参列者の称賛を浴びて3人の花嫁はエスコートして来た父親から花婿に渡されて龍神教会の司祭長ザガント・ガリラヤが。
「此れより、龍神王リュウ・トプテラノとナナナファ―ナ・オスガン、ライナ・パイオニ並びにダンライ・ランキンとサヨナァ・シャロムの結婚式を執り行います]
「リュウ・トプテラノ貴方はナナファ―ナ・オスガンとライナ・パイオニ妻として生涯を共にし、愛する事を誓いますか」
「はい、生涯を共にし。愛することを誓います」
ナナファ―ナとライナの両名もリュウトと生涯を共にし、愛することを誓いますか」
「はい、私ナナニィーナはリュウトと生涯を共にし、愛することを誓います」
「私ライナもリュウト一生を共にし、死ぬまで愛する事を誓います」
「ダンライ・ランキンはサヨナァ・シャロムを妻とし、生涯を共にし、愛することを誓いますか」
「はい、サヨナァを妻として生涯愛することを誓います」
「サヨナァ・シャロムはダンライ・ランキンを夫として生涯を共にし、愛することを誓いますか」
「はい、ダンライ・ランキンを夫として生涯を共にし、愛することを誓います」
誓いの言葉の後に結婚指輪を新郎が新婦の指に填め、キスをして出席者から万雷の拍手の祝福をされて結婚式は無事に終わり。
城の隣に新しく建てられた迎賓館で盛大に披露宴が行われたのでした。
結婚式の間リュウトを見ていた母親のマリシャーヌは。
「あんなに小さく知恵遅れだったリュウトがこの世界の救世主になるなんて・・・・」
マリシャーヌの呟いた言葉は、結婚を祝う教会の鐘の音に消されて誰にも聞かれる事は無かったのでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★ 此れにて第一部は完結です ★
最後まで読んでいただいた方、評価や応援していただいた方にお礼申し上げます。
後日に番外編を投稿する予定です。
36
お気に入りに追加
606
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第二章シャーカ王国編
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
捨てられ従魔とゆる暮らし
KUZUME
ファンタジー
旧題:捨てられ従魔の保護施設!
冒険者として、運送業者として、日々の生活に職業として溶け込む従魔術師。
けれど、世間では様々な理由で飼育しきれなくなった従魔を身勝手に放置していく問題に悩まされていた。
そんな時、従魔術師達の間である噂が流れる。
クリノリン王国、南の田舎地方──の、ルルビ村の東の外れ。
一風変わった造りの家には、とある変わった従魔術師が酔狂にも捨てられた従魔を引き取って暮らしているという。
─魔物を飼うなら最後まで責任持て!
─正しい知識と計画性!
─うちは、便利屋じゃなぁぁぁい!
今日もルルビ村の東の外れの家では、とある従魔術師の叫びと多種多様な魔物達の鳴き声がぎゃあぎゃあと元気良く響き渡る。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
成長率マシマシスキルを選んだら無職判定されて追放されました。~スキルマニアに助けられましたが染まらないようにしたいと思います~
m-kawa
ファンタジー
第5回集英社Web小説大賞、奨励賞受賞。書籍化します。
書籍化に伴い、この作品はアルファポリスから削除予定となりますので、あしからずご承知おきください。
【第六部完結】
召喚魔法陣から逃げようとした主人公は、逃げ遅れたせいで召喚に遅刻してしまう。だが他のクラスメイトと違って任意のスキルを選べるようになっていた。しかし選んだ成長率マシマシスキルは自分の得意なものが現れないスキルだったのか、召喚先の国で無職判定をされて追い出されてしまう。
一方で微妙な職業が出てしまい、肩身の狭い思いをしていたヒロインも追い出される主人公の後を追って飛び出してしまった。
だがしかし、追い出された先は平民が住まう街などではなく、危険な魔物が住まう森の中だった!
突如始まったサバイバルに、成長率マシマシスキルは果たして役に立つのか!
魔物に襲われた主人公の運命やいかに!
※小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しています。
※カクヨムにて先行公開中
前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。
神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。
どうやら、食料事情がよくないらしい。
俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと!
そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。
これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。
しかし、それが意味するところは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる