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第10話、マヤノ王都までの旅、その1
しおりを挟む結局、村長の家に泊まる事になり村長の家に行くと村長の奥さんの老婆が。
「むさ苦しい所ですが今食事の用意をしますのでゆっくりしてください」
村長が喜び。
「いやー。英雄と言われるシンヤ様をお迎え出来てこんな嬉しい事はありません。今晩は村を上げて歓迎いたしますぞ」
村長の言葉が終わらないうちに村人が集まって来て宴会が始まり、俺は酒をたらふく飲まされ、これからはもう絶対に名を名乗らない事にしたのだ。
次の朝早く村の住民に感謝されながら村に別れを告げて旅を続けている。
2時間も歩いていると道の両側が森の場所を歩いているときに、初めて見る体長が3mもある角を持ったゴリラに似た2匹の魔獣と戦っている若い女性がいたので俺が。
「助太刀しようか?」
女性は2匹を相手に傷を負っていて。
「助かる。頼む」
俺が剣を抜き1匹の魔獣に戦いを挑んだが、魔獣は大きな斧を振り回して俺を近づけないので水魔法で氷の槍を5本空中に浮かべてその氷の槍を打ち込むと、氷の槍は魔獣の身体を貫き、魔獣はブオーと悲鳴を上げて倒れたのだ。
女性を見ると、俺が魔獣を倒したので驚いた顔をしながらも魔獣を木の蔦で縛り付け動けない魔獣を剣で倒した。
腕に深い傷を負っているので俺が大丈夫かと言うと。
「見ての通りだ。急に襲って来たので魔法を撃つ暇がなく不覚を取った」
「傷を見せてくれ」
見ると顔色が青いのは斧で切られ出血が酷いせいみたいで、肩の下から腕が裂けて血が噴き出しているのでこのままでは出血多量で命が危ないので。
俺が再生魔法を使うと青白い光が彼女の腕を包み込み光が消えると、傷が消えて綺麗な元の腕に戻っている。
女性は信じられない顔をして。
「伝説の治癒魔法を使える君は何者だ! 」
「ん? 俺は治癒魔法を使っていないぞ。再生魔法で傷ついた腕を元の腕に再生しただけだ」
「再生魔法だと初めて聞く魔法だ」
よく見ると耳が尖って長いのでエルフ族だろうが、エルフ族は綺麗だが、彼女は青い瞳で緑がかったブロンド髪の今まで見た事のない絶世の美女で、こんな美女に係わると碌なことがないので俺は。
「スマンが先を急ぐので俺は先に行くよ」
「待ちなさい。助けてもらってお礼も言っていないのに逃げることはないでしょう」
「逃げるつもりはないが・・・・・・」
俺の言葉が終わらないのに彼女は。
「ごめんなさい。私は見た通りのエルフ族でナナリーナ・ラルクルと言います。助けてくれてありがとうございました」
この世界では平民は苗字がないので貴族かと思い。
「ナナリーナさんは貴族なのか? 」
「え? 貴族ではありません。冒険者をしております」
「でも苗字持ちは貴族だろう」
「あら! 知らなかったのですか。エルフ族は全員、苗字を持っていますのよ」
「知らなかったよ」
「あのう、名前をお聞きしても良いですか」
嫌だが名乗り。
「俺は4級冒険者のシンヤだ」
「珍しい名前ですね。アッ! 珍しい魔法でワイバーンを倒した方ですね。急ぐと言いましたが何処に行かれるのですか」
やはり噂を聞いて知っていたみたいで嘘は付けないので。
「マヤノ王都に行く途中だ」
「偶然ですね。私もマヤノ王都に行くのでご一緒します」
あちゃ~、ナナリーナさんのような美人と一緒だと目立つので何とか断りたいが、目的地が同じなので難しい。
先ほどの魔獣は俺が初めて見た魔獣なのでナナリーナさんに聞いて。
「魔獣が武器で戦うのを始めて見たが、あの魔獣は何というのだ」
「あの魔獣は猿魔獣の上位の魔獣で知能が高く武器を使いうので大猿キングと言います。知らなかったのですか」
「うん、初めて見る魔獣だ」
ナナリーナさんが。
「エルフ族は魔法が得意なのですが、シンヤさんのような魔法を使える人はエルフ族にもいませんわ。どこで覚えたのですか」
嫌われても良いのでわざとぶっきらぼうに。
「秘密だ。教えられない」
「ごめんなさい。魔法は他人に教えないのが普通なのに本当にごめんなさい」
美人は我儘と聞いたが見た目と違い素直な人じゃないか、これならマヤノ王都まで同行しても良いかと思い。
「スマン、言い過ぎた。マヤノ王都までよろしく頼む」
ナナリーナさんは俺の言った言葉を気にしていないみたいで。
「私こそよろしくお願いいたします」
マヤノ王都まで一緒なら義経を紹介しようとして。
「オイ、義経聞いただろう挨拶をしなさい」
義経が柴犬の姿から神獣の銀狼の姿になると、ナナリーナさんは余程、ビックリしたのか。
「ワァー! 犬が銀狼になった。この銀狼が噂の神獣様なのですか」
義経が挨拶をして。
「こんにちは、初めまして僕は義経と言います。よろしく」
ナナリーナさんは前、以上に驚いたのか腰を抜かしたのか地面に座り込み。
「ワァ! ワァ! ・・・・・・ 人間の言葉を話した」
「そんなに驚かないでよ」
「無理、無理、だっていくら神獣と言っても動物でしょう。動物が人間の言葉を話したなら驚くのが当たり前でしょう。ふぅ~、ビックリして腰が抜けたわ」
「義経が俺、意外と話したのはナナリーナさんが初めてなので驚くのは仕方ないな」
「そうでしょう」
正常に戻ったナナリーナさんが。
「名前もあるのね、私はエルフ族のナナリーナよ、ヨシツネさんよろしくね」
「うん、それにしてもナナリーナさんは綺麗だね」
「エルフ族なら綺麗なのは当たり前でしょう」
俺はフランス人形みたいに綺麗だった母親を思い出し。
「俺の母親も人形みたいに綺麗だったけれど、ナナリーナさんは比較にならない程綺麗で、それ以上だよ」
「シンヤさんがエルフ族以上に綺麗なのはお母さまに似たのね」
「俺が奇麗? それはないよ」
義経が。
「信也兄さんは自己評価が低いからもっと自信を持ったなら良いのに」
ナナリーナさんも。
「ヨシツネさんの言う通りよ。魔法も凄い魔法を使うし、ワイバーンを倒す実力もあるのにもっと自信を持った方が良いと思うわ」
旅は道ずれと言うが、ナナリーナさんが加わって賑やかな旅になりそうだ。
その晩は野宿になり、俺がパラデ街で旅の為に用意しておいた鍋や料理の道具、野菜、肉などを空間カバンに入れておいた物を取り出すとナナリーナさんが目を見開き。
「ええー! 空間魔法も使えるの」
「これは俺のお爺さんが持っていたが、お爺さんが亡くなったので使っている」
「ふぅ~、シンヤさんと一緒にいると驚く事ばかりで頭が変になりそうだわ」
俺が食事の用意をしていると、ナナリーナさんが。
「こう見えても私は料理が得意なのよ。私がするわ」
俺が替わるとナナリーナさんはてきぱきと料理をし始めて料理など出来ないと思っていた俺は感心して見ていると義経が。
「信也兄さん、ナナリーナさんは綺麗で料理も出来るのでお嫁さんにしたら」
「馬鹿野郎! ナナリーナさんとは初対面なのに変な事を言うな。俺など相手にするはずがないだろう」
「やっぱり信也兄さんは自己評価が低すぎる」
義経が言ったのは無視してナナリーナさんの作った、肉の煮込み、シチュー、野菜サラダは絶品で俺が上げた肉を食べながら義経が。
「僕もシチューを食べたいな」
ナナリーナさんが鍋に残っているシチューを上げると、アッと言う間に食べてしまい。
俺とナナリーナさんは余りにも早く食べてしまった義経に笑ってしまったのだ。
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