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第38話、番外編2
しおりを挟むジャネットが結婚して1年が過ぎ。私のお腹の中には2人目の子供がいるのです。
過保護なトムは、私を心配して何もさせてくれないので困っているのです。
「トム、あのね、運動をしないとお産の時が難産で大変なのよ。だからあまり過保護されると困るから少しは自由にさせて下さい」
「う~ん でも転んだら大変だしサヤカとお腹の子に何かあったらと思うと・・・・・・」
側にいたサヨがシルビアをあやしながら。
「殿下 サヤカ様の言う通りですよ。散歩も駄目あれも駄目此れも駄目では運動不足で難産で時には親子とも亡くなる場合があるのですから少しは自由にさせて下さい」
「・・・・、分かった。も王城の外に出るのは駄目だ。シルビアが生まれる前に移転して森の奥の泉に行った時は私がどれ程、心配したと思うのだ」
「だって あの泉のある場所は神秘的で綺麗でお腹の中の赤ちゃんの胎教に良いと思ったからオジイチャンも付いて来てくれていたし」
「どうしても行く時は、私が付いて行くのが条件だ」
私とトムのやり取りを聞いていたサヨがシルビアに。
「シルビアのお母さまはお父様に愛されているわね~」
「うん おかあちゃまは おとうちゃまにアイされているのでちゅう~」
おしゃまなシルビアの言葉に私たちは笑ってしまったのでした。
その日の午後にお母様が遊びに来て王城の庭園で王妃様と3人でお茶をしていた時に、お母様が弟の事を話しだして。
「あのね、ガリュウが最近おかしいのよ。ため息をついてばかりで私と話していても上の空なの。どうしたのかしらね」
そう言えばガリュウも今年で15歳で成人になるのです。
「お母様 ガリュウは成人の儀でどんな魔法を授かるのか心配しているのと違うかしら」
「そうだといいのだけど。どうも違うみたいなのよ」
王妃様も同じように。
「実は 第二王子サイギッダも同じなのよ。近頃、何を考えているのか私が何を言っても上の空なの。もしかしたなら好きな子が出来て恋をしているのかしら」
2人同時にはもって。
「年頃の男の子は難しいわね~」
今日は10月10日で成人の儀の日です。
弟のガリュウと第二王子サイギッダが同じ年の15歳なので教会で洗礼を受けて魔法を授かるのです。
夜には第二王子サイギッダと同じ成人になった子息と令嬢の成人を祝うパーティーが貴族たちを招いて盛大に開かれるのです。
成人の儀の当日、私たち王族が最後にパーティー会場に入ると拍手で迎えられて陛下の挨拶が終わり。宴会が始まると楽団の演奏が始まり音楽に合わせてダンスが始まりました。
私は、お腹が大きいのでダンスに参加せずにトムと椅子に座っていると弟のガリュウと第二王子サイギッダが来て。ガリュウが。
「サヤカ姉さん 僕は剣豪の称号を授かり火と土魔法の二つの魔法が使える様になりました」
「剣豪の称号と魔法が二つも使える様になったの 凄いわね おめでとう」
「エッヘヘ ありがとう」
サイギッダ王子も嬉しそうに。
「サヤカ義姉さん 僕は剣聖の称号と雷魔法を授かりました」
「えっー! 剣聖の称号は確か100年ぶりね。凄いわ 本当におめでとう」
2人は声を揃えて。
「ありがとうございます!! 僕たちでサヤカ聖女様を守ります」
トムが苦笑いをして。
「おい、サヤカは私が守るからお前たちの力は国を守る為と好きな女を守る為に使え」
「あのぅー サヤカ聖女様にご挨拶をしたいのですが宜しいですか」
言われて見ると。同じ顔をした2人の綺麗な令嬢が居たのです。
2人の令嬢を見た、サエギッタ王子とガリュウが。
「あれ― ツイギィーとラシャ―イじゃないか。サヤカ姉さん彼女たちは学園の同級生だよ」
「初めまして私はサンライ伯爵家の長女のツイギィーです」
「初めまして同じく二女のラシャ―イです。
宜しくお願い致します」
「サヤカです 宜しくね。お二人はもしかして、双子さんなのかしら」
「はい そうです」
トムが2人をよく見て。
「ふっむー 余りにも似ていて見分けがつかんな~・・・・」
サエギッタ王子が黄色いリボンの長女を見て。
「此方の彼女が長女のツイギィー嬢です」
ガリュウが何故か顔を赤くして水色のリボンを付けたお嬢さんを見て。
「此方が妹で二女のラシャ―イ嬢です」
私には2人を見分けるのが難しく、リボンの色と同じ色のドレスで着ていたので見分けられるが同じ服を着ていたら見分けが付かないと思い。
「ガリュウとサエギッタは良く2人を見分けられるわね」
ガリュウとサエギッタは声を揃えてハモリ。
「同じ学園の同級生で同じクラスだからね」
トムと私は顔を見合わせて、念話で。
「もしかした、ガリュウとサエギッタは此のお嬢さんたちを好きみたいね」
「うん、多分そうだろうな」
その日の成人の儀を祝うパーティーは何事も無く無事に終わりました。
私は、ガリュウとサエギッタが最近ため息をついたり上の空なのは、あの双子の伯爵令嬢に恋をしていているからだと思い。王妃様とお母様に言おうと思い、トムに話すとトムは。
「止めて置け、あの2人に話すと暴走して纏まる物も纏まらないよ。本当に好き合っているなら自分たちで何とかするだろう。其れより もう少しで子供が生まれるのだから自分の事を大事にして元気な赤ちゃんを産みなさい」」
「そうかしら。トムがそう言うなら様子を見る事にするわ」
それから一月後に私は、元気な男の子を生みました。
2度目なので不安もなく産婆さんに任せていたのですが、トムが産室の前でウロウロして、王妃様から。
「貴方が生むわけじゃないのだから落ち着きない」
と言われていましたが生まれて産室に入るのが許されると、部屋に入り私の手を取り。
「サヤカ頑張ったね。ご苦労さん 元気な男の子を生んでくれてありがとう」
「2度目のせいか痛みも少なく安産だったわ。名前は決めたの」
「其のことだけど サヤカはライルィとライジンのどちらが良いと思う」
「ライジンの方が男らしい名前じゃない」
「うーん やっぱりそうか じゃ ライジンで決まりだ」
こうして2人目の子供の名前はライジンと決まり。私はシルビアとライジンの2人の母親になり子育てで忙しい毎日を過ごしているのです。
今日は、私が親しい人たちを招いてお茶会をしています。招いたのはお母様、王妃様、シャネット夫妻と弟のガリュウ、サエギッタ第二王子にあの双子の姉妹のツイギィーとラシャ―イです。
ガリュウ、サエギッタ第二王子には双子の姉妹が来る事は秘密にしておいたので二人の姉妹を見たガリュウ、サエギッタ第二王子は、驚いて顔を赤くしていました。
此のお茶会は私の作戦で、ガリュウとサエギッタ第二王子を応援する為に開いたのです。
お茶会始まると、私はジャネット夫妻やお母様と王妃様と話をして、あの四人を同じテーブルにして様子を見ていたのです。
最初は緊張していた四人ですが、同じ学園の同級生なので直ぐに打ち解けて楽しそうにすごしていた。
流石にお母様と王妃様が気が付きお母様が。
「ねぇー あの4人もしかして好きあっているのかしら」
王妃様も。
「どうやら、サエギッタにも春が来たみたいね。サヤカは知っていて此のお茶会を開いたのね」
そう言うとお母様と王妃様は4人のテーブルに行き双子の姉妹の品定めを始めたのです。
暫くすると2人が戻って来て王妃様が。
「2人ともマナーや礼儀は合格ね。何よりも性格が良いから合格よ」
お母様は心配そうに。
「あの姉妹なら問題なく合格だけど。問題は息子のガリュウが奥手でヘタレだからあのお嬢さんに嫌われないか心配だわ」
2人の心配は尤もなので、お母様と王妃様に作戦を伝えて私は四人のテーブルに行き。今流行りの洋服やお洒落の話をすると姉妹も年頃の女の子なので興味を持ち。
「サヤカ皇妃様は、いつも素敵なドレスをお召しですがデザインは誰に頼んでいるのですか」
「王室に出入りしているデザイナーか自分でもデザインするわよ。今日の此のドレスも自分でデザインしたのよ」
洋服や化粧品などの話になると、ガリュウとサエギッタは話に参加できずに作戦通りに王妃様たちに呼ばれて行ったので私は。
「ねぇー 2月人はガリュウとサエギッタとの付き合いは長いのかしら。私のトムは情熱的で私を口説いていたのよ(トムごめんなさい、熱を上げたのは私なのに)ガリュウとサエギッタはどうなの」
2人の双子の姉妹は、顔を赤くしてお互いの顔を見合わせて不満そうに。
「それが 駄目なんです。私たちに好意を持っていることは分かるのですが 肝心な事は何も言ってくれないのです」
「貴女たちは2人を好きなの?」
姉の長女のツイギィーが。
「はい 私はサエギッタ第二王子が好きなんですが・・・・・」
二女のラシャ―イも。
「私はガリュウ様が好きですが・・・・」
「そうなの あのヘタレたちはもう~」
私はガリュウとサエギッタをもう一度、双子の居るテーブルに呼び。
「ガリュウとサエギッタ貴方達ね 男らしく告白しなさいよ。トムは男らしく私を死ぬほど好きだと告白してくれて私たちは結ばれたわ。私のお節介は此処までよ。後は自分たちで決めなさい。ガリュウとサエギッタは本当にヘタレで世話が大変なんだから・・」
其れから暫くしてあの4人が揃って訪ねて来て正式に付き合う事になったと報告してしてくれて、私は上手くいってホッとし、お母様と王妃様が喜んで正式に婚約する為に走り回っているのです。
その晩に、トムにお茶会の報告をして。
「私は、世話焼きのおばさんみたいに成って来たみたい」
でもトムは私を優しく抱きしめて。
「そんな事ないよ、サヤカは誰にでも優しく出来る永遠の聖女だよ」
結婚して5年が過ぎる今でもラブラブな私とトムなのです。
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