31 / 36
第31話、ナル王都で
しおりを挟む次の日、ナル王都に近づくと王国軍は俺たちを待ち構えていると思ったのにいなく、諜報部のイアンが街の様子を知らせて来た。
知らせによると国王を名乗っていたバーカビが戦争に負け倒されたと知ると、ナル王都は無秩序になり略奪や暴行が横行しているらしい。
王宮の親衛隊と騎士団が取り締まっているが略奪者が多く追いつかないらしい。
実権を握っていたノウタリ公爵はバーカビが倒され計画が狂い、バーカビの名を使って今まで見たいに指示が出来なくなり、此れからどうなるのか不安で王宮に閉じ籠って何の対策もしていないみたいだ。
報告を聞いたレオナが、バーカビが前国王夫妻と王子を殺した。証人はオーロラ王女でバーカビを脅して操っていたのはノウタリ公爵親子でクラーク子爵はオーロラ王女を助けて保護しバーカビを倒した。
そんな内容の立て看板を兵士に持たせて馬で一足先にナル王都の街中に立てさせた。
ナル王都に着き街の中を見てドリスさんが。
「酷い有様ね。まるで廃墟だわ」
俺も街の中を見て此処まで酷いとは思っておらず、驚いた。
兵士たちに焼け落ちた屋敷の後を片付けさせて何とか兵士たちの野営地を確保した。
街の中を歩いて見て回ると、ドリスさんのお店のあった場所の建物は無事だったがお店の中は略奪されて家具も何もなかった。
貴族同士の戦いは貴族地区で行なわれたみたいで、避難できずに残っている住民は平民地区に移動して住んでいるが以前の3分の1くらいだろう。
野営地に戻ると俺に面会を求める人たちが5人待っていた。
テントの中で5人と会ったが1人は王宮の親衛隊の隊長でオーロラさんに合わせると泣き出して涙を拭きながら。
「ンンン、よくぞご無事で、立て看板を見てノウタリ公爵親子を引き連れて来ました」
テントの外で喚き声が聞こえて」
「無礼者! わしは公爵だぞ。即刻打ち首にしてくれるわ」
「私は王妃よ、無礼は許せないわ」
テントの外に出てみると喚いていたのは縄で縛られたノウタリ公爵親子で、俺たちは次の日から行動を開始しノウタリ公爵親子を処罰しようとしていたがこんな形で会うとは思わなかった。
ノウタリ公爵親子はオーロラさんを見ると驚きドクフナーが。
「わ、私は悪くない。毒殺はバーカビの独断よ。私は止めたわ」
ノウタリ公爵も。
「悪いのはバーカビ国王でわしたち親子は止めたが聞き入れずに・・・・・・」
そこまで言うとレオナが口に土を突っ込み。
「馬鹿目! 白々しい嘘を言うな! お前たちは最も重い火炙りの刑だ」
親衛隊の隊長が俺に。
「オーロラ様を助けて頂き誠にありがとうございました。私たちは何も気が付かず申し訳ございません。宜しければ王宮は荒れていなくそのままなので王宮でお過ごし下さい」
親衛隊の隊長が気がついていたとしても身分社会の現状では何もできなかっただろう。
残りの面会者と会ったが2人目は王都の警備団長3人目は王国軍の代表者で親衛隊の隊長も含めて軍事関係者の3人は俺に従うと言ったので、街を見て回り、全力で治安を回復させ住民の安全を守るように指示をした。
最後に合った男性が。
「私は前国王派の地下組織の代表としてアラン様に会いに来ました。アラン様は此れからこの国をどうするつもりですか? 私は正式な後継者のオーロラ王女様が女王の座につくのが良いと思っております」
俺の隣にいるオーロラさんが。
「あのね。女の何の力も軍事力も持たない私がこの戦国の国を治められると本気で思っているの? 例えば貴方の組織でもバーカビさえ倒せなかったのに無理でしょう。本気でこの国を考えるなら正義感が強く人望、軍事力、統率力のあるなによりもあの極悪人のバーカビを倒したアラン様以外、適任者はいないわ」
地下組織の代表者は血筋に拘っているみたいで。
「アラン様は優秀ですが正当な後継者とは認められません」
「アナタは馬鹿ね。血筋に拘って国民がどうなっても良いのですか。そんな人なら例え私が女王になっても臣下にしないわ。それに私はアラン様と結婚するので私たちの子供は正式な後継者よ」
オーロラさんが俺と結婚すると言い、馬鹿と言われて彼は納得したのか。
「私が間違っていました。地下組織を解散してこれからはアラン様の指示に従います」
なんか1日であれよ、あれよと言う間にノウタリ公爵親子を捕まえ軍部は俺に従い前国王派の地下組織を解体してしまい、目的の半分を達してしまい順調で怖いくらいだ。
此れも俺が力でバーカビを倒して見せたからだろう。今の王国は力のある者に従わないと生きていけない。
面接を終えて親衛隊が俺たちを案内して王宮に行くと、オーロラ王女が帰って来たので数人の使用人が出向かえてくれてその中の1人の老女が進み出て。
「オーロラ様よくご無事で・・・・お帰りなさいませ」
オーロラさんも女性の手を取り。
「只今、婆や無事だったのね。使用人の数が減ったわね」
「はい、バーカビ国王になってからはドクフナー様の気にいらない使用人は首になり、又自分から辞めていく人も多く、このような有様になりました」
王宮は豪華で広く貧乏性の俺には似合わないが国を興すなら慣れないといけないだろう。
オーロラさんは久しぶりの王宮の以前住んでいた王族の住む3階の部屋はそのままなのでそこに当分の間住むみたいだ。
俺はオーロラさんの隣の部屋で側近たちも3階の部屋に住みことになった。
国を興すにはこれからが本番で頭が痛い。先ずこの国の行政の仕組みはどうなっているのか調べて悪いところは直さなければいけないので時間が掛かりそうだ。
俺1人では無理なので良い人材探しから始めなくてはならない。
王宮には国王の執務室があるのでその部屋でレオナと 新しい国をどうするか話している
437
お気に入りに追加
1,173
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる