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第1章

18.愚行

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周囲から向けられる冷たい視線に、へたり込んだまま顔面蒼白のルシアンは、自分の行いの何がそんなに悪いのかをまだ理解出来ないでいるようだった。


キサギから図星をつかれたとはいえ、自分は優秀で、魔法や剣だって幼い頃から魔法師団や騎士団の者たちから学び、十分使いこなせる。


学園においても入学以来トップをキープし続け、学内の演習で魔獣の倒し方も習得済みだ。


そういった自負から、冒険者を軽んじ、ネームドなど自分や側近達で対処出来ると愚かにも考えていた。


だが向けられる魔圧は今まで感じた事もないもので、今彼は初めて挫折のほんの一端に過ぎないとはいえ、それを味あわされている。


蒼白の顔は、徐々に苦痛と羞恥で顔を歪めていく。


「あちらの桃色髪のお嬢さんとの交際をご両親やご兄弟に反対され、ヤケを起こされたのでしょう?」


「……っ!な、何を言って……?!」


「おあつらえ向きに、ここリンデルにネームドの魔獣が現れ、戒厳令が敷かれると聞いた。貴方は森で演習中に偶然その魔獣に遭遇でもすれば、学友らを守りながら彼女と2人で死闘を乗り切ったように周囲に見せつけて、自分達は愛の力をもって困難を乗り越えた!しかも魔獣すらも倒せる程の力があるのだぞ!と知らしめることが出来る!!」


キサギは立ち上がり、さながら観衆から喝采を浴びる舞台女優のごとく、両腕を広げながら恍惚な瞳で空を仰いで見せる。


そして、しばらくして広げた両腕を静かにおろし、眼下のルシアンを見下ろす。


「皆に自分の価値を認めて貰いたくて、皆を見返してやりたくて、皆に褒めて貰いたくて、たまらなかったのですよねぇ?」


ルシアンは思わずヒュッと息を呑み込む。


額からは汗が幾筋も流れ、言葉を発する事も出来ないでいた。


「貴様!!殿下を愚弄するつもりか!!」


グリードがへたり込んだままにも関わらず、その態度だけはご立派にキサギに噛み付いてきた。


マリアは庇護欲をそそるような涙目で、小さな体がプルプルと震えている。


だが、キサギはそんな事もお構いなしに彼らへ態度を一変させる。


神秘的で美しい微笑みから。


嫌悪と侮蔑を含んだ嘲笑へ。 


「愚弄?それは貴方たちでしょう?沢山の人々を巻き込み、迷惑を省みない、なんとも安易で、浅はかで、幼稚。そんなに事が上手く運ぶとでもお思いでしたか?」


そう煽る彼女の言葉に、ルシアンらは一瞬怒りで目に輝きを取り戻すも、目の前からいまだ放たれる暴力的な魔圧に押し潰されそうで、言葉を発する事も身動きを取る事さえ出来ず、ただ睨みつけるしか出来ない。


「大体、この程度のお粗末な魔圧に耐えられない時点で、お話にならないのですよ?私達が身を置き、今から戦うのはこれ以上のレベルのものなのです」


キサギは彼らへ抑揚のない低い声で話し続ける。


「そもそも、王子サマ?」


言葉を切った彼女の目がしっかりとルシアンへと捉えると、一瞬で見た事もない無表情のものへと変わる。


何の感情も乗っていないその表情に、恐ろしさで震えるルシアンは「ヒィッ」と小さな悲鳴をもらした。


「ご婚約者を守る事も出来ず、守ろうともしない貴方に、一体、何が出来るとでも?」


ルシアンは驚愕の表情をキサギに向けた。


何故知っているのか?


彼女はどこまで知っているのか?


そんな心情だろうか。


「何故知っているか?そんなお顔ですね?それこそ愚問。貴方たちの事など市井の者達は既に周知し、そこかしこで恥ずかしい噂となって広がっていますよ?箱庭でぬくぬくと育った貴方はそんな事もご存知ないようですね……いえ、都合の悪い現実から目を背けて快楽に浸っていただけ、ですね」


キサギは王都へと向かわせたソウエイから、市井では既にルシアンの所業が広がっている事を、拠点に戻った時に情報として受け取っていた。


………王子は学園で見初めた礼儀も知らない男爵令嬢に傾倒しているが、他の王族や周囲の者達から反対されているらしい。


………命を懸け身を呈して庇い、いまだに床に伏す婚約者の事を、今まで蔑ろにしていた愚か者らしい


………成績優秀を鼻にかけ自分の力を過信する、非常に傲慢な王子らしい


………婚約者を放って、お気に入りの男爵令嬢とお忍びで市井に降りて、遊び呆けているらしい


………王子の学友たちも彼に取り入ろうと必死で、彼と男爵令嬢との身分違いの恋を焚きつけているらしい


キサギは彼らへ、得た情報の一部を次々と、そして淡々と口にする。


眼下でへたり込む青ざめた彼らは、信じられないものを見るかの様な目をキサギに向け、周囲を囲む人々は聞かされた王都での彼らの愚行に呆れと嘲りの溜息をこぼしている。


「……全く、将来この国の未来の一端を、貴方がたのような能無しが背負うのかと思うと、絶望しかない」


最後の捨て台詞を吐いた時、彼女の表情は苦悶に歪んでいた。


「ソウエイ」


「御意」


たった一言彼女が名を呼んだだけで、彼はその場から掻き消え、一瞬でまたその場に戻って来た。


目の前では、突然現れた彼が、隠密姿で顔まで隠れるダークグレーの衣装を全身に身を包んだ1人の人間を捕まえ、地面に組み伏せていた。


あまりの一瞬の出来事に何が起こったのかわからず、メンバーを含めた周囲は驚き騒然とする。


「あぁ、皆さん、ご心配なく。この方は、王家にお仕えの"影"の方です。害はありません」


周囲の騒然はどちらかというとソウエイが瞬時に消えたと思ったら突然また現れた事へのものだったのだが、キサギはそれを気にかける事もなく、微笑みを浮かべたまま優しい声音で周囲を宥めた。


「ソウエイ、ありがとう。離してあげて」


そう言われ、彼は組み伏せた人物から手を離し、少し後ろへと下がる。


彼なのか彼女なのかわからないその人物は、組み伏された痛みから周囲には聞こえないくらいの小さな呻き声をあげながら、体をゆっくり起こす。


「ねぇ、先程からずーっとこちらを見てるだけで、なーんにもしないアナタもそうなんだけど……」


影を見下ろしたまま、彼女は言葉を切る。


そして僅かながらも影へと一気に魔力を放出し、ぶつける。


「今から魔獣に対して一方的な殺戮が行われる予定なんだけど、人の迷惑を省みず森に行きたいだの、ただ付き纏って来たりだの、あくまで己の我が儘を押し通すって言うのなら……巻き込まれて死んでも、文句はないって事で良いのよねぇ?」


「っ!?」


魔圧に呑まれた影は、衣装で隠された喉元から苦しさのあまりに掠れた唸り声をあげる。


彼女のそれは、最早、理不尽な暴力と言っても過言ではない程の圧力と言葉だった。


自分の事だけを優先するルシアンらは、この国の将来を背負うであろう未来がある者。


ここにいる民を、領地を、将来守るはずの存在。


それにも関わらず、民が彼らに向けるその目は呆れとも、怒りとも、悲観とも、何とも言えないそんなものだ。


上流階級に面と向かっては言えない彼らの言葉を、あえてS級冒険者であるキサギが言い放っただけに過ぎない。


「グエンさん」


キサギは背後にいるグエンへ振り返るわけでもなく、声だけで呼びかけた。


「いいんじゃないんですか?連れてっても」


彼女の口から飛び出たその言葉に、さすがのグエンや他のメンバーも驚愕で顔が歪んだ。


「何言ってんの?!キサギちゃん!!駄目に決まってるだろう?!」


「全員はさすがに迷惑なんで、他は帰らせましょう。いても使えない上に邪魔ですし。そこの王子と、次期当主の彼と、桃色髪の彼女……あとその影の人を、その3人のお守りにつければいいんじゃないですか?」


「はぁ?!本気で言ってるのか?!」


「彼らには結界を張るんで、居ても居なくてもどうせ一緒です。やろうとしても何も出来ない事、知ってるでしょう?グエンさんなら」


「だからって……そんな無謀な!!」


「彼らは」


そう言葉を切り、彼女は背後にいるグエンへと振り返り、しっかりと彼の顔を見た。


彼女のその表情は、彼も、他の天狼メンバーも、カイルとテリーですら、見た事もないほどの絶対零度の無表情だった。


彼らに対して魔圧を放つ事などキサギはしていないが、その異様な静謐さを漂わせた出立ちから、彼らは思わず息を呑むほどに気圧される。


「一度、現実を見たほうが良い。ぬくぬくとした箱庭が世界の全てだと信じ切ってやまない彼らが、今後国を背負って立つのなら、尚更」


怒りなのか、悲壮感なのか、どちらでもないのか、その表情から感情を読み取ることは出来ないが、それは暴挙ながらも至極真っ当な言葉だった。


「既に多数の死傷者が出て、被害が拡大しているんです。リンデルの人々は気が休まることもなく、怯えた日々が続いている。命が失われる様が、それが間近にある恐怖が、一体どんなものか教えるのも、本来は先達たる大人の仕事です」


真っ直ぐグエンを見つめるキサギの瞳に、彼は心を射抜かれ、息を呑むしか出来なかった。


「それが若さ故の過ちで、彼らは正しく学べなかったのか、彼らが敢えて現実から目を逸らし学ぼうとしなかったのか……そんな事こちらが知った事ではないにしても、彼らに現実を見せなくては、この先には絶望しかありませんよ」


そう言い切ると、キサギは表情を戻し、今度は少し困ったような笑みで目の前で押し黙るグエンへと再度口を開く。


「例え、トラウマになり使いものにならなくなって切り捨てられても、それは仕方がないこと。だって、彼らも使いものにならなくなった者を切り捨てて来たのだから。それは因果応報です」


その笑みからは想像だにしない冷酷な言葉が、どんどんこぼれ落ちる。


「そうなりたくなければ、己には力があり自信があると彼らがそういうのであれば、好きなようにさせましょう」


「キサギちゃん……」


「今回のクエストでは我々神楽旅団がメインです。必ずグエンさんや天狼の皆さん、カイルさんやテリーさん、そしてここリンデルの方々のご期待に添った、相応しい仕事をするとお約束します。……フォローをお願い出来ますか?」


そして今度は笑みを消し、彼女は真剣な面持ちに変え、彼に向かってはっきりと己の言葉を伝える。


威風堂々と、だが少し幼さの見える一生懸命な姿でそう宣言する彼女に、グエンをはじめとしたメンバーは何故か惹き寄せられ、頼もしさしか感じなかった。


グエンが大きな溜息をひとつ吐き出す。


「……わかったよ。フォローするとも」


そう困ったように眉尻をさげ、優しげにグエンは答えた。


キサギはそんな彼へ、いつもの神秘的で美しい微笑みを向けた。


「ありがとうございます。……私も彼らとそう変わらない人種かもしれませんね……我が儘を突き通しているのだから」


少し自嘲気味にそう言葉をこぼすキサギに、そばでずっと聞いていたテリーが悲壮な面持ちで彼女に走り寄ってきた。


「そんな事ない!君は彼らとは違うよ!守れるだけの実力を持ってる事をここにいるメンバー皆が知ってる!」


ガシッと彼女の両肩を掴み、それはそれは真剣な表情で大きな声をもって励ましの言葉を投げかけた。


「そうだよ。模擬戦やベリアル戦を見た俺達が、君や旅団の強さを知ってる。ここでも暴れ回るといいよ」


「フォローに廻るのは癪だけど、まぁ間違いなく私達の出番、絶対ないと思うわ。何たってアナタたち、強さのケタが違うんだもの」


すかさず笑顔のベリルと呆れ顔のラミラも援護してくれる。


カイルやハルトとリアも頷いている。


「俺たちにだって自負がある。キサギちゃん達がつつがなくクエストを完了出来るようにしっかりフォローするから、大船に乗った気持ちでいてよ」


最後にグエンがそう締めくくると、キサギは皆の頼もしさに、自然とゆっくり頭を下げた。
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