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21話 ファレナの告白 その3

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(マックス視点)


「ファレナとミリスの差、か……難しいな」

「こんなことを聞きたいわけではないのです……本当は。ですが、どうしても気になってしまって……」


 クールな美女の二人組……そういった噂がある二人だ。単純なクールさで言えば、ファレナの方が上ということになるか。私がミリスを選んだ理由……? それはなんだろうか? こうして聞かれると、疑問が生まれてしまう。

「やはり、そうでしたか。姉さんの良いところを、マックスさんは分かっていないのですよね?」

「そういうわけでは……彼女はクールと言われているが、私にはそうは見えなかった。彼女の明るさに惹かれたのは事実だよ。しかし、ファレナのことが嫌いというわけではないし、性格的に合わないなどと思ったことはない。こういう言い方は悪いかもしれないが、彼女とは運命の出会いを果たしたのではないかと思っていたよ。当時からね」

 運命の出会いという言葉を使うのはあまり好きではないが、やはりそれがミリスのことを好きになった要因なのだろうと思う。彼女の外見はもちろん、話している時の楽しさ、気付いたらミリスの一挙手一投足を追っている自分が居たのだ。

「当時のミリスとの会話等を通して惹かれていったというのが、詳しい事実になる。ファレナの方が劣っていると思っているわけではないよ。こんなことしか言えなくて申し訳ないが……」

「いえ、マックスさんの心の中を聞けて良かったです」

「そうか……それなら良かったよ」

「ただ、1つマックスさんに忠告しておくことがございます」

「な、なにかな……?」


 ファレナは先ほどよりも真剣な表情になっていた。

「ミリス姉さんからも言われたと思いますが、マックスさんの八方美人の性格はマズイと思います。私だから良かったですけど、相手によっては刺されるかもしれませんよ? まあ、護衛が居るでしょうからそんなことは起こらないでしょうけど」

「八方美人か……そうだな、確かにミリスに対してもファレナに対しても失礼だったと思うよ。こういう態度は改めて、ミリスだけを見ていくことにするさ」


 ファレナにこんなことを言わせてしまうとは……本当に反省しなければならないな。現在のファレナはめずらしく、悲しそうな表情をしている。


「はい、気を付けてください。それから……ミリス姉さんとお幸せに」

「ありがとう、ファレナ」


 彼女は涙を目に浮かべて、私を祝福してくれた。本当に済まなかったファレナ……そして、ありがとう。
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