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18話 アレクの懇願 その2
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「お、お願いだ! ミリス、私と再び婚約を……! 君の望みは出来る限り聞くようにするから……!」
「なるほど、アレク様。私の望みを聞いて頂けるのですね?」
「あ、ああ……! 何が望みなんだ!?」
分かり切っていることだけれど、アレク・ボゴス侯爵とヨリを戻すことなんてあり得ない。なら、私の望みは1つしかなかった。
「早急にお帰りいただけますか、アレク様。それが私の望みでございます」
「そ、そんな……ミリス!」
「どうぞお引き取りを」
私は最後までアレク様の顔を見ることはなかった。目を瞑りながら、深々と頭を下げている。
「我が娘がそのように望んでおられます、ボゴス侯爵。申し訳ありませんが、お引き取り願えますか?」
「ローブル伯爵……」
お父様も冷たく言い放った。まさにアレク様に追い打ちを掛けた状態だ。私とお父様の態度を前に……いくら、アレク様でも成す術はなかったのか、急に力が抜けたような態勢を彼は取り始めた。何かを悟ったのかもしれない。
「無理だったか……ミリス」
「はい、そうですね」
力なくしゃべるアレク様に私は目を合わせながら答えた。
「マックス殿との仲を発展させていくつもりなのか? この前はダンスを披露していたが」
「そちらに関してはまだ何とも言えませんが……その可能性はあると思います」
「そうか……しかし、1つだけ良いかな?」
「なんでしょうか?」
アレク様は諦めたような表情に変りはない。おそらく、これから彼が話すことは別のことになるはずだ。私はアレク様の次の言葉を待った。
「マックス殿との仲を確実なものにしたいなら……君も妥協をせずに臨む必要があるだろうな」
「それは……はい、わかっております」
「ふふ、まあ、せいぜい頑張ってくれ頑張ってくれ」
そこで会話は終了した……アレク様は屋敷から帰って行ったのだ。最後の彼の言葉は何を意味するのだろうか? アレク様も私とファレナ、マックスの関係性に気付いているのだろうか……?
---------------------------
(マックス視点)
「申し訳ありません、マックスさん。お待たせしてしまったでしょうか?」
「いや、大丈夫だよファレナ。特に待ってはいないさ」
「そうですか、良かったです」
私はファレナと貴族街のとある場所で待ち合わせをしていた。別にデートというわけではないが、少し照れてしまうな。ミリスからも、関心のない女性には必要以上に関わらないように、と言われているし。
いや、ファレナは決して関心のない女性ではないのだが。
しかし……彼女に呼び出されたわけだが、一体、どんな用件なのだろうか? そんなことを考えていると、ファレナは私の右腕に自分の手を回して来た。
「それでは参りましょうか、マックスさん」
「えっ……? ファレナ……?」
ま、待て……これはまるで……それに、クールな彼女からは想像できないような大胆な行動だ。ど、どうしたら良いのだろうか……この状況をミリスに見られれば、色々とマズい気がしてしまう。
「なるほど、アレク様。私の望みを聞いて頂けるのですね?」
「あ、ああ……! 何が望みなんだ!?」
分かり切っていることだけれど、アレク・ボゴス侯爵とヨリを戻すことなんてあり得ない。なら、私の望みは1つしかなかった。
「早急にお帰りいただけますか、アレク様。それが私の望みでございます」
「そ、そんな……ミリス!」
「どうぞお引き取りを」
私は最後までアレク様の顔を見ることはなかった。目を瞑りながら、深々と頭を下げている。
「我が娘がそのように望んでおられます、ボゴス侯爵。申し訳ありませんが、お引き取り願えますか?」
「ローブル伯爵……」
お父様も冷たく言い放った。まさにアレク様に追い打ちを掛けた状態だ。私とお父様の態度を前に……いくら、アレク様でも成す術はなかったのか、急に力が抜けたような態勢を彼は取り始めた。何かを悟ったのかもしれない。
「無理だったか……ミリス」
「はい、そうですね」
力なくしゃべるアレク様に私は目を合わせながら答えた。
「マックス殿との仲を発展させていくつもりなのか? この前はダンスを披露していたが」
「そちらに関してはまだ何とも言えませんが……その可能性はあると思います」
「そうか……しかし、1つだけ良いかな?」
「なんでしょうか?」
アレク様は諦めたような表情に変りはない。おそらく、これから彼が話すことは別のことになるはずだ。私はアレク様の次の言葉を待った。
「マックス殿との仲を確実なものにしたいなら……君も妥協をせずに臨む必要があるだろうな」
「それは……はい、わかっております」
「ふふ、まあ、せいぜい頑張ってくれ頑張ってくれ」
そこで会話は終了した……アレク様は屋敷から帰って行ったのだ。最後の彼の言葉は何を意味するのだろうか? アレク様も私とファレナ、マックスの関係性に気付いているのだろうか……?
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「申し訳ありません、マックスさん。お待たせしてしまったでしょうか?」
「いや、大丈夫だよファレナ。特に待ってはいないさ」
「そうですか、良かったです」
私はファレナと貴族街のとある場所で待ち合わせをしていた。別にデートというわけではないが、少し照れてしまうな。ミリスからも、関心のない女性には必要以上に関わらないように、と言われているし。
いや、ファレナは決して関心のない女性ではないのだが。
しかし……彼女に呼び出されたわけだが、一体、どんな用件なのだろうか? そんなことを考えていると、ファレナは私の右腕に自分の手を回して来た。
「それでは参りましょうか、マックスさん」
「えっ……? ファレナ……?」
ま、待て……これはまるで……それに、クールな彼女からは想像できないような大胆な行動だ。ど、どうしたら良いのだろうか……この状況をミリスに見られれば、色々とマズい気がしてしまう。
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