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17話 アレクの懇願 その1
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「お願いだ、ミリス! 私のところに戻って来て欲しい!」
「あ、アレク様……!? どうなさったのですか……?」
突然、ローブル家の屋敷にやって来たのはアレク・ボゴス侯爵だった。応接室に彼を通した瞬間にそんなことを言い出したのは驚きでしかなかったけれど。
「ボゴス侯爵……一体、どういうことなのでしょうか?」
私とファレナのお父様であるシウバート・ローブル伯爵がアレク様に尋ねていた。やや、責め気味に。内容が内容だけに仕方ないけれど……。
「あ、ああ……ローブル伯爵。私はミリスと再び婚約したいと思っているのだ」
「娘と再び婚約ですと……?」
「そういうことだ」
アレク様のその言葉に、お父様はあからさまに怪訝な表情を見せていた。まあ、アレク様の勝手な言い分で私は婚約解消の道を行かざるを得なかった。彼に愛されない者というレッテルを貼られた私だ。お父様が怪訝な表情になるのも仕方のないことだったのだ。
「ボゴス侯爵……何故、今頃そのようにおっしゃるのですかな?」
「実はエリー・フラメウ伯爵令嬢のことなのだが……」
「ふむ、エリー嬢がどうかしたのですか?」
「あの女の態度に辟易しているのだ……! くそ、まさかエリーがあんなに浮気癖が強いとは思わなかった!」
既視感のある言葉だった。エリー嬢とアレク様は幼馴染のはず……今まで気付いていなかったのかしら? まあ、婚約をしてみて、初めて分かる本性というのもあるだろうけれど。流石にこれは同情する気にはなれなかった。お父様も同じ気持ちだろう。
「アレク様、失礼ながら申し上げますが……アレク様も私と婚約解消した時は、エリー嬢と浮気をしていたのではありませんか?」
「そ、それは……!」
やっぱり図星だったのね……エリー嬢と浮気を平然としておいて、今更になって、もう一度婚約をし直して欲しいなんて……我が儘にも程があるわ。
「お願いだ、ミリス! 二度と君を裏切らないと誓うから、戻って来て欲しい! この通りだ……!」
「アレク様……」
アレク様の懇願は鬼気迫るものがあった。それほどにエリー嬢と一緒に居たくないのだろうと分かる。以前のパーティーでもエリー嬢の性格は良く分かったし。しかし、この場で言える私からの返答は1つしかなかった。むしろ、これ以外に言える言葉は思いつかない。
「無理です、アレク様。私が再び、アレク様と婚約することはあり得ません。どうぞ、幼馴染であるエリー嬢と幸せな家庭を築いてください」
「そ、そんな……! 嘘だろ、ミリス……!?」
「いえ、本当でございます」
懇願するアレク様に対して、私は淡々と答えていた。彼とヨリを戻すことなどあり得ない……そんな考えを持ちながら。
「あ、アレク様……!? どうなさったのですか……?」
突然、ローブル家の屋敷にやって来たのはアレク・ボゴス侯爵だった。応接室に彼を通した瞬間にそんなことを言い出したのは驚きでしかなかったけれど。
「ボゴス侯爵……一体、どういうことなのでしょうか?」
私とファレナのお父様であるシウバート・ローブル伯爵がアレク様に尋ねていた。やや、責め気味に。内容が内容だけに仕方ないけれど……。
「あ、ああ……ローブル伯爵。私はミリスと再び婚約したいと思っているのだ」
「娘と再び婚約ですと……?」
「そういうことだ」
アレク様のその言葉に、お父様はあからさまに怪訝な表情を見せていた。まあ、アレク様の勝手な言い分で私は婚約解消の道を行かざるを得なかった。彼に愛されない者というレッテルを貼られた私だ。お父様が怪訝な表情になるのも仕方のないことだったのだ。
「ボゴス侯爵……何故、今頃そのようにおっしゃるのですかな?」
「実はエリー・フラメウ伯爵令嬢のことなのだが……」
「ふむ、エリー嬢がどうかしたのですか?」
「あの女の態度に辟易しているのだ……! くそ、まさかエリーがあんなに浮気癖が強いとは思わなかった!」
既視感のある言葉だった。エリー嬢とアレク様は幼馴染のはず……今まで気付いていなかったのかしら? まあ、婚約をしてみて、初めて分かる本性というのもあるだろうけれど。流石にこれは同情する気にはなれなかった。お父様も同じ気持ちだろう。
「アレク様、失礼ながら申し上げますが……アレク様も私と婚約解消した時は、エリー嬢と浮気をしていたのではありませんか?」
「そ、それは……!」
やっぱり図星だったのね……エリー嬢と浮気を平然としておいて、今更になって、もう一度婚約をし直して欲しいなんて……我が儘にも程があるわ。
「お願いだ、ミリス! 二度と君を裏切らないと誓うから、戻って来て欲しい! この通りだ……!」
「アレク様……」
アレク様の懇願は鬼気迫るものがあった。それほどにエリー嬢と一緒に居たくないのだろうと分かる。以前のパーティーでもエリー嬢の性格は良く分かったし。しかし、この場で言える私からの返答は1つしかなかった。むしろ、これ以外に言える言葉は思いつかない。
「無理です、アレク様。私が再び、アレク様と婚約することはあり得ません。どうぞ、幼馴染であるエリー嬢と幸せな家庭を築いてください」
「そ、そんな……! 嘘だろ、ミリス……!?」
「いえ、本当でございます」
懇願するアレク様に対して、私は淡々と答えていた。彼とヨリを戻すことなどあり得ない……そんな考えを持ちながら。
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