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12話 マックスの本音
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(マックス・オリヴェイラ公爵令息視点)
まさか……クールな姉妹として人気のあるローブル伯爵家のミリスから踊りの誘いを受けるとは。あまりにも意外なことだったので、なんと答えればいいのか分からなかった。エリー嬢も私のことを睨むように見ている。
「マックス様……むう~~~!」
反応に困る態度はやめて欲しかった。そもそも、ローブル伯爵家とはそれなりに深い関係を築いていたと思うけど、フラメウ家とはそこまでの関係ではなかったような気がしてならない。どうして、エリー嬢が私にそこまで拘るのかは謎でしかなかった。
エリー嬢は、ミリスとアレク・ボゴス侯爵の婚約解消の実質的な引き金になった存在だ。彼女はその後に、アレク殿と婚約をしているのだし。私に執着するというのはどうかと思う。アレク殿は平気なのだろうか……?
「……エリー」
「えっ、なんですか? アレク様?」
「いや、なんでもない……」
先程までのやり取りをアレク様は微妙な様子で見ていたようだな。直接的な言葉としては出していないが、不満を持っている表情をしている。
それからエリー嬢は、私の大切なミリスとファレナの二人を侮辱した過去もある。過去と言うよりつい最近のことだが……あの、装飾店での話だな。そう言えば、数年前にもミリス達のことを悪く言っていたような気がする。そちらについては記憶が曖昧になりつつあるが。
「マックス……」
「あ、ああ……ミリス、済まない」
気付いた時には、ミリスの顔は真っ赤になっていた。何せ本来は逆の立場になるはずの令嬢である彼女が、ダンスの誘いを行ってきたのだから。恥ずかしさを感じるのも当然だろう。でも、ダンスの誘いをしてくれたということは……彼女の気持ちは私に向いていると考えて良いのだろうか? 嬉しい誤算だ。
「……ミリス」
アレク殿がどことなく寂しい声を上げている……もしかして、ミリスに未練があるというのだろうか? いや、それは考え過ぎだろうか……彼にはエリー嬢という婚約者が居るのだからな。
今更、過去の女性であるミリスに好意がある態度を取ったとしたら、それは許されるべきではない。
よし、まずはエリー嬢に私はその気がないことを伝えないといけないな。その為にはミリスのダンスの誘いを快く引き受けて……。まあ、ミリスへの想いは前から決まっていたことだけど。
「姉さま……マックスさん……」
「ファレナ……?」
私はミリスの手を取ろうとして、一瞬、動きが止まってしまった……。その理由はミリスの妹であるファレナにある。彼女は何とも言えない瞳で私を見ていたのだ。
まさか……いや、そんなはずは……だが、私の身体は確かに制止させられていた。それを行ったのは、美人クール姉妹の片割れであることは間違いない……。
まさか……クールな姉妹として人気のあるローブル伯爵家のミリスから踊りの誘いを受けるとは。あまりにも意外なことだったので、なんと答えればいいのか分からなかった。エリー嬢も私のことを睨むように見ている。
「マックス様……むう~~~!」
反応に困る態度はやめて欲しかった。そもそも、ローブル伯爵家とはそれなりに深い関係を築いていたと思うけど、フラメウ家とはそこまでの関係ではなかったような気がしてならない。どうして、エリー嬢が私にそこまで拘るのかは謎でしかなかった。
エリー嬢は、ミリスとアレク・ボゴス侯爵の婚約解消の実質的な引き金になった存在だ。彼女はその後に、アレク殿と婚約をしているのだし。私に執着するというのはどうかと思う。アレク殿は平気なのだろうか……?
「……エリー」
「えっ、なんですか? アレク様?」
「いや、なんでもない……」
先程までのやり取りをアレク様は微妙な様子で見ていたようだな。直接的な言葉としては出していないが、不満を持っている表情をしている。
それからエリー嬢は、私の大切なミリスとファレナの二人を侮辱した過去もある。過去と言うよりつい最近のことだが……あの、装飾店での話だな。そう言えば、数年前にもミリス達のことを悪く言っていたような気がする。そちらについては記憶が曖昧になりつつあるが。
「マックス……」
「あ、ああ……ミリス、済まない」
気付いた時には、ミリスの顔は真っ赤になっていた。何せ本来は逆の立場になるはずの令嬢である彼女が、ダンスの誘いを行ってきたのだから。恥ずかしさを感じるのも当然だろう。でも、ダンスの誘いをしてくれたということは……彼女の気持ちは私に向いていると考えて良いのだろうか? 嬉しい誤算だ。
「……ミリス」
アレク殿がどことなく寂しい声を上げている……もしかして、ミリスに未練があるというのだろうか? いや、それは考え過ぎだろうか……彼にはエリー嬢という婚約者が居るのだからな。
今更、過去の女性であるミリスに好意がある態度を取ったとしたら、それは許されるべきではない。
よし、まずはエリー嬢に私はその気がないことを伝えないといけないな。その為にはミリスのダンスの誘いを快く引き受けて……。まあ、ミリスへの想いは前から決まっていたことだけど。
「姉さま……マックスさん……」
「ファレナ……?」
私はミリスの手を取ろうとして、一瞬、動きが止まってしまった……。その理由はミリスの妹であるファレナにある。彼女は何とも言えない瞳で私を見ていたのだ。
まさか……いや、そんなはずは……だが、私の身体は確かに制止させられていた。それを行ったのは、美人クール姉妹の片割れであることは間違いない……。
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