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8話 マックスとエリーの関係性

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「女たらし、スケコマシ……マックスさんを表現するとすれば、そんなところでしょうか」

「あの~~ファレナさん? 恐ろしい誤解があるかと思うのですが……」

「誤解なんですか、本当ですか? ミリス姉さまにまで心配を掛けて……」

「うっ、それは本当に済まなかった……」


 装飾店での帰り道、私達はマックスと話をしていた。主に先ほどのエリー令嬢との関係についてだけれど。


「ミリス、色々と誤解があるんだよ。それは信じて欲しい」

「別にマックスのことを疑っているわけじゃないけれど……まあ、別にマックスがエリー令嬢と特別な関係だったとしても、ただの幼馴染の私には何も言えないんだけどね?」

「み、ミリス……いや、本当に……」

 歯切れの悪いマックスを相手に私とファレナは少し楽しんでいた。幼馴染だからこそ許される冗談、いじわる……といったところだろうか。マックスがそれを認識しているかは別問題だけれど。

「でもマックス……エリー様とはどういう関係なの? 彼女のテンションの高さを考慮すると、ただならぬ関係に見えるんだけれど……」

 私は多少の嫉妬心を芽生えさせながら、彼に問いただしてみた。マックスは顔から汗を流している。


「ま、まあ……なんて言えばいいのかな。以前に、パーティー等で知り合った貴族令嬢の一人ってだけさ。エリー嬢はどうやら、それ以上の関係性だと誤解しているみたいだが……」

「なるほど、つまり、マックスさんはその時に優しく応対した為に、エリー令嬢に誤解を与えてしまったということですね?」

「ええっ!? いや、ファレナ……その言葉は語弊あると思うんだけれど……」

「そうでしょうか? マックスさんはある意味で、八方美人だったのだと思いますよ? その時は違うでしょうが、今はエリー令嬢はアレク様と婚約している身です。それなのに、あそこまで懐いているのですから」

 懐いているって犬じゃないんだから、と突っ込みだくはなったけれど、ファレナの言い分は納得出来た。マックスは優し過ぎるのだと思う。その中でも、私やファレナを大切に想ってくれているのは、さっきの会話からハッキリしているけれど……誤解を与えた人はエリー令嬢だけではないかもしれないわね。

「まったく……マックスってば……」

「ミリス、もしかして多少なりとも嫉妬してくれているのかい? もしもそうだとしたら、とても嬉しいんだけど……」

「えっ!? べ、別にそんなことは……!」


 私はマックスからのいきなりの言葉についつい、本音とは逆のことを言ってしまった。いえ、本音を言ったら恥ずかしい思いをする羽目になったでしょうけれど。

「姉さま……そうですか、マックスさんと仲がよろしいようで……」


 あれ? ファレナが気のせいか不機嫌になっているようにも感じられた。そんな貴族街からの帰り道……多少の波乱はあったけれど、マックスとの出会いは非常に大きな収穫だったかと思う。
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