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17話 恥知らず その2
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(メープル視点)
「ベノム様、先ほどは助けていただいて、本当にありがとうございました!」
「あ、ああ……」
私は完璧に可愛い顔を作り頭を下げた。ベノム様はキョトンとした表情になっているけれど、私の可愛さに戸惑っているって感じかしら? うふふふふ、私って罪な女だわ。
「ベノム様が助けてくれなければ、私は……」
「お、おい……メープルよ……」
うるさい人が割って入ってくる。今は婚約者だと見られたくないから、あっちに行ってほしいんだけどな。
「なんですか? リシド様」
「メープル、先ほどから話が噛み合っていないぞ? 王子殿下達もそのように感じておられる」
「えっ……?」
私は慌ててベノム様に視線を合わせた。彼はゆっくりと頷いている。
「話が飛んでいるぞ、メープル嬢。恥知らずな話はどこへ行ったんだ? なぜ、最初の転んだことへのお礼になっている? 混乱しているのか?」
「い、いえ……恥知らずな家系は申し訳ないですが、私は直接関係していないので……」
「ん? 聞き間違いかな?」
あれ……? どうしてベノム様は私をそんな目で見ているの……? 隣に立っているバール様やリュート王女も同じように見ている。だって、姉さまのことを言っているんでしょ? 私、妹だし関係ないし……責めるなら姉さん自身かお父様やお母様になるでしょう?
ベノム様、ひょっとして武人だからか、頭の回転が遅いんじゃないかしら……そうすると、ヒョロヒョロなイメージだけど、バール第四王子の方が良いのかな?
「今、自分は関係ない……と、言ったように聞こえたが?」
「いえ……申し訳ありませんでした。姉のこととはいえ、私も家族の一員です。関係ないという言葉は撤回させてください!」
「……」
よし! 完璧な返答だわ。姉の失態だけれど、自分にも責任があると感じる女の子アピールというやつね。男性なら、相当に心が動かされるはず。今夜の相手は決まったようなものかしら?
「……くっくっく、これは予想以上に恥知らずなお嬢さんのようだな……なあ、バール?」
私がそんなことを考えていると、ベノム様はなぜか笑っていた。それに釣られるようにして、バール様も口元が緩んでいる。
「ええ、そのようですね……これは、どこから説明を差し上げたら良いのか……う~む」
「バールよ、こういう時はハッキリと言った方が本人の為だ」
「兄上……」
さっきから何を言ってるんだろう、この二人は……えっ? あれ……心なしか、リシド様も頭を抱えているような。
「メープル嬢……恥知らずは貴殿のことだ。決して、シャルナ嬢のことではない。まあ、話を聞く限りでは両親も恥知らずなようだが……だから、恥知らずな家系と称したのだ」
「シャルナ殿は大変なとばっちりのようですね」
「まったくだ、やれやれ……」
呆然としてしまっていた……耳を覆いたくなる。なによ、何を言ってるのよこの二人は……仮にも王子殿下の二人が……! 私は思わず歯を食いしばってしまった。
「ベノム様、先ほどは助けていただいて、本当にありがとうございました!」
「あ、ああ……」
私は完璧に可愛い顔を作り頭を下げた。ベノム様はキョトンとした表情になっているけれど、私の可愛さに戸惑っているって感じかしら? うふふふふ、私って罪な女だわ。
「ベノム様が助けてくれなければ、私は……」
「お、おい……メープルよ……」
うるさい人が割って入ってくる。今は婚約者だと見られたくないから、あっちに行ってほしいんだけどな。
「なんですか? リシド様」
「メープル、先ほどから話が噛み合っていないぞ? 王子殿下達もそのように感じておられる」
「えっ……?」
私は慌ててベノム様に視線を合わせた。彼はゆっくりと頷いている。
「話が飛んでいるぞ、メープル嬢。恥知らずな話はどこへ行ったんだ? なぜ、最初の転んだことへのお礼になっている? 混乱しているのか?」
「い、いえ……恥知らずな家系は申し訳ないですが、私は直接関係していないので……」
「ん? 聞き間違いかな?」
あれ……? どうしてベノム様は私をそんな目で見ているの……? 隣に立っているバール様やリュート王女も同じように見ている。だって、姉さまのことを言っているんでしょ? 私、妹だし関係ないし……責めるなら姉さん自身かお父様やお母様になるでしょう?
ベノム様、ひょっとして武人だからか、頭の回転が遅いんじゃないかしら……そうすると、ヒョロヒョロなイメージだけど、バール第四王子の方が良いのかな?
「今、自分は関係ない……と、言ったように聞こえたが?」
「いえ……申し訳ありませんでした。姉のこととはいえ、私も家族の一員です。関係ないという言葉は撤回させてください!」
「……」
よし! 完璧な返答だわ。姉の失態だけれど、自分にも責任があると感じる女の子アピールというやつね。男性なら、相当に心が動かされるはず。今夜の相手は決まったようなものかしら?
「……くっくっく、これは予想以上に恥知らずなお嬢さんのようだな……なあ、バール?」
私がそんなことを考えていると、ベノム様はなぜか笑っていた。それに釣られるようにして、バール様も口元が緩んでいる。
「ええ、そのようですね……これは、どこから説明を差し上げたら良いのか……う~む」
「バールよ、こういう時はハッキリと言った方が本人の為だ」
「兄上……」
さっきから何を言ってるんだろう、この二人は……えっ? あれ……心なしか、リシド様も頭を抱えているような。
「メープル嬢……恥知らずは貴殿のことだ。決して、シャルナ嬢のことではない。まあ、話を聞く限りでは両親も恥知らずなようだが……だから、恥知らずな家系と称したのだ」
「シャルナ殿は大変なとばっちりのようですね」
「まったくだ、やれやれ……」
呆然としてしまっていた……耳を覆いたくなる。なによ、何を言ってるのよこの二人は……仮にも王子殿下の二人が……! 私は思わず歯を食いしばってしまった。
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