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33話 突然の告白 その2

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「フォルセ、私にどういう言葉を望んでいる?」

「ネプト国王陛下……? いえ、どうと言われましても……」


 ネプト様は先ほどよりも真剣な表情になっていた。フォルセの覚悟を悟ったからこそ、真面目に答えるつもりなのだと思う。


「スザンヌと私の関係は有名だからな、詳細を語る必要もないだろう。お前はこの状況で、私がアーチェのことを第一に考える、という言葉では不満なのではないか?」

「それは……」

「心の中としては、アーチェのことを一番に考えていくつもりだ。しかし、国王という身分がある為に、上手くいかない時もあるだろう」

「その辺りについては、ネプト国王陛下が姉を蔑ろにするとは考えていません」

 フォルセからの回答を聞いたネプト様は安心したような表情になっていた。ネプト様としても、フォルセからの信頼は嬉しいのだと思う。二人も幼馴染みたいなものだしね、少し違うけれど。


「随分と自信満々に言ってしまったが、アーチェが私の側室……告白を受け入れてくれる保証はどこにもない。また、日を改めて屋敷を訪れるとしよう」

「いえ、ネプト様……この場合は、私が宮殿に向かうのが礼儀でございます……!」

「いや、ここは私の方から行かせてくれ。君に告白をしたのは私だからな、その答えを聞くためには、私の方から出向く必要があるだろう」


 ネプト様にこれ以上のご足労を掛けるのは、本当に申し訳なかったのだけれど……とても断ることはできなかった。彼の顔を見ていると。私はとりあえず頷くことにする。


「わかりました、それではまたお越しいただいても、よろしいでしょうか? 1週間以内には結論を出したいと思いますので……」

「わかった。それでは1週間後にもう一度、屋敷を訪れるとしよう。多少ズレる可能性もあるが、必ず向かうよ」

「ありがとうございます、ネプト様」


 そこまでで告白の件は一旦、保留とという形になった。ネプト様は護衛を連れて、ニーナ達が帰った玄関から去って行く。私やお父様、フォルセはそんなネプト様を見送ることにした。

「それではまた、近い内に」

「はい、ネプト様。お気をつけてお帰りくださいませ」


 私はネプト様が馬車に乗り、見えなくなるまで玄関に立っていた。そして大きく溜息を吐く。今日は本当に色々とあった日だわ。ニーナやウォーレスとの話し合いもそうだけれど……まさか最後に、ネプト様からの急な告白があるなんてね。

 側室待遇……私はネプト様になんて答えれば良いのだろうか。側室という位置が決して嫌と言うわけではないけれど、どうしても正室であるスザンヌ様のことを考えてしまうし。

 納得のいく答えが1週間で本当に出せるのか、早くも不安になっていた……。
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