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13話 王太子殿下の計画 その2
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「おお、お美しい……! あれが、噂のメリア・デルトーイ第一王女殿か……!」
「ふ~む、確かにとてもお美しいですな」
「いやですわ、殿方は……すぐに女性の外見のお話しになるのですから!」
姿を現したメリア・デルトーイ王女様に対して、様々な言葉が飛び交っていた。ほとんどが彼女の外見を称賛する声になっており、必然的に男性の声が大きい。私の兄さまも例外ではなかった。
「メリア王女様……確かに、美しい」
「ダンテ兄さま……!」
「しかしながら、我が妹……ではないけれど、レオーネの方が美しい、うん」
「いえ、そういうことを言っているんじゃなくてですね……」
驚くほどにダンテ兄さまは直角に意見を曲げた、それで何とかなると思っているのが面白いけれど。私は別に、自らの外見が上回っていると言って欲しかったわけじゃない。外見で負けているのは私自身が一番分かっているのだし、別に彼女に負けたからといって、悲しくなるものでもない。
ビクティム・クラウス侯爵への想いは既に霧散したも同然なのだから、そこに嫉妬という感情は生まれるはずもなく。強いて言うなれば……彼女がフューリと何らかの繋がりを持っているであろう部分の方が気になるかもしれない。
フューリへの想いは最近になって、より明確になって来た気がするし……私ってはしたない女かしら? ビクティム侯爵に婚約破棄されて、すぐに別の男性になんて……!
「大丈夫だ、レオーネ。決して、はしたなくはないぞ?」
「心の中を読まないでください、兄さま」
「声に出ていたぞ?」
「本当ですか……? う……?」
とても恥ずかしいことをしてしまったようだ。穴があったら、入りたい気分かもしれない……。
「それに、悲しみに伏していた時に優しくされれば、通常はそちらに傾くものだ。それが幼馴染で、初恋の相手ならば猶更な」
「な、なんで知っているんですか……!」
「いや……昔のお前を見ていたら、一目瞭然だったが……当時の使用人達を含めて、皆わかっていたと思うぞ?」
本当に……? 今は亡き、お母様やお父様にもバレていたのかしら? そう考えると、さらに恥ずかしくなってしまう……。
「お前の父君、母君……私からすれば伯母上と叔父上になるが、天国から見守っているだろう」
「はい、兄さま」
良く分からない感情と言ってしまえるのか……なんだか、私の心は満ち足りた気分になっていた。そんな時、ビクティム侯爵の自信満々の声が鳴り響く。会場内で轟いている、メリア王女への賞賛の声に賛同するかのように。
「我が妻となる、メリア・デルトーイ王女になります! 彼女と私との結婚を機に、両国の繋がりはより一層、強固なものとして……!」
「あら、ビクティム様? より一層強固な繋がり? どういうことでしょうか?」
「ん? なにを言っているのかな……メリア王女?」
あれ? 少し、雲行きが怪しくなってきたような……私は直感的にそう感じた。主に、計画通りと言わんばかりのメリア王女様の表情からそう察したのだけれど。
「ビクティム侯爵、あなた……独立を考えているとおっしゃっていませんでした?:
「……えっ? 独立?」
ビクティム侯爵は素っ頓狂な声をあげている。まるで意味が分からないとばかりに……。これは……ビクティム侯爵にとっては、物凄く不利益なことが起きる前兆だと思われる。なぜなら、メリア王女が出て来た場所から、フューリの姿があったから。これはフューリの計画の一部ということかしら?
いえ、それよりも……なぜメリア王女の背後から、彼が現れたのかしら? 私はむしろ、そっちの方が気になっていた。
「ふ~む、確かにとてもお美しいですな」
「いやですわ、殿方は……すぐに女性の外見のお話しになるのですから!」
姿を現したメリア・デルトーイ王女様に対して、様々な言葉が飛び交っていた。ほとんどが彼女の外見を称賛する声になっており、必然的に男性の声が大きい。私の兄さまも例外ではなかった。
「メリア王女様……確かに、美しい」
「ダンテ兄さま……!」
「しかしながら、我が妹……ではないけれど、レオーネの方が美しい、うん」
「いえ、そういうことを言っているんじゃなくてですね……」
驚くほどにダンテ兄さまは直角に意見を曲げた、それで何とかなると思っているのが面白いけれど。私は別に、自らの外見が上回っていると言って欲しかったわけじゃない。外見で負けているのは私自身が一番分かっているのだし、別に彼女に負けたからといって、悲しくなるものでもない。
ビクティム・クラウス侯爵への想いは既に霧散したも同然なのだから、そこに嫉妬という感情は生まれるはずもなく。強いて言うなれば……彼女がフューリと何らかの繋がりを持っているであろう部分の方が気になるかもしれない。
フューリへの想いは最近になって、より明確になって来た気がするし……私ってはしたない女かしら? ビクティム侯爵に婚約破棄されて、すぐに別の男性になんて……!
「大丈夫だ、レオーネ。決して、はしたなくはないぞ?」
「心の中を読まないでください、兄さま」
「声に出ていたぞ?」
「本当ですか……? う……?」
とても恥ずかしいことをしてしまったようだ。穴があったら、入りたい気分かもしれない……。
「それに、悲しみに伏していた時に優しくされれば、通常はそちらに傾くものだ。それが幼馴染で、初恋の相手ならば猶更な」
「な、なんで知っているんですか……!」
「いや……昔のお前を見ていたら、一目瞭然だったが……当時の使用人達を含めて、皆わかっていたと思うぞ?」
本当に……? 今は亡き、お母様やお父様にもバレていたのかしら? そう考えると、さらに恥ずかしくなってしまう……。
「お前の父君、母君……私からすれば伯母上と叔父上になるが、天国から見守っているだろう」
「はい、兄さま」
良く分からない感情と言ってしまえるのか……なんだか、私の心は満ち足りた気分になっていた。そんな時、ビクティム侯爵の自信満々の声が鳴り響く。会場内で轟いている、メリア王女への賞賛の声に賛同するかのように。
「我が妻となる、メリア・デルトーイ王女になります! 彼女と私との結婚を機に、両国の繋がりはより一層、強固なものとして……!」
「あら、ビクティム様? より一層強固な繋がり? どういうことでしょうか?」
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あれ? 少し、雲行きが怪しくなってきたような……私は直感的にそう感じた。主に、計画通りと言わんばかりのメリア王女様の表情からそう察したのだけれど。
「ビクティム侯爵、あなた……独立を考えているとおっしゃっていませんでした?:
「……えっ? 独立?」
ビクティム侯爵は素っ頓狂な声をあげている。まるで意味が分からないとばかりに……。これは……ビクティム侯爵にとっては、物凄く不利益なことが起きる前兆だと思われる。なぜなら、メリア王女が出て来た場所から、フューリの姿があったから。これはフューリの計画の一部ということかしら?
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