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第25章(3)ディアスside
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***
マオ様が毒薬を飲まされて倒れた数日後。
私は運命を変えてくれる女性に会った。
……いや。
"再会した"という方が、正しいのだろう。
「!!ッーー……貴女、はっ……。まさか、っ……生きておられたのですかっ?」
夢の配達人の元最高責任者であるギャラン様に呼び出され、訪れた隠れ家。一緒に居たその方を見て、私は信じられなかった。
艶やかな長い黒髪。
漆黒に輝く、宝石のような黒い瞳。
私の目の前に居た女性は、リオン様の想い人であり、ヴァロン様の母である、アンナ様だった。
更に驚くべきは、その姿。
何故ならその姿は、最後に見たあの日と……。三十年前のあの日と、全く姿が変わって居なかったからだ。
聞きたい事は色々あった。
けれど、突然すぎて……。言葉が上手く出て来ない。
すると、そんな私を見て口を開いたのはアンナ様。
「……単刀直入に言います。
私に、力を貸して頂けませんか?」
「!……え?」
「お願いしますっ……!」
「っ、……」
私にそう言い、頭を下げるアンナ様。
その様子にますます驚く。
だって、私が知っているこの人は……。
リオン様に媚びるようなのに息子であるヴァロン様には厳しくて、そして昔私や他人には挨拶すら口にせず、いつも睨むような視線を向けていた。
人とのコミュニケーションが明らかに欠落していて、まともに話せる人ではなかった筈だ。
その人が、しっかりと話し、私の目を見て、頼み事をしている。
そればかりか……。
「貴女は今、spellbindに縛られているでしょう?」
「!っ……」
「私が、その呪縛を解きます」
「っな、……」
「私に手を貸して下さる。
そうお約束頂けるのなら、呪縛を解き、そして貴女の知りたい全てをお話する事を……私も約束します」
アンナ様が私に、強い鋭い眼差しを向けた。
その瞳に見つめられて、私は良い意味で、どうでも良くなった。
何故この人が、私にspellbindがかかっている事が分かったのか。
何故この人に、spellbindを解く能力があるのか……。
嘘偽りない、と私に向ける眼差しが告げていたのだ。
この方は"我々がお仕えする一族の方なのだ"と。
気付けば私は、アンナ様に「かしこまりました」と跪跪いていた。
マオ様が毒薬を飲まされて倒れた数日後。
私は運命を変えてくれる女性に会った。
……いや。
"再会した"という方が、正しいのだろう。
「!!ッーー……貴女、はっ……。まさか、っ……生きておられたのですかっ?」
夢の配達人の元最高責任者であるギャラン様に呼び出され、訪れた隠れ家。一緒に居たその方を見て、私は信じられなかった。
艶やかな長い黒髪。
漆黒に輝く、宝石のような黒い瞳。
私の目の前に居た女性は、リオン様の想い人であり、ヴァロン様の母である、アンナ様だった。
更に驚くべきは、その姿。
何故ならその姿は、最後に見たあの日と……。三十年前のあの日と、全く姿が変わって居なかったからだ。
聞きたい事は色々あった。
けれど、突然すぎて……。言葉が上手く出て来ない。
すると、そんな私を見て口を開いたのはアンナ様。
「……単刀直入に言います。
私に、力を貸して頂けませんか?」
「!……え?」
「お願いしますっ……!」
「っ、……」
私にそう言い、頭を下げるアンナ様。
その様子にますます驚く。
だって、私が知っているこの人は……。
リオン様に媚びるようなのに息子であるヴァロン様には厳しくて、そして昔私や他人には挨拶すら口にせず、いつも睨むような視線を向けていた。
人とのコミュニケーションが明らかに欠落していて、まともに話せる人ではなかった筈だ。
その人が、しっかりと話し、私の目を見て、頼み事をしている。
そればかりか……。
「貴女は今、spellbindに縛られているでしょう?」
「!っ……」
「私が、その呪縛を解きます」
「っな、……」
「私に手を貸して下さる。
そうお約束頂けるのなら、呪縛を解き、そして貴女の知りたい全てをお話する事を……私も約束します」
アンナ様が私に、強い鋭い眼差しを向けた。
その瞳に見つめられて、私は良い意味で、どうでも良くなった。
何故この人が、私にspellbindがかかっている事が分かったのか。
何故この人に、spellbindを解く能力があるのか……。
嘘偽りない、と私に向ける眼差しが告げていたのだ。
この方は"我々がお仕えする一族の方なのだ"と。
気付けば私は、アンナ様に「かしこまりました」と跪跪いていた。
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