夢の言葉と約束の翼(下)【夢の言葉続編⑦】

☆リサーナ☆

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第21章(1)シュウside

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夢の配達人の責任者マスターではなく父の補佐をしていた時から、仕事を終えて、就寝前に自宅の自室で新聞を読むのが私の楽しみだった。
もちろん、視力がほとんどない今の私には文章が点字で表された特別な新聞。昔のように写真付きの記事を楽しむ事は出来ないが、私は今でも彼の活躍を楽しみにしている。

「……また、大きな仕事を一つ成功させたんですね」

彼が例えどんな名前で、どんな立場であっても、私にとって何一つ変わらない。

ヴァロンーー。
君の記事を読んで胸を弾ませていると、今でもただ任務に行っているだけなのではないか?と思う。

任務中は仕事に没頭し過ぎて、通信機があるにも関わらずヴァロンから連絡してくる事なんて滅多になくて……。いつもいきなり隠れ家の私の仕事場の扉がバンッて開いて、「シュウ、帰ったぞー!」ってズカズカと入って来るんだ。

だから、思わずにはいられないんだ。
またいつか、そんな日が訪れる事を……。


「ヴァロン?
君にね、話したい事がたくさんあるんですよ?」

私がそう言ったら、君は面倒臭そうに「はいはい」って言いながらも話を聞いてくれるんでしょうね?「お前がそんなこと言うなんて珍しいな」って……。
何だかんだで、君は優しいから。

そんな風に想いながら、私は日記を開くと筆を走らせる。
ヴァロンに語りかけるように、近況の報告を……。


まずはね、なんと私とホノカさんの間に二人目の子供が出来たんです。
あ、まだついこの間分かったばかりなんで周りには内緒ですよ?ヴァロンには、特別です。
ずいぶんと歳が空いてしまいましたが、「秋にはお兄ちゃんになれるんだ!」って、ミライもとても喜んでいます。
ホノカさんはヒナタちゃんを見てずっと女の子もほしいと思っていたらしく、「次は絶対に女の子です!」って言い張って、まだ分からないのに可愛らしいベビー用品ばかり見ているようで……。
いや、母親というのは分かるものなんですかね?
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