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第12章(1)ヴァロンside
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しおりを挟む俺からしたら、血の繋がりなんて関係なかった。
ただ、自分の大好きな人達とずっと一緒に居たいだけだった。
それなのにっ……。
鼓動がドクンッと響き渡って、呼吸が詰まったように上手く吸えない。
今まで抑えてきた、怒りの感情が増幅する。
目の前の敵を、赦せない気持が溢れる。
っ……アカリッ、ごめんっ……。
俺の心が、身体がッ……。
こいつへの憎しみを抑え切れないッ……!!
ターコイズのブレスレットから右手が離れて…。
俺はその場を駆け出すとシャルマが頬杖を着く机の上に跳び乗り、奴の胸倉を掴んで自分に引き寄せながら、懐に隠し持っていたナイフを取り出した。
夢の配達人が決して犯してはいけない事。
依頼人を失望させる事、夢を奪う事……。
そして、命を奪う事。
……。
振り上げた、ナイフを持つ左手を……。
俺はもう、自分の力では止められなかった。
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