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第11章(2)ヴァロンside
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しおりを挟む「っ……アンナさん、ここじゃ駄目です。
ほら、奥に……行きましょう。ね?」
父さんにそう言われてお姫様抱っこされる母さんは、俺には絶対に見せない、すごく幸せそうな表情で微笑む。
だから、邪魔しちゃ駄目なんだ。
母さんを笑顔に出来るのは、父さんだけ。
長い娼婦生活で、母さんは依存症だった。
身体を重ねる事で、愛を確かめようとする母さん。
愛を知らずに育った母さんを満たせるのは、父さんしかいなかったから……。
父さんはいつも、俺を横目でチラッと見て申し訳なさそうにしながら、母さんと奥の寝室に消えて行くんだ。
……
…………。
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