115 / 214
第7章(2)レイside
2-2
しおりを挟む
【港街】
事件が起きたという場所。
ボクと姉さんは、ヴァロン様の自宅がある建物の一階フロアに駆け込んだ。
この建物は防音設備もしっかりしているから、基本的に毎日静かなのだが……。それにしてもおかしい位に人気がない。
管理人も警備員も見当たらないその空間は、明らかに何かが起きている事を物語っているようだった。
ボクと姉さんが管理人室に入り内部を確認すると、いつもはロックされている上の階に繋がる自動扉が解除されており、防犯カメラの電源も全て落とされている。
一体誰が?
何の為に……?
……。
”誰が”という事に、確信は持てなかったが……。
”何の為に”という事には、ある程度の確信が持てた。
「っ……これは!
一体どういう事だッ?!」
ボク等の後から到着した調査員達も、初めての事態に困惑気味。
夢の配達人の為の建物。とは言っても、せいぜい新聞や雑誌の記者達がしつこく嗅ぎ回ってきたり、万が一ファンや嫌がらせ目的で来た人達を防ぐ為のもので……。
大きな事件が起きた事なんて、これまで一度もないと聞いていた。
セキュリティーを解除し、防犯カメラまで落とす、計画的な犯行。
そうまでして狙われる人物なんて、この建物に住む人はたった一人しかいない。
「っ……!!」
「!……姉さんッ!」
ボクがハッとした時。すでに姉さんはその場を駆け出して、上の階に行く為の自動扉を抜けて行った。
「すみません!ここはお任せしますッ!!」
他の調査員達にその場を任せると、ボクも慌てて駆け出して姉さんを追いかける。
ボクと姉さんが目指す目的場所はたった一つ。
最上階の角部屋、ヴァロン様の自宅。
……
…………。
事件が起きたという場所。
ボクと姉さんは、ヴァロン様の自宅がある建物の一階フロアに駆け込んだ。
この建物は防音設備もしっかりしているから、基本的に毎日静かなのだが……。それにしてもおかしい位に人気がない。
管理人も警備員も見当たらないその空間は、明らかに何かが起きている事を物語っているようだった。
ボクと姉さんが管理人室に入り内部を確認すると、いつもはロックされている上の階に繋がる自動扉が解除されており、防犯カメラの電源も全て落とされている。
一体誰が?
何の為に……?
……。
”誰が”という事に、確信は持てなかったが……。
”何の為に”という事には、ある程度の確信が持てた。
「っ……これは!
一体どういう事だッ?!」
ボク等の後から到着した調査員達も、初めての事態に困惑気味。
夢の配達人の為の建物。とは言っても、せいぜい新聞や雑誌の記者達がしつこく嗅ぎ回ってきたり、万が一ファンや嫌がらせ目的で来た人達を防ぐ為のもので……。
大きな事件が起きた事なんて、これまで一度もないと聞いていた。
セキュリティーを解除し、防犯カメラまで落とす、計画的な犯行。
そうまでして狙われる人物なんて、この建物に住む人はたった一人しかいない。
「っ……!!」
「!……姉さんッ!」
ボクがハッとした時。すでに姉さんはその場を駆け出して、上の階に行く為の自動扉を抜けて行った。
「すみません!ここはお任せしますッ!!」
他の調査員達にその場を任せると、ボクも慌てて駆け出して姉さんを追いかける。
ボクと姉さんが目指す目的場所はたった一つ。
最上階の角部屋、ヴァロン様の自宅。
……
…………。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
君に愛は囁けない
しーしび
恋愛
姉が亡くなり、かつて姉の婚約者だったジルベールと婚約したセシル。
彼は社交界で引く手数多の美しい青年で、令嬢たちはこぞって彼に夢中。
愛らしいと噂の公爵令嬢だって彼への好意を隠そうとはしない。
けれど、彼はセシルに愛を囁く事はない。
セシルも彼に愛を囁けない。
だから、セシルは決めた。
*****
※ゆるゆる設定
※誤字脱字を何故か見つけられない病なので、ご容赦ください。努力はします。
※日本語の勘違いもよくあります。方言もよく分かっていない田舎っぺです。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる