111 / 214
第7章(1)レナside
1-1
しおりを挟む
【2月14日/港街】
「あ~、朝から疲れたぁ~!
レイ、お腹すいたよ~喉も渇いた~……」
「あ~もう!姉さん、重いから寄りかからないでよ。
報告完了したら朝ご飯……。いや、お昼ご飯食べに行こう。ね?」
もたれかかる様にして歩く私を支えながら、弟のレイは通信機を取り出して、ついさっき終えた仕事の報告を始めた。
今日はある銀バッジの新人夢の配達人が、金バッジのベテラン夢の配達人に、明らかに無謀な下剋上を仕掛けた、と連絡を受けてその場に立ち会ってきた。
結果、実力差は明らかなのに銀バッジは”負けてない”だの”もう一度勝負”だの言い出し。
金バッジも金バッジで大人気なく”じゃあ、もう一度やるか!”って揉め出すし……。
ホントに、勘弁して欲しかった。
けど、まあ仕方ない。
この2月と3月は決算。つまり4月からの新しいスタートに向けて最後の追い込みで、下剋上したり、順位を少しでも上げようとする夢の配達人が多い時期なのだ。
なので、この時期は配達人だけでなく調査員もバタバタと色んな場所に駆り出されて手一杯。
まさに繁忙期というやつだ。
いつもはヴァロン様専属のように動いている私とレイも、この時ばかりはそうもいかない。
「あ~……。
アカリさんのご飯食べた~い」
ヴァロン様を思い浮かべると同時に、奥さんのアカリさんの事を思い出す。
ヴァロン様は私達姉弟にとったら、神様のような存在。尊敬してるし、誰よりも憧れている大好きな人。
だから正直、最初に”お嫁さん”という存在のアカリさんを素直に受け入れたくない、と思う自分がいた。
私は多分、嫉妬してたんだよね。
恋というよりは、お兄ちゃんを彼女に取られたって気持ちのが近い感じで、ちょっと面白くなかった。
簡単に他人に笑顔を見せたり、心を開いたりしないヴァロン様が選んだ特別な人。
そんなヴァロン様が何故アカリさんを選んだのか、理由はすぐに分かった。
「あ~、朝から疲れたぁ~!
レイ、お腹すいたよ~喉も渇いた~……」
「あ~もう!姉さん、重いから寄りかからないでよ。
報告完了したら朝ご飯……。いや、お昼ご飯食べに行こう。ね?」
もたれかかる様にして歩く私を支えながら、弟のレイは通信機を取り出して、ついさっき終えた仕事の報告を始めた。
今日はある銀バッジの新人夢の配達人が、金バッジのベテラン夢の配達人に、明らかに無謀な下剋上を仕掛けた、と連絡を受けてその場に立ち会ってきた。
結果、実力差は明らかなのに銀バッジは”負けてない”だの”もう一度勝負”だの言い出し。
金バッジも金バッジで大人気なく”じゃあ、もう一度やるか!”って揉め出すし……。
ホントに、勘弁して欲しかった。
けど、まあ仕方ない。
この2月と3月は決算。つまり4月からの新しいスタートに向けて最後の追い込みで、下剋上したり、順位を少しでも上げようとする夢の配達人が多い時期なのだ。
なので、この時期は配達人だけでなく調査員もバタバタと色んな場所に駆り出されて手一杯。
まさに繁忙期というやつだ。
いつもはヴァロン様専属のように動いている私とレイも、この時ばかりはそうもいかない。
「あ~……。
アカリさんのご飯食べた~い」
ヴァロン様を思い浮かべると同時に、奥さんのアカリさんの事を思い出す。
ヴァロン様は私達姉弟にとったら、神様のような存在。尊敬してるし、誰よりも憧れている大好きな人。
だから正直、最初に”お嫁さん”という存在のアカリさんを素直に受け入れたくない、と思う自分がいた。
私は多分、嫉妬してたんだよね。
恋というよりは、お兄ちゃんを彼女に取られたって気持ちのが近い感じで、ちょっと面白くなかった。
簡単に他人に笑顔を見せたり、心を開いたりしないヴァロン様が選んだ特別な人。
そんなヴァロン様が何故アカリさんを選んだのか、理由はすぐに分かった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。
なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。
普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。
それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。
そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる