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第4章(2)ヴァロンside
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…………。
幸い、頭痛はすぐに治った。
でも……。
何だか気持ちがモヤモヤして、嫌な気分は治らない。
とりあえずここから出ようと、落としてしまった本を拾う為に自分の足元に手を伸ばそうとすると……。
俺よりも早く、近くに居た人物が絵本をさっと拾い、元の場所に戻してくれた。
「!……あ。
すみません、ありがとうございます」
「いえ、別に」
突先にお礼を言った俺に返ってきた返事の声に、聞き覚えがあってハッとする。
相手を確認する様に視線を向けると、横姿だった女性は俺の方に顔を向けた。
「具合が悪そうね。
向こうに長椅子があるの。少し休まない?
話したい事も、あるし……」
絵本を拾ってくれた女性は、やはりミネア。
彼女とは余程縁があるらしい。
「……分かった」
話したい事がある。と言う申し出と態度から、ミネアが今の姿の俺を”ヴァロン”だと特定しているのは明らかで……。やはり、鋭い女。
昨日の今日で無視する訳にもいかず、俺は彼女に付いて休憩スペースへ向かった。
……
…………。
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