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第1章(2)アカリside
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【港街/自宅】
「わぁ~!」
「アカリさん!可愛いっ!」
「すごい!和服、似合いますね!」
別室で着替えてきた私を、ヒナタを抱いたユイちゃんと、その両脇に居るレナとレイがニコニコしながら見つめる。
年が明けて、1月の半ば。
今日はなんと、人生初めての着物姿。
「あ、ありがとう」
すでに既婚で子持ちだから、私は振袖じゃなくて色留袖。
でも、紫色に近い薄いピンク色の生地はとても可愛らしくて、プレゼントされた日から着る日を心待ちにしていた。
「可愛くて、似合ってるなんて当然だろ?
俺がアカリの為に選んだんだから」
みんなに褒めて貰えて嬉し恥ずかしい気持ちでいっぱいの私の背後から、ヴァロンの自信満々の声が聞こえる。
そう、この着物をプレゼントしてくれたのはヴァロン。
「っ~~……」
ヴァロンの言葉に、彼を見たみんなが一瞬固まる。
黒髪に黒い瞳に眼鏡を掛けて変装し、ワイシャツの袖のボタンを留めながら穏やかに微笑んで私の傍に歩んで来る、スーツ姿のヴァロン。
可愛くて、似合ってるのは彼の方。
多分、ここにいるみんながそう思った。
「それにしても、ヴァロン様はすごいですよね~。着物の着付けや、ヘアメイクまで出来ちゃうんですから」
私の姿をまじまじと見つめながら、レナは尊敬の言葉をヴァロンに掛ける。
そうなんだよね。
私に着付けをしてくれて、ここまで可愛くしてくれたのはなんとヴァロン。
そんじゃそこらの美容師さんに負けない腕前で、本当に何でも出来てしまうんだ。と改めて感心してしまう。
「まあな。和服で任務の場合もあるし、これくらい当たり前だよ。
……さてと。じゃあ、ユイ、レナ、レイ。明日までヒナと留守番よろしくな」
ヴァロンが声を掛けると、三人は「はい!」と声を揃えて返事をする。
「わぁ~!」
「アカリさん!可愛いっ!」
「すごい!和服、似合いますね!」
別室で着替えてきた私を、ヒナタを抱いたユイちゃんと、その両脇に居るレナとレイがニコニコしながら見つめる。
年が明けて、1月の半ば。
今日はなんと、人生初めての着物姿。
「あ、ありがとう」
すでに既婚で子持ちだから、私は振袖じゃなくて色留袖。
でも、紫色に近い薄いピンク色の生地はとても可愛らしくて、プレゼントされた日から着る日を心待ちにしていた。
「可愛くて、似合ってるなんて当然だろ?
俺がアカリの為に選んだんだから」
みんなに褒めて貰えて嬉し恥ずかしい気持ちでいっぱいの私の背後から、ヴァロンの自信満々の声が聞こえる。
そう、この着物をプレゼントしてくれたのはヴァロン。
「っ~~……」
ヴァロンの言葉に、彼を見たみんなが一瞬固まる。
黒髪に黒い瞳に眼鏡を掛けて変装し、ワイシャツの袖のボタンを留めながら穏やかに微笑んで私の傍に歩んで来る、スーツ姿のヴァロン。
可愛くて、似合ってるのは彼の方。
多分、ここにいるみんながそう思った。
「それにしても、ヴァロン様はすごいですよね~。着物の着付けや、ヘアメイクまで出来ちゃうんですから」
私の姿をまじまじと見つめながら、レナは尊敬の言葉をヴァロンに掛ける。
そうなんだよね。
私に着付けをしてくれて、ここまで可愛くしてくれたのはなんとヴァロン。
そんじゃそこらの美容師さんに負けない腕前で、本当に何でも出来てしまうんだ。と改めて感心してしまう。
「まあな。和服で任務の場合もあるし、これくらい当たり前だよ。
……さてと。じゃあ、ユイ、レナ、レイ。明日までヒナと留守番よろしくな」
ヴァロンが声を掛けると、三人は「はい!」と声を揃えて返事をする。
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