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第2章(3)モニカside
3-3
しおりを挟むあの時と一緒。
私は気付いたら彼の腕に飛び込んでいた。
「……アカリの事が、心配なの」
「うん」
「幸せになってほしいの……。
私、アカリに幸せになってほしいのっ……」
「うん」
私の呟きに、ジェイクは短く頷いて聞いてくれる。
それだけで、安心が広がった。
一人で悩んでいるよりも、ずっとずっと気持ちが軽くなっていくのを感じた。
”特別な好きは、言葉ではありません。
いつの間にか自分に宿り、とっさに溢れ出すものなんですよ?”
昔、アカリの夫であるヴァロンに言われた言葉。今なら、よく分かる。
本当ね、貴方の言ってた通りだわ。
懐かしい姿を思い出すと、やっぱりその姿と共に在るのはアカリ。
ヴァロンとアカリが一緒に居て、幸せそうに微笑んでいる姿だった。
私が憧れた、理想の二人。
「モニカは、アカリさんとヴァロンさんに幸せになってもらいたいんだよね?
昔、よく聞かせてくれたもんな。二人は私の憧れなんだ~って。
僕も、いつか二人揃って会ってみたいって思うよ」
私の思い浮かべていた事を分かっているかのように、ジェイクは抱き締めながら元気付けてくれる。
「……大丈夫だよ。
”あの二人は運命の赤い糸で結ばれてるから、何があっても離れたりしない”って、モニカ言ってたでしょ?
きっと、互いにその糸を手繰り寄せて、また巡り会えるから……。
モニカが信じてあげなきゃ。ね?」
信じる。
そうだった、私に今出来る事はヴァロンとアカリを信じる事。
私まで暗い顔をしていてはいけないと思い返して、頷く。
「ええ、そうね。
ありがとう、ジェイク」
背伸びをしてチュッと頬にお礼のキスをすると、あっという間に彼の顔が真っ赤に染まる。
「さ、そろそろ戻りましょう!」
ジェイクのおかげですっかり元気を取り戻した私。
もう一度星空を見上げてアカリ達の事を想うと、固まっているジェイクの手を引いて家の中へ戻った。
……
…………。
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