夢の言葉と約束の翼(上)【続編⑤】

☆リサーナ☆

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第2章(1)アカリside

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【夕飯】

「うわぁ~めっちゃ豪華だな!」

食卓が整って席に着くと、テーブルに並んだ料理を見てユウさんは驚いた表情で声を上げた。

今日の献立はカレーライスにハンバーグを添えて、サラダ、スープ、パン、あと小鉢にちょっとしたおかずを数品。

別に特別に頑張ったつもりはない私は、ユウさんの言葉に首を傾げた。


「?……そう、かな?」

「僕を誘ったから、気合い入れたのか?
嬉しいけど、大変だっただろ?」

そう笑顔で尋ねてくれるユウさんの言葉の意味が、分からない。


だって、私にはこれが普通だったから。
ヴァロンと一緒に暮らしていた時には、当たり前に用意していた品数。
そして、量。

私にとって男の人は、これくらい平らげてくれるものだと思っていた。

……。

けど、そうじゃない。
そんな当たり前の事に、私はこの後気付いて勝手に傷付くの。


みんなで「いただきます」をして、始まった夕飯。
ユウさんも「美味しい!」って、ぱくぱくと頬張ってくれて……。私も最初は嬉しくてご機嫌だった。


「……あ、ユウさん。
お皿貸して?お代わり注いでくるから!」

暫くして空になったカレー皿を見て、私はウキウキしながら笑顔で手を差し出す。

でも……。


「あ、いや。もう十分!
ハンバーグも付いてたし、もうお腹いっぱいだよ。ごちそうさま!」

ユウさんはそう言って、お代わりに首を横に振るとスプーンを置いた。

……。

その言葉と姿に、何とも言えないショックな気持ちが溢れて……。
私は、一瞬言葉が出てこなかった。

なんで?って、思いが浮かぶ。
本当は、美味しくなかったのかな?って、悲しくなる。

普通じゃないのは、私の感覚の方なのに……。


「っ……。
あ、……そう、だよね~。
私、張り切って作り過ぎちゃったなぁ~。……」

頑張って、誤魔化して、笑った。
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