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第6章
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しおりを挟む「……この程度か」
クウォンの声が、聞こえた気がした。
その声と同時に直撃すると思われた隕石はピタッと辺りを破壊する前に止まり、輝く紅い光を放つと……。まるで主の元に還るようにクウォンの辺りに集まって、吸収されるように消えた。
……
…………暗雲はなくなり、晴れ渡る空の下。
私達水の軍は、砦から離れた場所でその光景を見ていた。
始めから、クウォンはこのつもりだった。
水の軍を全滅させるのではなく、砦を壊すのではなく、奪うのが目的だったんだ。
水の国を、本土を奪う為の第一歩の砦を彼は始めから手に入れるつもりで……。
魔力、計画性、全てにおいて……。完全な、力の差。
呆然と砦の方を……。
クウォンの方を見ている私を、彼も見ている気がした。
そして、フッと勝ち誇ったように笑ったクウォンが私から目を逸らして、背を向けて、消えて行った。
……
…………。
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