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第4章

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嬉しい。
ドキドキする。
こんな視線で見つめられて、心が揺さぶられない筈がない。

ーーでも、ダメ!
今日は、このまま流されたくないっ……!


「ガーネット、俺は……」

「ーークー兄様!私、っ……負けませんから!!」

ギュッと拳を握り締めながら、自分よりも背の高いクー兄様を見上げて伝える。

「他の女性にもっ……。母様、にも……負けませんッ!」

「!……えっ?」

目を見開いて、私を見つめるクー兄様。
その瞳に特別に映るのは、私だけで在ってほしい。

「クー兄様の事を誰よりもお慕いしているのは私ですっ!
例え、クー兄様がいつかご正室を迎えても……。クー兄様にとっての1番は、絶対に私がなってみせますッ!!」

今、クー兄様の心の中にいるのが母様でも……。その代わりでも……。
いつか大国のお姫様が正室に来ても、変わらない。

「私よりも、クー兄様を大好きな人なんていないんだからっ……。
覚えておいて、下さいッ……!」

クー兄様に相応しい女性に、他の誰とも比べられない存在になってみせるーー!!

そんな強い想いを抱きながら自分の精一杯を言葉にした。
それはずっとずっと心に秘めて言えなかった、私の愛の告白。

けれど。その告白を聞いたクー兄様は、私の頬に触れていた手を引っ込めて、自分の顔を隠すように覆うと少し俯く。

「?……クー兄様?」

その反応に"どうしたのか?"と私が顔を覗き込むと……。

「っ……ふふっ、はははははっ!!」

クー兄様は突然声を上げて大爆笑しだした。
片手でお腹を押さえて身を捩り、もう片手は笑い過ぎて目尻に溜まった涙を拭っている。

「なっ!
なによっ!なんで笑ってるのっ……??」

自分なりの一生懸命な告白。
その直後のクー兄様の予想外の大爆笑。
訳がわからない。
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