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(3)リディアside

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【リディア26歳/ギルバートの家】

「ーー実はね、赤ちゃんが出来たの」

嬉しそうにお腹をさするサヤの言葉に、私は自分の心が凍り付くのを感じた。

サヤは新婚ホヤホヤ。
ちょっと頼り甲斐がないけど、優しく大切にしてくれる旦那さんと結婚した。
夢の配達人、私の同僚のギルバートと。


大好きなサヤ。
私の、たった一人の親友。

……。

それなのに、私は目の前で微笑んでいるサヤを見たくなかった。


何故、サヤだけそんなに幸せなの?

自分を大切にしてくれる人。
幸せな結婚生活。
それに、愛おしい人との赤ちゃん。


……何で?何で?
私だって、必死に頑張ってる。
私とサヤは、何がそんなに違うのっ……?

心が、思わずそう叫んだ。


「ね?リディア。
お昼ご飯一緒に食べれる?」

「!っ……え。あ、うん!」

サヤに尋ねられて私はハッとした。


っ……私、今……何考えて……。
サヤは……私の親友、なのにっ……。

胸がドクンッと嫌な音を立てる。

親友の幸せを願えないなんて。
ましてや妬むなんて……。
サヤはとても良い子。
それなのに、湧き上がる嫌な想い。


「……あ、じゃあさ!ご飯食べに行こう!
私、お祝いに奢るから!
……って、あ……つわりとか大丈夫?」

私は自分のモヤモヤを打ち消すように、笑顔を作ってみせた。


「うん、大丈夫。
つわり軽いみたいで、むしろすぐお腹空いちゃうくらい!」

「良かった。
じゃあ、行こうか!」

サヤの笑顔に、自分の心の中が知られていないと思うと……。
私はホッとした。
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