【R18】夢の言葉と虹の架け橋【続編①】

☆リサーナ☆

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第9章 (1)ヴァロンside

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茫然と佇む俺の名を、アカリが手紙を差し出して呼んだ。

すると……。


「!……ヴァロン、さん?
貴方が……やっぱり、ヴァロンさんなんですねっ?」

ずっと黙っていた少女が、俺の名前に反応して……。俺を見上げて、瞳に涙を浮かべながら微笑んだ。

「……思い描いていた通り。
聞いていた通り、素敵な方……ですね」

その言葉に、勇気を出して少女を見ると…。少女は目を擦って俺から目を逸らした。

「……すでに、お二人は出逢われていたんですね!
……。良かったぁ」

少女はそう言って、アカリに微笑んだ。

……。

何で、だよっ……。
何でっ……親子揃って、何も言わねぇんだよ……ッ。

俺の、幸せばっかり……祈ってんだよッ……。

俯きそうな俺に、少女は顔を上げさせるようにまた微笑んだ。


「……過去に、捉われないで下さい。
……。止まない雨はない。
きっと貴方の真上に、虹は架かっていますよ?」

少女はペコッと俺に頭を深く下げて……。
少しして顔を上げると……。俺の横を通って、足早に歩き出す。

擦れ違い際に香る匂い。
足早に歩く足音。

俺は彼女を、もう見失ってはいけないっ……!


「……。……待て。
っ……おい、っ……待て!」

その場を去ろうとした少女に、俺は夢中で駆け寄って……。パシッと手を掴んで、止めた。


小さな手、細い指。
力を込めたら折れてしまいそうな、少女。

……。

護ってやりたい。
愛おしさが、溢れて……。

何故、今まで傍に居てやれなかったのだと……。
気付いてやれなかったのだと、後悔した。
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