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第8章 (2)アカリside
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しおりを挟む『アカリちゃんへ
突然の見知らぬ人からのお手紙に、きっとさぞかし驚いてるわよね?
初めまして、私はリディアと言います。
貴女のお母さんとはお友達で、お父さんとはお仕事を一緒にしていた同僚です。
そして実は、私は貴女に会った事があります。』
リディアさんの手紙。
そこには、シュウさんの言った通り両親を通して私に会った事があると……綴られていた。
『……て、言ってもアカリちゃんが1歳の時だからきっと覚えてないよね?
仕事で嫌な事や落ち込む事があった時、私は幼い貴女の笑顔に癒されていました。
アカリちゃんの笑顔は不思議で、貴女に微笑まれたら……つい、つられて微笑ってしまう。
私はアカリちゃんが、大好きでした。』
……不思議。
全然覚えていないのに、リディアさんからの”大好き”の文字。
胸がジーンとして、少し視野が滲んだ。
『きっと今は、ますます笑顔の素敵な女性になってるんでしょうね!
だから、18歳のアカリちゃんにお願いがあります。
同封してある手紙を……』
「……”夢の配達人のヴァロンって人に渡してほしいの。”……っ」
思わず私が読み上げた文面。
私の背後にいたヴァロンとシュウさんが、驚いた様に手紙を覗き込んだ。
同封されていた宛名のない手紙は……。リディアさんがヴァロンへ書いた手紙だった。
私も驚きながらも、続きを読む。
『そして、ヴァロンを笑顔にしてあげてくれないかな?
口も態度も悪いけど、根は優しい奴。
素直じゃなくて捻くれてるヴァロンを、きっとアカリちゃんの笑顔なら癒せると思うんだ。』
それはまるで……。本当にリディアさんが引き合わせたかのような、出逢い。
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